ハイブリッドクラウド管理の最適化を目指すNutanix

昨今、企業システムにおけるデータやアプリケーションは、オンプレミス環境はもちろん、複数のプライベートクラウド環境やパブリッククラウドサービスが複雑に組み合わされたハイブリッドクラウド環境で運用されています。そのため、オンプレミス環境、クラウドサービス環境、それぞれの管理が必要であり、システム管理者の作業負荷や管理コストの増大が大きな課題になっています。

この問題を解決するためのソリューションが、米国カリフォルニア州に本拠地を置くNutanix社が発表した「Nutanix Enterprise Cloud OS」です。Nutanix Enterprise Cloud OSは、マルチクラウド対応のアプリケーション運用管理ソフトウェア「Nutanix Calm」と最新のパブリッククラウドサービス「Nutanix Xi Cloud Services」が搭載されたソフトウェアスタックです。

Nutanix Enterprise Cloud OSは、Nutanixブランドのアプライアンスをはじめ、IBM、レノボ、Dell EMC、シスコ、HPEのプラットフォームによるオンプレミス環境のほか、アマゾンウェブサービス(AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure(Azure)によるクラウド環境、さらにNutanix Xi Cloud Servicesによるネイティブ環境をサポート。マルチクラウド環境のシンプルな運用管理を可能にします。

Nutanixはコンピューティングとストレージ、ネットワークを単一のプラットフォームに統合した「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」の企業というイメージがあります。しかし、Nutanixのプレジデントであるスディーシュ・ネア氏は「Nutanixはもはや単なるHCIの企業ではありません。クラウドプラットフォームを中核としたエコシステムを構築できる企業へと進化しているのです」と話しています。

「たとえばAppleが携帯電話やデジタルカメラ、携帯音楽プレイヤーなどの機能を1つにまとめた製品としてiPhoneを作り、さらにApple StoreやiCloudなどで構成されるプラットフォームを利用したビジネスで成功したのと同じ戦略です」とネア氏は話します。Nutanixが目指すプラットフォームビジネスを実現するためのコンポーネントが、Nutanix CalmおよびNutanix Xi Cloud Servicesなのです。

スディーシュ・ネア

( 出典:Nutanixのウェブサイト:https://www.nutanix.com/company/#sudheesh-nair

マルチクラウドの一元管理を実現するNutanix Calm

Nutanix Calmはフルスタックでのアプリケーションの自動化、および統合的なオーケストレーションと管理を実現するソフトウェアです。Nutanix Prismのインタフェースを利用して、(1)セルフサービスとガバナンス、(2)アプリケーションライフサイクル管理の自動化、(3)ハイブリッドクラウド管理の大きく3つの機能を提供しています。

Nutanix Calmの大きな3つの機能

Nutanix Calmの大きな3つの機能

(1)セルフサービスとガバナンス
ブループリントを利用してアプリケーションを定義することで、異なるクラウドサービスへのプロビジョニングや管理、スケーリングのセルフサービスを実現。マーケットプレイスで提供されているアプリケーションも利用できます。このとき、きめ細かなアクセスコントロールと予算管理も実現できます。

(2)アプリケーションライフサイクル管理の自動化
プロビジョニングから設定、拡張、アップグレード、削除までを、ブループリントに定義することで実現できます。これにより人的ミスや遅延の発生、ダウンタイムを低減できます。また、複雑化したアプリケーション間の相互依存性を容易に把握することも可能になります。

(3)ハイブリッドクラウド管理
機械学習を利用することで、アプリケーションがどのクラウドサービスで、いくらのコストで運用できるのかを、一目で把握できる請求予測が可能。アプリケーションをより低コストのクラウドサービスにダイナミックに移行することで、もっとも経済性の高い運用を実現できます。

ネア氏は「自動車は、個人所有でも、レンタカーでも、運転方法は同じです。コンピューティングリソースの利用においても、同じような柔軟性が必要です。しかし現実的には、オンプレミス環境やクラウドサービスごとに運用管理のためのツールが異なっています。Nutanix Calmはこの課題を解消できます」と話します。

Nutanix Calmは2017年第4四半期から提供が開始される予定です。

ワンクリックでDRを実現するNutanix Xi Cloud Services

Nutanix Xi Cloud Servicesは、HCIソフトウェアである「Nutanix Enterprise Cloud platform」と同じツールや同じサービス品質で開発された、ターンキー型のパブリッククラウドサービスです。企業インフラのプロビジョニングとデプロイをオンデマンドで実行できます。サービスの第1弾として、ディザスタリカバリ機能の設定、管理、試験が数分で実現できる「Disaster Recovery as a Service(DRaaS)」サービスが提供されます。

ネア氏は「AppleはiCloudを販売しているわけではなく、サービスを有効にするツールとしてiCloudを提供しています。iPhoneの利用者は、設定時に写真を保存できるスペースが必要か、音楽が聞き放題のサービスが必要かという問いに“はい”と答えることで、iCloudの利用が開始されます。このとき利用者には、iCloudを使っているという意識はありません。Nutanix Xi Cloud Servicesも同じ世界を目指しています」と話します。

NutanixのDRaaSサービスを利用することで、企業はセカンダリのデータセンターをプライベートに構築することなく、Nutanix Xi Cloud Servicesをセカンダリのデータセンターのように利用して、ワンクリックでDR環境を構築することが可能です。フェイルオーバー/フェイルバックも数分で実現できます。Nutanix Xi Cloud Servicesの第1弾であるDRaaSサービスは、2018年第1四半期から提供が開始される予定です。

NutanixのDRaaSサービス

NutanixのDRaaSサービス

Nutanixでは今後、Nutanix Enterprise Cloud OSをパートナー企業とともに展開していく計画です。その一環として、Google Cloudとの戦略的な提携を発表しています。この提携により、Nutanix Calm for GCPによるワンクリックのハイブリッドクラウド運用管理の実現のほか、Nutanix Xi Cloud Services for GCPによるDR環境およびバイモーダルの実現、Nutanix Enterprise Cloud OSとKubernetesの組み込みサポートなどを提供します。

ネア氏は「パートナー企業との戦略的な提携は、今後も積極的に展開していきます。日本市場においても、日本のクラウドサービス事業者とのパートナーシップを構築していく予定です」と話しています。