こんにちは、さくらインターネットの寺尾です。
今回は、さくらインターネットの福岡オフィスで開催されたECセミナーについてレポートを書かせて頂こうと思います。

サーバとECとオンライン決済のイマ@さくら福岡オフィス~さくらのクラウドとMagentoとStripe~

今、福岡が熱いというのは各所で言われていることですが、さくらインターネットの福岡オフィスの開所式も記事にしていただきました。今回はその熱い福岡の中でも、特に盛り上がっているECをテーマにしたセミナーを開催しました。

福岡という土地はアジアのハブ都市を目指している都市で、福岡空港はその非常に高い利便性から年間利用者数が羽田・成田に次ぐ第三位という人気を博しています。人が集まれば当然モノもたくさん集まり、物流も盛んになります。物流も盛んになれば当然コストも下がっていくため、福岡での越境ECについては成長が期待されています。

今回のセミナーでは、オープンソースの越境ECプラットフォームである「Magento」と、それを動かすインフラである「さくらのクラウド」、越境ECを支える他通貨対応決済サービス「Stripe」の3つのソリューションについてまとめて聞ける機会となりました。

タイムテーブルはこちらです。

時間 テーマ 登壇者
19:00~19:30 マジェントで構築するECサイト ベリテワークス CTO 西宏和
19:30~20:00 さくらのクラウドでMagentoを使ってみる さくらインターネット エバンジェリスト 寺尾英作
20:00~20:30 クラウド時代の決済のカタチ ストライプジャパン エバンジェリスト 小島英揮

 

越境ECプラットフォーム 『Magento』

最初に発表していただいたベリテワークス CTO の西さんは、日本で唯一のMagento Masterとして活動しており、日本のユーザを増やすようにと日々プレッシャーをかけられているそうです。ちなみに、エバンジェリストによく間違えられるそうですが、Magentoの唯一のエバンジェリストは、Ben Marks さんだそうです。

ベリテワークス CTO の西宏和さん

西さんは、「Magentoは公式には24万サイト程度動作しており、多言語・他通貨に対応したECサイトの構築が可能です。ECサイトを構築すること自体は、お金が入ってこず、売り始めてから初めてお金が入ってきます。そのため、構築がどれだけ早く終わり、販売を始められるかという点が重要です。そのためにMagentoは役に立つ。」と語りました。

現在(イベント時点)は2.1.7が最新バージョンですが、次期安定版となるMagento 2.2 が、9月にGAになる予定だという。Magentoの早いリリースサイクルで2.3は2017Q4に出るかも知れない。ちょっと早すぎて制作側としては嫌かも知れませんね。

2.2で強化される機能は、以下のようなものがありますが、全体的には2.1の完成度を上げてきた感じとのことです。パフォーマンスの改善では、なんと、300点以上の商品をカートに入れてもスムーズに買い物できるそうです。これで、たくさん買ってもらえますねw

次に、日本で良く聞く意見として、「技術者向けの資料や文献は英語で良いのではないかとのメッセージがあった」といった提言があった。
わたしも、以前ベトナム人のエンジニアと交流する機会があったが、彼らの多くは英語が読み書きできるのです。というのは、ベトナム語での技術ドキュメントが皆無であるため、英語を学び、技術を学ぶしかなかったのです。しかし、それが功を奏し、現在では最新の情報を取得できるエンジニアが多く、日本が技術力で抜かれるのはそう遠くない未来かもしれません。日本にも技術者は英語分かるよねというムーブメントが来た方が良いかもしれない。

開発者向けのドキュメントは、 Dev.doc を見てください。

その他、パフォーマンスを出すための注意点も示した。
・サーバスペックが適切か?
・CDNやVarnishを使っているか?
・カスタマイズで変なコードを追加していないか?
などが良くある注意点だという。

最後に、「Magentoは、Stripeを使った決済にも対応する予定。Stripeは日本の決済会社に比べてAPIが分かりやすく実装が容易であった」と語った。(→ その後、リリースされています 「Stripe連携エクステンション for Magento2」)

国内のECショップは海外に販路を広げることは大切でしょう。そのためにも、こういったECプラットフォームを活用して素早い展開が出来ると良いだろうということを強く感じました。
さらに、それを支えるMagentoに対応したSIerが多く出てくることが期待されます。

今回の開催地福岡からは遠いですが、東京近郊のMagentoユーザー・開発者を対象としたMeetupは定期的に開催されているらしいので、興味を持った方は是非参加してみてほしい。

Magento Meetup Tokyo

さくらのクラウドでMagentoを使ってみる

私のセッションについては、さくらのクラウドではスタートアップスクリプトで最新版のMagentoがUbuntu16.04上にインストールが出来ますよという話を、ステップバイステップでお話しをさせていただきました。

筆者(さくらインターネット 寺尾英作)

興味がある方は是非以下のスライドを見て試して欲しい。

クラウド時代の決済のカタチ

次にお話しいただいたのは、元AWSのマーケティング責任者であった、ストライプジャパン エバンジェリストの小島さんです。
パラレルキャリアで複数の企業に関わっていますが、今回はStripeという決済サービスについてお話しを頂きます。

ストライプジャパン エバンジェリスト 小島英揮さん

小島さんが、強く訴えていたのは、「スマホでは銀行振り込みで支払などはしないですよね。UberやAirbnbなどが世界を変えた裏には、事前に決済することでサービスのUXは向上する事実がある」と言うことでした。

日本には未だに根強く現金決済主義が根強く残っていますが、レジ無しの実証実験店舗「アマゾンGo」を経験した人は「なぜこれまでレジに並んでたんだろう」と思うほどだそうです。
中国でも、AlipayやWechat payなどで非現金決済が広く普及をしてきています。

ここで念を押して話をしていたのは、「B2Bだとクレジットカード決済が出来ないというの思い込みであり、正しい認識ではない。なぜなら、AWSはアカウントを作る際に必ずカード決済が必要なのにも関わらず、あれだけの法人ユーザを獲得出来ているがその証拠といえる。」と語った。

カード決済をやる意味が理解できたところで、カード決済をどうやってやるかについても説明があった。
ポイントはカード情報を持つかどうかだそうです。なぜなら、クレジットカード情報を持つとPCI DSSなどを満たす体制を作らねばならないですが、非常にコストのかかることだし、店舗は売ることに注力するべきです。なので、クレジットカード情報の管理にリソースを割くべきではありません。小島さんは、「カード情報を持たないことが大切だ」と語った。

Stripeのようなカード決済サービスを利用するメリットの一つに、不正利用対策もあるとのこと。
海外からのカード決済には、不正利用が国内の決済に比べて非常に多くある。この不正利用のパターンは日々変化しており、継続的に不正なカードのラベリングなどを継続していかなければならないが、こういった作業を人力で行うのはほぼ不可能で、Stripeでは機械学習を使うことで継続的な対応を可能にしているそうです。

こういったことまでを、自前でやるのは難しいですよね。
決済サービスを利用する必要性が、ストンと納得のいくセッションでした。

Stripe利用のメリット

・実装しやすいAPI&管理しやすいダッシュボード
・初期費用・月額費用不要
・トークン方式でクレジットカード情報管理から解放
・他通貨決済を容易に実装
・機械学習を活用した不正利用対策

オンライン決済の新しい標準 Stripe

JP_Stripes (Stripe ユーザーグループ)in Fukuoka キックオフ

尚、このセミナーで紹介されたオンライン決済プラットフォーム Stripeのコミュニティミートアップが、9月14日(木)に、はじめて福岡で開催されます。
既にECを運用されている方や、これから決済機能に触れてみたい、という方もぜひご参加してみてはいかがでしょうか?

■JP_Stripes (Stripe ユーザーグループ)in Fukuoka キックオフ
 日時:2017年9月14日(木)
 場所:株式会社ヌーラボ イベントスペース
 詳細・申し込み: http://eventregist.com/e/JP_Stripes_FUK

※参加された方には、StripeのTシャツやステッカーなどもご用意しています。

まとめ

越境ECの必要性から、越境ECプラットフォーム Magento の紹介、Magentoのインストールを手軽に行う方法を紹介し、越境ECで確実に欲しくなる決済サービス Stripe の紹介と、越境ECを開始することに興味がある方には、とてもコンパクトにまとまった実のある勉強会だと感じました。

その後の懇親会も、遅くまでディスカッションを行っている方が多く見られました。あらためて、福岡の熱量を感じた1日でした。

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