「お客さま」の存在する全ての業界で、“縁の下の力持ち”として活躍しているカスタマーサポート(CS)部門。お客さま目線からサービスの成長を支える役割として、その重要性を疑う人はいないでしょう。優れた顧客対応は、優れた商品と同じくらい、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)を向上させてくれます。近年は多くの企業で、CSの質を高める努力が行われるようになりました。また、こうした流れを受けて、CSを単独のテーマとした業界イベントも多数開催され始めています。

そんな中、この11月29日に株式会社メルカリGMOペパボ株式会社、そしてさくらインターネット株式会社の3社が合同での勉強会を実施。定期的に行われているCS業界向けイベント「CS Night」(主催:株式会社ヌーラボ・BASE株式会社)での名刺交換をきっかけに、インターネット業界CSの若手(新人)育成を目的とした“ユル~い”集まり「CS Young Meetup」が行われました。

ここではその勉強会の様子をレポートいたします!

・・・・とその前に腹ごしらえ ^_^
イベントはピザとお酒を片手にユル~くスタートです。

カスタマーサポートの価値とは?

まず最初に登壇したのは、さくらインターネット カスタマーリレーション部 部長の榎本秀行さん。人工知能の発達によりCSという仕事がなくなるかもしれない未来を、直近の事例を踏まえて紹介しつつ、「我々に未来はあるのか?」と問いかけます。もちろん答はYES。むしろ、これにより「オペレーターがより高度な問い合わせ対応に注力できるようになり、顧客満足度向上につながる」という解を提示しました。

さくらインターネット 榎本さん

では「高度な問い合わせ」とは何なのでしょうか?

榎本さんは、それを「質問に直接的に回答しても、お客さまの課題解決に寄与しない問い合わせ」とします。これからのCSには、お客さまの気がついていない問題を顕在化する「洞察力」と、お客さまに変わって数ある解決策に優先順位を付ける「提案力」が求められていくのだと。

「機械(人工知能)はお客さまの“不満足”を解決する。人間はお客さまの“満足”を創出する」と、こうした価値を生み出せる人材の育成が、この勉強会の目的であると語る榎本さん。さらに「ネット界隈のカスタマーサポートを我々が引っ張っていきたい」という野望も掲げつつ、「皆さんにはぜひ、その中心にいてほしい!」と開催の挨拶に代えて熱弁してくれました。

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「私の強みと弱み」を3社の若手CS担当がプレゼン!

今回の勉強会は、各社若手CS担当者によるライトニングトーク形式(持ち時間は各10分)を採用。「私の強みと弱み」を基本テーマにそれぞれが考える、これからのCSについて語ってもらいました。

1人目は、メルカリに7月に入社したばかりという久東千寿子さん。

メルカリ 久東さん

アパレル店員、ECサイト運営を経て、現在はCSの新人育成に携わっています。これまでの仕事で「クレーマーをファンにつなげる対応を経験」してきたことが、彼女の強み。その秘訣を問われると、「いかにお客さまの怒りに共感するかが大切。その気持ちに寄り添って、自分たちのできることを提案していく」のだと教えてくれました。反面、これまで経験してこなかった、多くの人の前に立つプレゼンは苦手とのこと。今回のプレゼンを大切なはじめの一歩として、公の場で話すことに慣れていきたいそうです。

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2人目は、GMOペパボの宮良眞美さん(4月入社)。彼女は、CSの仕事をより多くの人に認めてもらうために(認めざるを得ないようにするために)「スーパーCS」を目指すことを宣言。スーパーCSではない、これまでのCSのままでは「会社を守ることには役立っても、利益には貢献できない」とし、業務の改善や追加、企画の提案など、これまでの枠を飛び出した活動の重要性を訴えます。「CSの改善にユーザーを巻き込んでいく」など、すでに具体的なアイデアもあることもアピール。「お客様の一番近いところにいるのがCSの強み。それをいかして、仕事の幅を広げていきたい」と語ってくれました。

GMOペパボ 宮良さん

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若手CS担当者によるライトニングトーク、最後の1人は、さくらインターネット セールスマーケティング本部の鈴木雅広さん。実はまだCSに配属されたばかり(4月入社)ということで、CSについての勉強はまだまだこれからなのだとか。「上司から、几帳面すぎる、コミュニケーションが不足気味、主体性がないと怒られています」と苦笑いしつつ、それを「誠実である、離れたところから物事を見極める、他人の意見を尊重する」という長所に変えていきたいととても前向きです。今後の目標は技術部門や営業部門の同期と協力して面白いITサービスを立ち上げること。「サポートを通じてお客さまを支援していくことで、インターネットに貢献していく」ことがこれからの目的だそうです。

さくらインターネット 鈴木さん

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それぞれフレッシュな視点でCSを盛り上げていこうという3人。これからの活躍に期待しましょう。

「考える」若手の育成こそが勉強会の目的

若手によるフレッシュなライトニングトークが終了後、トリのプレゼンターをつとめたのはGMOペパボ EC事業部カスタマーサービスグループマネージャーを務める宇賀神卓馬さん。同じく「私の強みと弱み」というテーマで、宇賀神さんが率いる同社のCS事業への取り組みを語ってくださいました。

GMOペパボ 宇賀神さん

「考える」ことができる、その1点だけが自分の武器だという宇賀神さん。「考える」ことと、「知る・学ぶ・理解する」は決定的に違うのだとか。後者だけの、教えられたことしかできない社員にはならないでほしいと警告します。

同社初のCSマネージャー職として、前任者のいない中、考えに考え抜いて「電話サポート・チャット対応の開始」「多数の部署のサポート業務を1つのCS部署に一本化」「シフト制の排除」など、ゼロからの立ち上げを多数実現してきた宇賀神さんですが、「考える」ことができる人材をどう育てればいいのか全然分かっていないことが、目下、最大の悩みなのだそうです。

今回、この勉強会を企画したのもそのため。今後も、こういう機会をもっとたくさん提供して、「考える」ことができる人材を多く育てたいとのことです。

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ゆる~く、細く長く、継続は力なり!

短い準備期間だったにも関わらず、大成功に終わった「CS Young Meetup」。主催者も大満足の、非常に濃い内容となりました。

「思っていたよりもずっとレベルが高かった。特にGMOペパボ 宮良さんの発表が素晴らしかった。やりたいことがはっきりしているのは大事ですね」(榎本さん)

「これまで、こういうイベントに集まるのは意識の高いマネージャークラスばかりだったので、こういう若手の声を聞けるイベントをやれたのは良かったです」(宇賀神さん)

「こういう発表は、上手くやるのではなく、上手くやろうとするプロセスが大事。弊社の久東もこの日のために仲間を巻き込んで試行錯誤・切磋琢磨していました。こういうことは今までなかったので、やった甲斐がありましたね」(メルカリ 小川さん)

メルカリ 小川さん

もちろん、「CS Young Meetup」は今回で終わりではありません。今後も定期的に開催していく予定です。「ゆる~く、細く長く、継続は力なり!」が会のモットー。次回は豪華ゲストの飛び入りもあるかも? これを読んで興味を持った、インターネット業界のCS部署マネージャーからのお問い合わせもお待ちしております!

次回は2017年1月23日(月)に、さくらインターネット(東京支社 33F)で開催されます。
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