さくらインターネットでコミュニティマネージャーをしている法林です。

8月27日(日)に「July Tech Festa 2017」(JTF)が開催されます。JTFはインフラエンジニア向けの話題を主に扱う技術カンファレンスで、今年で5回目を迎えます。今回、さくらのナレッジは、このイベントにメディアスポンサーという形で協力することになりました。そこで、JTFのスタッフミーティングにお邪魔して、このイベントの成り立ちや、今年の見どころなどをうかがってみました。

July Tech Festaの立ち上げ

July Tech Festa実行委員会の皆さん
後列左から、山口知子さん、渡邊紀文さん、千代浩之さん
前列左から、藤崎正範さん、山崎泰宏さん、小山裕司さん

法林:そもそも、July Tech Festaは、どういうきっかけで始まったんですか?

小山:私がアドバイザーをやっているCUPA(クラウド利用促進機構)という団体があって、そこでイベントをやることになったんですね。で、どういうやり方で運営するかって部分で、イベント業者に頼む方法もありますが、それよりはコミュニティベースでやった方がいいんじゃないかと思い、この形になりました。

法林:会場は初回からここ(産業技術大学院大学)だったんですか?

小山:そうです。実は私が勤めている学校でもあるんですが、JTF以前にもPyCon JPなどに貸し出した実績があったので、問題なく提供できました。あとは運営メンバーですね。イベントのやり方をいろんな人に相談する中で、藤崎さんや山崎さんが加わってくれて、今の実行委員会の原型ができました。

藤崎:そういう経緯だったんだ。初年度から関わってるけど今まで知らなかったです(笑)。

小山:あと、藤崎さんの会社のCTO(株式会社ハートビーツの馬場俊彰さん)がうちの修了生で、そういう縁もあって声をかけたというのもあります。

法林:他の実行委員の皆さんはどういう経緯で集まったんですか?

山崎:藤崎さんや私のように小山さんから相談を受けた人や、あとは小山さんの人脈で集まった人達、さらにそこから誘われた人達ですね。基本的には知り合いを頼って集めてる感じです。

法林:CUPAが立ち上げに関わっているから、会員企業から委員を集めて組織的に運営してるのかと想像してたんですが、意外に草の根ベースでやってるんですね。

ミーティング中の実行委員会の皆さん

プログラムは公募+招待講演

法林:JTFというとインフラ系の話題が多い印象があるんですが、そのあたりの傾向も最初から決まってたんですか?

小山:決まっていたというよりは、集まった運営メンバーにたまたまインフラ系の人が多かったので、必然的にそのあたりをターゲットにするカンファレンスになりましたね。

法林:なるほど。プログラムはどのようにして決めているんですか?

藤崎:基本的には登壇者を募集して、応募してもらった中から実行委員会で選んでいます。選ぶときのポイントは、募集時にテーマや重点領域を設定するんですが、それに沿っているかどうかとか、内容が変に売り込みに偏っていないかとか、そういうところを中心に見てますね。ちなみに今日のミーティングでは、採択したセッションを並べてタイムテーブルを作っています。(編注:作業の甲斐あって7月10日にタイムテーブルが公開されました)

法林:テーマや重点領域の設定は、運営側が聞きたい話を集めるためには重要ですね。今年のテーマは「ITエンジニアリングの本質を極める」だそうですが、これに決まった経緯を教えてください。

山崎:実は昨年までは具体的な技術用語を入れたテーマを掲げていました。例えば昨年は「IoTxAIxインフラ時代の最新技術、やってみたSP -俺の屍を越えて行け-」です。でも、そうやってテーマを設定しても、応募する側が必ずしもそれに沿って応募してくるわけではないんですよね。そこで、今年はもう少し抽象的なテーマにしてみました。

藤崎:その分、重点領域の方に、自分たちが募集したい技術キーワードを書きましたね。

山崎:そうですね。ただ、イベントの冒頭に行う基調講演だけは、このテーマそのままのタイトルでお願いしました。

法林:募集だけでなく、実行委員会からお願いして来てもらう講演もあるんですね?

山崎:はい。毎年1-2本、基調講演や招待講演を用意しています。今年はグーグルの中井悦司さんにお願いしました。

昨年の基調講演。当社フェローの小笠原治が登壇しました。

今年のプログラムの特徴は?

法林:何年かやっていると、年ごとに「今年は○○に関する応募が多いなぁ」という特徴が出たりすると思うんですが、今年の応募には何か特徴がありますか?

山崎:今年は、Ansibleなどの自動化ツールや、ZabbixやPrometheusといった監視ツールの話と、Rancherやコンテナ系の話題が多いですね。応募が多い分野については、入門編と応用編という感じで複数のセッションを用意することができました。

法林:先ほど、重点領域や歓迎する話題を募集時に設定しているという話がありましたが、やはりそれに沿った応募が多いんですか?

山崎:こちらの設定に沿った応募もありますが、そうでないものもありますね。何年かやっていると毎年応募してくれる人も結構いるんですが、そういう人はだいたい得意分野があって、その話で応募してくるので、必ずしもこちらの希望とは一致しないですんですよね。

法林:常連発表者みたいな方もいらっしゃるんですね。新しい人も入ってきてますか?

山崎:結構いますよ。今年は応募の半分ぐらいが新しい人で、例年に比べて特に多かったように思います。ちなみに本数的には、今年は55本ぐらいの応募があって、そのうち40本ぐらいを採用しました。登壇者の一覧はウェブに載せましたので見てください。

参加者の投票で部屋割りを決定

法林:では、こうして編成された今年のプログラムの中から、実行委員会が注目しているものを教えてください。

藤崎:やはり基調講演はぜひ聞いてほしいですね。

山崎:実行委員会の注目セッションではないんですが、実はチケットを買ってくれた人に、どのセッションが聞きたいかを調査しています。で、その結果をもとに部屋割りを決定しています。聞きたい人が多いセッションは大きい部屋、少ないセッションは小さい部屋、といった具合です。ですので、大きい部屋は参加者の注目セッションが並んでいるとも言えますね。

法林:いろんなイベントを見ていますが、どのセッションを聞きたいか事前調査しているイベントは少ないような気がします。

山崎:JTFでは3年前ぐらいからこの方式を実施してるんですが、これをやると、どの部屋もいい感じに埋まるんですよ。それ以前は、立見が出るぐらい人があふれたり、反対に部屋は大きいのに閑散としていて…といったことがありました。

藤崎:今年は、時間帯によっては票が各タイトル均等に割れているんですが、こういうのは珍しいですね。部屋の大きさは、特大/大/中/小といった感じで定員に差があるんです。ですので、票がある程度偏ってくれた方が部屋割りがしやすいんです。均等に割れると悩みますね。

いい感じに埋まっているセッション会場。会場が学校なので教室も使います。

エンジニアも英語を話そう!英会話カフェ

法林:プログラムを見ていると「英会話カフェ」というのがありますね。これは何をしているんですか?そしてどういう経緯で始まったんでしょうか?

藤崎:エンジニアも英語を話せた方がいいよね、という話がよく出ますが、でもエンジニア同士で英語を話す場というのが国内には少ないですよね。そこで、英会話カフェをやろうという話になりました。初年度からやってます。たまたま、私の知り合いに英語を教えている人がいたり、山崎さんの同僚に外国人の方がいたりして、そういう方々にお願いして来てもらってます。

法林:つまり、とりあえずその部屋に行くと、英語で相手をしてくれるわけですね。

藤崎:そうですね。カフェでもいくつかのプログラムを用意していて、いろいろなやり方で英語に接することができます。これも毎年、試行錯誤をしながら少しずつ変えていってます。

法林:他に、今年のJTFで新たに取り組むことはありますか?

藤崎:今年はVRの特集展示コーナーを用意します。5社ぐらい来てくれて、各社の機材で実際にVRを体験することができます。これは自分も楽しみにしています。

法林:VRを5つも続けて見たら酔いそうですね(笑)。

弁当がデフォルトで付いてくる!

法林:JTFの参加者はどんな方が多いんですか?

山崎:年齢的には幅が広くて、各世代が均等に来ていますね。技術領域や職種はよくわからないんですが、これもいろんな人が来ているようです。

藤崎:あと、社外の勉強会に行ったことがない人が初めて参加したのがこのイベントだったというケースが多いですね。ですので、外の勉強会に興味はあるんだけど二の足を踏んでいるような人は、ぜひ来てほしいですね。講演のレベルも初心者向けからハイレベルなものまでそろっているので、自分に合ったものがあると思います。それから、遠方から来る人が結構多いのも特徴です。

法林:これから参加しようという人にとっての敷居が低いのはいいですね。そういえば、JTFでは参加者に弁当が出るそうですね。

小山:そうなんです。この会場って近くに飲食店が少ないので弁当は必須だと思い、参加者にデフォルトで提供しています。ところが、これが意外に参加者に伝わってなくて、弁当は別料金を払うものと勘違いして受け取らなかったり、午後から来て、弁当がもらえない人が結構います。「JTFは弁当付き!」はぜひ強調してお伝えしたいです。

山口:ちなみにおやつも大量に出ます。飲み物も提供してますので、ぜひ召し上がってください。

法林:イベントの飲食って意外に参加者やスタッフのやる気に影響しますよね。

小山:そういう意味では、弁当を毎年いろんな業者にお願いしてるんですが、今年は具体的に言っちゃうとほっともっとです。

法林:これはまた随分スタンダードな弁当屋が出てきましたね。

小山:これにはちょっとした経緯があって、弁当は余らせるともったいないので、個数をやや少なめに用意して、足りなかったらスタッフの分は近くのほっともっとで調達、ということにしているんですが、実際には毎年なぜか足りるんですね。

法林:参加登録していても来ない人がいたり、先ほど話題になったような勘違いして弁当を受け取らない人がいるからですかね。

小山:そうでしょうね。で、個人的には足りたんだからいいだろうと思うんですが、なぜかスタッフが残念そうにしているので(笑)、実はほっともっと食べたいの?それなら最初から頼もうよということで、今回お願いしました。

JTFは弁当がデフォルトで付いてくる!

実行委員が語る今年のJTFへの期待

法林:では最後に、今年のJTFにどんなことを期待しているかをお聞かせください。

千代:今年も新しい試みをいろいろやっているので、ぜひ参加者の皆さんに驚いてもらいたいですね。

渡邊:VRの展示を楽しみにしてます。

山口:去年以上に多くの人が集まってくれることを期待してます。ちなみにチケットはPeatixで販売中なので、お早めにお買い求めください。

藤崎:いろんな人にいろんな経験をしてもらいたいです。それから、1人で参加される方も、周囲の参加者とコミュニケーションをとって、仲間を増やして帰ってくれたらうれしいです。

山崎:ぜひ転職してほしいですね(笑)。このイベントがきっかけで転職したとか、新しい仕事がもらえたとか、そういう話をときどき聞きます。そういうのって運営側としてもうれしいし、人材が動くという意味ではすごく良い場だと思います。JTFではスカウティングセッションも毎年やっていて、多くの企業がプレゼンに登壇するので、そちらもぜひご覧ください。

小山:お弁当に関しては、昨年SNSを通じて皆様からいろいろなご意見があったので、運営側も今年の参考にしました。というわけで、今年は弁当に期待しています(笑)。

法林:皆さんいろいろとお話しいただきありがとうございました。私も当日がとても楽しみになりました!会場でお会いしましょう!

昨年の集合写真。今年もご来場お待ちしています!