鹿児島のスタートアップを熱く盛り上げるユーザー主催イベントが開催!

イベントの司会進行を務めたユニマルの永田司さんとfreepの永友絢子さん

さくらクラブイベント第一弾となるユーザー主催イベント「startuphack Kagoshima byさくらクラブ」が6月27日、鹿児島市のアーバンポートホテル鹿児島で開催されました。

さくらインターネット公認のユーザーコミュニティ「さくらクラブ」主催イベントの第一弾となる「startuphack Kagoshima byさくらクラブ」が6月27日、鹿児島市のアーバンポートホテル鹿児島で開催されました。このイベントは九州のスタートアップやTECH系コミュニティの活性化を目的に、株式会社ユニマルをはじめとする鹿児島に縁のあるスタートアップ企業4社が主催。同時に、さくらインターネットのユーザーグループである「さくらユーザーグループ(さくらクラブ)」が全国で初めて発足しました。イベントでは、鹿児島のスタートアップのショーケースや起業家によるセッション、ベンチャーキャピタリストを交えてのパネルディスカッションなど、約7時間にわたってさまざまな企画を繰り広げながら、地方のスタートアップをどう盛り上げていくか、集まった約100名の参加者が熱く語り合いました。

イベントの司会進行を務めたユニマルの永田司さんとfreepの永友絢子さん

イベントの司会進行を務めたユニマルの永田司さんとfreepの永友絢子さん

イベントの開催にあたり、さくらインターネットでコミュニティ支援を担当している広報宣伝室の林雅也は「いかにユーザーの皆さんに喜んでいただくか、コミュニティにどういうことができるのかを日々考えています。コミュニティにとって一番大事なのは、一方通行ではないこと。当社とユーザーの皆さんとのコミュニティがうまく噛み合って、いかに相思相愛になっていくかが最大のポイントです」と語り、ユーザーコミュニティ「さくらクラブ」はユーザー主体の参加が重要であることを強調しました。

さくらインターネット 広報宣伝室の林雅也

さくらインターネット 広報宣伝室の林雅也

スタートアップ支援を通じて一緒に成長しないと未来はない

イベントの冒頭で行われた基調講演「さくらとコミュニティの過去・現在・未来」では、さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕が登壇。落語家のように座布団の上に正座しながら、今回の「さくらクラブ」発足の経緯やその狙いについて説明しました。

自身でも多くのコミュニティに参加していると語る田中邦裕

自身でも多くのコミュニティに参加していると語る田中邦裕

学生時代、自分でサーバを作り、友だちに貸していたという田中は、「もともとはエヴァンゲリオンのホームページを作るためにサーバを立ち上げたのですが、自分で作るよりも利用者の方がよっぽどコンテンツをうまく作ることに気づきました」と語り、コンテンツやサービスではなくインフラを受け持っていくことに意義を感じたと語ります。そして、「当社の使命および存在意義は、お客様のビジネスが広がっていくためのインフラを作っていくことです。要はお客様が増えないと、当社の商売はあがったりなのです。当社自身で何かサービスが作れるわけではないので、支援を通じて一緒に成長していかないと当社にも未来がないのです」と、さくらインターネットがスタートアップを支援することの目的を語りました。

コミュニティはユーザーとの信頼関係が重要と田中は指摘しました

コミュニティはユーザーとの信頼関係が重要と田中は指摘しました

そして、「家にいて一人で仕事をしていても熱量はあまり高まらない。いろんな人と繋がることで熱量が上がるのです。一緒に熱量を高めていくような場を作らないといけないし、当社ができるのはその場を作ること。集まった人たちが熱量を高め合えるようなコミュニティを広げていきたいと思います」とコミュニティが生み出す“熱量”を強調しました。この“熱量”という言葉は、その後のセッションでも各登壇者に引用され、この日のイベントを象徴するキーワードとなりました。

「今回、(基調講演の)スライドには、自己紹介のところに『代表取締役』とは書きませんでした。私も一人の、さくらインターネットが好きで、スタートアップも好きな人間として、このイベントに参加しています」という田中。スタートアップを支援していくことは、さくらインターネットにとってマーケティング施策ではなく、言うなればブランディングの施策なのかもしれないと語りながらも、「10年後にさくらインターネットはスタートアップに強いと言われる状況になっていればいいな、という“裏の心”もありますが。。。(笑)」という言葉には、会場が大きな笑いに包まれました。

イベントには“99名”の参加者が集まりました

イベントには“99名”の参加者が集まりました

スタートアップ4社が個性的なショーケースを披露

田中の基調講演に続いて、鹿児島に縁のあるスタートアップ企業による紹介ピッチが行われました。鹿児島大学内にオフィスを構えるスタートアップの株式会社freepは、「196センチの長身を活かしてエンジニアとして働いています」という取締役の高橋亮さんが登壇。すでに月間あたりの投稿数が300万、再生回数は3000万を超えるという音声によるコミュニケーションで繋がるSNS「Talkspace(トークスペース)」を紹介し、「会話を楽しんだり、歌を歌ったり、面白いネタを語ったり、たくさんの使われ方をしています。SNSの側面と、ミュージックアプリの側面を融合して、今までにない新しいユーザー体験を提供していきます」と語りました。

株式会社freep の高橋亮さん

株式会社freep の高橋亮さん

株式会社スポスタのCTO 松岡宏満さんは、「スポーツ界に巨大なマーケットプレイスを構築することを最終目的にしています」というスポーツチームとスポーツ選手向けサービス「SPO-STA」を紹介。マイナーな競技の選手やチームにはスポンサーがつきにくく、年俸も数百万円レベルにとどまることが多いという現実を指摘した上で、選手とファンの交流・応援の仕組みやスポンサーコマース、スポンサーネットワークといった「SPO-STA」機能を提供することで、新しいファン市場を構築し、選手をサポートする環境を作り出していきたいと語りました。

株式会社スポスタのCTO 松岡宏満さん

株式会社スポスタのCTO 松岡宏満さん

“地方にいることがデメリットでない社会をつくる”というミッションを掲げる株式会社ユニマルは、地方でも好きな働き方ができる世の中を作っていくために、リモートワークを円滑にするファイル共有コラボレーションサービス「universions」を提供しています。代表取締役CEOの今熊真也さんは、仕事の有無に関わらず、クリエイターに月額最低報酬金額を保証するという新しいクラウドソーシングサービス「universions WORKS(仮称)」の提供を発表し、「地方にいることがデメリットではなく、むしろステータスになるような社会を作っていきたいです」と力強く語りました。

株式会社ユニマル 代表取締役CEOの今熊真也さん

株式会社ユニマル 代表取締役CEOの今熊真也さん

株式会社ジョイアスの代表取締役 内村康一さんは、九州工業大学が開発した「なでなでセンサー」を組み込んだ新しいコンセプトの抱き枕「痛すぽ」を紹介。内村さんは「コミックマーケットの出展者や声優志望者は非常に多いですが、生計を立てられるプロの数は限られています。痛すぽを通じて、同人作家、同人声優を持ち上げていきたいです」と語り、無線でスマートフォンにセンサー情報を送り、スマホから音声が流れるという「痛すぽ」の仕組みを“実演”すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。

「痛すぽ」を実演する株式会社ジョイアスの代表取締役 内村康一さん

「痛すぽ」を実演する株式会社ジョイアスの代表取締役 内村康一さん

これからの働き方に求められる「解放」と「自律」

スタートアップショーケースに続いては、東京でシェアゼロ株式会社、パラフト株式会社という2つの会社を経営する起業家の中川亮さんが登壇。「これまでの日本の企業は規律にはまることが成長を意味していましたが、これからは解放されることが成長になるのです」として、企業は“解放”を前提とした組織づくりをし、働く側は“自立(自律)”することが重要になると語りました。

シェアゼロ株式会社/パラフト株式会社の中川亮さん

シェアゼロ株式会社/パラフト株式会社の中川亮さん

スタートアップには東京も地方も関係ない!?

パネルディスカッションでは、7名の登壇者が鹿児島の芋焼酎「あらわざ桜島」を片手に、「地方スタートアップはこう戦え」をテーマに熱く語り合いました。

芋焼酎「あらわざ桜島」で乾杯する登壇者の7名

芋焼酎「あらわざ桜島」で乾杯する登壇者の7名

まずは鹿児島をはじめとする九州のスタートアップ事業についてディレクション。九州でベンチャー支援を行っているトーマツベンチャーサポート株式会社 九州地区リーダーの香月稔さんは、「いかに地方が盛り上がっているかという話をする時に、代表例としていつも宮崎の話をするほど、宮崎と福岡にはスタートアップの事例がたくさんあります。福岡がいいところは、スタートアップに対していろんなプレーヤーが参加しているところです」と語り、高島宗一郎 福岡市長やコワーキングスペース「天神COLOR」を運営する西日本鉄道株式会社、日本政策金融公庫など、スタートアップを支える企業や行政の存在が、福岡のスタートアップが成功している要因になっていると指摘し、「九州のスタートアップのレベル感が上がっています」と語りました。

シリコンバレーでも働いた経験を持つ宮崎スタートアップバレーの代表、齋藤潤一さんは「東京と九州を比べる必要はありません。宮崎にシリコンバレーや東京のモデルを持ってきてもダメです」とし、「東京が良いとはまったく思いません。九州にいても、クラウドファウンディングでお金を集めることはできます。自分が何をしたいのか、なぜやりたいのか、根本を見つめ直すことが大切です」と強調しました。

左から香月稔さん、林龍平さん、田中邦裕

左から香月稔さん、林龍平さん、田中邦裕

株式会社アラタナ 取締役 ECマーケティング事業本部長の土屋有さんが「地域がどうこうというより、まずはサービスを作って立ち上げることです。お金は集めようと思えば集められるので、気にしなくていいと思います。ネットはオープンだしフリーなのだから、とりあえずサービスを作って発信して、それを回転していかないと意味がありません」と語ると、九州限定でベンチャー支援をしている投資会社である株式会社ドーガンの取締役副社長、林龍平さんも「まず作って発信していかないと何も始まらないというのは、まったくその通りだと思います」と賛同。「東京のベンチャー・キャピタルを福岡に呼び、イベントを行ってマッチングさせて、我々も一緒に投資をしたり、近くにいながら日々いろいろな応援をしたりしています」と語り、スタートアップを支援する体制が九州でも整いつつあることを強調しました。

左から今熊真也さん、鮫島悠さん、齋藤潤一さん、土屋有さん

左から今熊真也さん、鮫島悠さん、齋藤潤一さん、土屋有さん

鹿児島でスタートアップを行っている株式会社freep の代表取締役社長CEO鮫島悠さんも、「『鹿児島からどうやってアプリを広げるのですか?』という質問を受けることがありますが、全然関係ないです。Skypeで東京の相手とミーティングもできるし、必要であれば飛行機に乗れば1時間半で東京に行けます。地方だからどうだということは、自分は一度も意識したことがありません」と語り、地方でスタートアップすることにデメリットはないとした上で、「起業は自分がしたいことに対する手段でしかない。起業は誰にでもできるという意識を鹿児島の学生にも持ってもらうためにも、自分たちが頑張らないといけないと思っています」と述べました。

1996年にさくらインターネットを京都府舞鶴市で学生ベンチャーとして立ち上げたさくらインターネットの田中は、「東京と鹿児島、地方と都会ということを言い過ぎだと思います。東京が特別視されていること自体が問題かなという気がしています」としながらも、自身の経験から「舞鶴は田舎なので足を引っ張る人がいました。田舎には熱量を下げる人がいることも事実です。しかし熱量を奪われずに、熱量を得られる場所があるのであれば、場所はどこでも良いと思います」と締めくくりました。

パネルディスカッションでは参加者との質疑応答も行われた

パネルディスカッションでは参加者との質疑応答も行われた

ハッカソンやLTなど盛りだくさんの懇親会

イベントの第2部である懇親会では、前日に行われたハッカソンの結果発表が行われました。「ワンボタンハッカソン」をテーマに3チームがアプリの企画・開発を行った結果、ワンボタンを押すだけで、材料や料理にかかる時間、レシピのリンクといった情報付きで献立を提案してくれるアプリを発案した「ヤングマン」が優勝チームとして選ばれました。「ヤングマン」は宮崎県から参加した17才の高専生の平川さんがユーモアたっぷりのプレゼンテーションを行い、会場を沸かしました。

「ヤングマン」が開発したワンボタンでの献立提案アプリ

「ヤングマン」が開発したワンボタンでの献立提案アプリ

優勝チームの「ヤングマン」には、さくらインターネットの田中より優勝賞品の「石狩データセンターツアー招待券」と「Raspberry Pi 2」が贈られました。

優勝したチーム「ヤングマン」の3名と田中

優勝したチーム「ヤングマン」の3名と田中

また懇親会では、「2020年までに100人の起業家を育成」を目標に掲げる宮崎スタートアップバレーの紹介や参加者飛び込み型のライトニングトーク大会も行われました。

三島村役場の大岩根尚さんと「宮崎ワケモン会議」の佐藤翔平さん

三島村役場の大岩根尚さんと「宮崎ワケモン会議」の佐藤翔平さん

約7時間に渡るイベントとなりましたが、最後まで会場は高い“熱量”に包まれ、鹿児島や九州にとどまらず、日本中のスタートアップの勢いを感じさせる夜となりました。

参加者のみなさんで記念撮影も

参加者のみなさんで記念撮影も

大自然の“熱量”を満喫した鹿児島巡り

「startuphack Kagoshima byさくらクラブ」の翌日は、登壇者および関係者を対象に、鹿児島大学で助教を務める小田謙太郎さん企画による「現地人おすすめの鹿児島巡り」が実施されました。貸切バスに乗って参加者が向かったのは、鹿児島でも知る人ぞ知るプライベートビーチ、あじろ浜。

離島ではありませんが、浜へは漁船で移動します

離島ではありませんが、浜へは漁船で移動します

日曜日にも関わらず、貸切状態だったあじろ浜。あいにくの天気ではありましたが、冷たい海に颯爽と飛び込む参加者たちも。

あじろ浜の透き通った海は、沖縄の離島のような美しさです

あじろ浜の透き通った海は、沖縄の離島のような美しさです

昼食はあじろ浜でバーベキューを楽しみました。美しい海と山々を眺めながらの食事は最高です。

あじろ浜でのバーベキューに舌鼓

あじろ浜でのバーベキューに舌鼓

「現地人おすすめの鹿児島巡り」参加者一行はその後、指宿市のたまて箱温泉へ。世界最大の旅行口コミサイト「TripAdvisor」で2年連続「行ってよかった!日帰り温泉ランキング」一位に選ばれた極上の露天温泉と砂風呂に浸かり、鹿児島の雄大な自然に抱かれつつ大地の“熱量”を感じながら、日々の疲れを癒すことができました。

砂風呂からは鹿児島湾を眼下に眺めることができました

砂風呂からは鹿児島湾を眼下に眺めることができました

イベント主催者ユニマル永田さんのコメント

「99名もの皆さんに鹿児島へ集まっていただくことができ、イベントは大成功となりました。運営チーム全員、とても感謝しています。今回のイベントを通して、皆様に一つでもビジネスの気づきや繋がりが生まれる結果となれば幸いです。鹿児島という土地でこのようなイベントを行えたことが、“鹿児島でもできる”証になったと感じています。今後はさまざまな情報発信を継続していくなど、今回のイベントだけで終わらないにように努力していきたいと思っています」

株式会社ユニマル 代表取締役COO 永田司さん

株式会社ユニマル 代表取締役COO 永田司さん