JAWS-UGに見るコミュニティ作りのコツ ~さく生Vol.2レポート(その1)

12月4日(金)に「さく生 Vol.2『さくら田中さん、AWS小島さんとコミュニティを語ろう』」が行われました。「さく生」は、スタートアップやITの気になる話題を豪華ゲストとともに配信する番組で、さくらハウス鹿児島からニコニコ生放送にて全国に配信されています。今回は当社の代表である田中邦裕が参加するということで、ニコ生ではなく会場で観覧してきました。

さくらハウス鹿児島での配信の模様

クラウドとコミュニティ、これまでとこれから

第1部は、田中とともに今回ゲストとして招かれた小島英揮さん(アマゾンウェブサービスジャパン株式会社)(AWSJ)による「クラウドとコミュニティ、これまでとこれから」と題するトークでした。小島さんはAWSのユーザーコミュニティであるJAWS-UGを立ち上げ、全国に展開したことで知られる方です。そんな小島さんがコミュニティをどのようにとらえているかを伺いつつ、随所で田中がコメントする形式で進行しました。数多くの話題が提示され、とてもすべては書き切れないのですが、印象に残ったものをいくつか紹介します。

Sell Through the Community

従来は、ベンダーが製品を提供し、それを購入するユーザの集まりがコミュニティでした。しかし、JAWS-UGが構築したのは”Sell Through the Community”、つまりコミュニティに対して売るのではなく、コミュニティに情報を提供し、コミュニティの人が売ってくれるという仕組みです。田中の言葉を借りると「コミュニティの熱量を使って売っている」とも言えます。

コミュニティとベンダーの関係(小島さんの資料より)

このようなコミュニティを作っていくには、いろいろなコツがあるようです。次項以降で紹介します。

同じ立場の人が集まれる枠組み

JAWS-UGには50個ぐらいの支部があります。それらの多くは地域単位のグループですが、それ以外にCLIやエンタープライズなどジャンル別のもの、男ばかりの勉強会だと特異な目で見られて参加しづらいという女性向けに作られたラウド女子会などがあります。いずれにしても共通しているのは、適切な粒度でグループを作り、同じ立場の人が集まれるようにしていることです。

ボスではないリーダー選び

「ボスとリーダーは違う」というのは田中の言葉ですが、小島さんはリーダー選びを重視していて、その適性は懇親会で見極めるそうです。いわく「懇親会で歓談ばかりしている人は向いてなくて、自分から進んで幹事を務めるようなタイプの人がいい」そうです。上から引っ張っていくボスではなく、周囲から推されてグループをまとめていくリーダーがコミュニティには必要ということです。筆者も長年コミュニティの運営をしていますが、これはまさに自分が目指してきたスタイルであり、とても共感できる話でした。

フラットな場の存在

同じ立場の人が集まるには、フラットな場が必要です。特に一度でもオフラインで顔を合わせておくことが大切です。田中も「オフラインの場は熱量を共有できるのがよい」とコメントしました。
ここで小島さんから、AWS-HUBというおもしろい試みが紹介されました。これはJAWS-UGの集会なのですが、日時を決めてHUBという店に集まることだけをアナウンスするものです。そこに行けばコミュニティの誰かがいて、飲みながら自由に話ができます。HUBの飲食はキャッシュ・オン・デリバリーなので、各自が飲食したい分だけ払えばよく、幹事が会費を徴収する必要もありません。手間をかけずに場を形成できる、とても良い方法だと思います。

小島さん(右)と田中

Still Day1

立ち上げから約5年かけて巨大なコミュニティ作りに成功した小島さんですが、本人の中では”Still Day1″(まだ1日目)なのだそうです。メンバーが固定化すると内輪受けになり閉塞化するので、常に初心者に目を向け、初心者とAWSJと場(勉強会/懇親会/SNS)のトライアングルをつなげていくことで、JAWS-UGをさらに大きく発展させていきたいとのことです。
田中からは「一番いいのは皆が使っているインフラ(を使うこと)」という発言がありました。周囲がすでに使っていると、自分が使い始めるときのハードルも下がります。つまり皆が使っている感を醸成することがユーザ数の増加につながるわけで、コミュニティの形成にはそういう作用もあるのだと気付かされました。

続きは次回

当初は1本の記事で番組の模様を全部レポートしようとしたのですが、内容が濃くてとても1本では書き切れませんでした。というわけで第2部以降は次回の記事でお届けします。次回は鹿児島のコミュニティの方がたくさん登場します。お楽しみに!