さくらプライベートクラウド の Windows Azure Pack って?

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2015年9月にさくらインターネットが 「さくらプライベートクラウド Powered by Windows Azure Pack」という新しいサービスの提供を開始しました。(http://www.sakura.ad.jp/press/2015/0903_private-cloud/) ですので、今回はWindows Azure Pack について少し書いていきます。

そもそも Windows Azure Pack とは?

Windows Azure Pack は Microsoft が提供するプライベートクラウドを構築するためのソフトウェア群で、Windows Server, System Center, SQL Server などと組み合わせることで Microsoft Azure に似たセルフサービスポータルや仮想マシンサービス、Webサイトなどをプライベートクラウドとして提供することができるようになります。また、Microsoft のパブリッククラウドである、Microsoft Azure との互換性も高く、 PowerShellのコマンドなどは共通になっています。(http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/products-Windows-Azure-Pack.aspx

 

Windows Azure Pack のインストールは Web Platform Installer から

Windows Azure Pack 自体は無償で提供されていて、Web Platform Installer (http://www.microsoft.com/web/downloads/platform.aspx) を利用することで簡単にインストールすることができます。インストール後の設定ウィザードでは SQL Server に接続する必要がありますが、これは SQL Server Express Edition も使うことができますので Windows Server のライセンスがあれば Windows Azure Pack のポータルは構築することができます。
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ポータルのインストールと設定が完了すると、管理者用ポータルも利用可能になります。ここから Webサイトクラウドや仮想マシンクラウドに接続していきます。
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WebサイトクラウドもWeb Platform Installer からセットアップ

Webサイトクラウドを構築したい場合、Webサイトクラウドのマネージャーアプリケーションをインストール必要があります。これについてもWeb Platform Installer から簡単にインストールすることができます。
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インストールが終わったら管理者用ポータルから接続設定をしていきます。基本的にはサーバー名と接続用のアカウント情報を入力するだけです。
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ここまでは簡単ですが、これだけではWebサイトクラウドを提供することはできません。ここから更に作業が必要で、Webサイトクラウドに必要なファイルサーバー、フロントエンドサーバー、パブリッシャーサーバー、Webワーカーサーバーなどを登録していきます。これらは別なコンピューターである必要があり、事前にWindows Server をセットアップしておく必要があります。
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Webワーカーサーバーは、ユーザーのWebアプリケーションを実行するためのサーバーですが、一般的なクラウドと同様に複数のサイズのインスタンスを選択できるようにしたり、複数台で同時にWebアプリケーションを実行したりするために複数のマシンを登録する必要があります。Windows Azure Pack では 共有/占有(小)/占有(中)/占有(大)という4種類のインスタンスを提供できるようにしていますので、それぞれのインスタンスに対して複数のマシンを登録してあげるのが理想です。

 

Webサイトクラウドは Microsoft Azure 譲りの便利なクラウド

構築にはそれなりの台数のマシンとリソースが必要ですが、提供するサービスはかなり便利です。Microsoft Azure と同様に利用者はポータルサイトからギャラリーからオープンソースソフトウェアを導入し状態でWebサイトを立ち上げることもできますし、複数台のサーバーにスケールアウトすることも簡単にできます。これらはMicrosoft Azure と同様です。もちろん、自分で作成したアプリケーションをデプロイすることも可能です。
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仮想マシンクラウドには System Center が必要

Windows Azure Pack で仮想マシンクラウドを構築する場合は System Center Virtual Machine Manager と System Center Service Provider Foundation が必要です。仮想マシンクラウドの構築方法については動画で紹介されているので、興味があれば見てください。(http://www.microsoftvirtualacademy.com/training-courses/azpackjp01

 

仮想マシンクラウドでは、管理者が仮想マシンのテンプレートを作ってユーザーに提供します。Windows はもちろんですが、Linuxの仮想マシンも提供できます。テンプレートの作成は System Center Virtual Machine Manager で行います。このテンプレートの作成についても先の動画で紹介されています。

 

SQL Server や MySQL もサービス化

その他、SQL Server をクラウドサービスとしてユーザーに開放することや、MySQLもサービス化することが可能になります。WebサイトクラウドでWebアプリケーションを実行するとバックエンドでデーターベースが必要になるケースも多く、特にオープンソースソフトウェアは MySQL が必要になるケースも多いのでこの機能はとても重要です。
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クォータ設定も充実

プライベートクラウドを提供すると、1人のユーザーが重たい処理をして他のユーザーの処理に影響が出ないよう、クォータなどの設定が必要になってきます。Windows Azure Pack ではそれらの設定を一通りできるようになっています。1ユーザーが作成できるWebサイトの最大数や、データーベースの容量など必要な機能は大体そろっていると思います。このあたりはパブリッククラウドを提供しているMicrosoftが作ったプライベートクラウドの良いところだと思います。
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さくらプライベートクラウド Powered by Windows Azure Pack の良いところ

簡単に Windows Azure Pack を紹介しましたが、さくらインターネットが提供する [さくらプライベートクラウド Powered by Windows Azure Pack] を利用するメリットはどこにあるかというと、面倒なハードウェアの調達やセットアップが不要というのが大きいと思います。Windows Azure Pack でサービスを提供しようとすると、かなりのマシンが必要になります。これらは仮想マシンでも可能で、私のテスト環境は1台の物理サーバーで構築していますが、実際にユーザーにサービス提供する場合は冗長化なども考慮して最低でも数台の物理サーバーが必要です。また、フェイルオーバークラスタを利用すると共有ストレージも必要になります。さらにSystem Center や SQL Server のライセンス調達なども考えると、構築まですべて行ってくれるのはとても大きなメリットだと思います。