みなさんこんにちは!
さくらハウスインターンのヒューマです。

5月28日(土)に「さく生 Vol.4『フィンテックからエンジニアの働き方までえふしんさんに色々聞いてみよう!』」が行われました。

「さく生」は鹿児島に生まれたスタートアッ​プとテック文化を盛り上げる場所「​さくらハウス」から毎月1回(​不定期)全国へ配信するニコ生​チャンネルです。スタートアッ​プやITに関わる様々な方を​ゲストに、普段聞くことのでき​ないノウハウや経験などを、ラ​イブならではのカジュアルな形​で放送しています。

第4回となる放送「フィンテックからエンジニアの働き方までえふしんさんに色々聞いてみよう!」の様子をご紹介します。

エンジニアのキャリアと働き方

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予定時間を超える2時間半の生放送では、ビジネスのお話から私生活のお話まで様々な「えふしん」史・「えふしん」論をお聞きすることができました。
今回のレポートでは「エンジニアのキャリアと働き方」という点にフォーカスしてお届けします!

CTOはトップエンジニアである必要はない

えふしんさんといえばBASE株式会社(以下BASE)取締役CTOとしても有名です。えふしんさんのこれまでの経験から、そもそもCTOってなんなんだ?というレベルからCTOとしての役割や目指す姿をお聞きしました。

※ CTO … Chief Technology Officerの略で日本語では最高技術責任者とよばれる。

CTOの仕事はエンジニアリングではなくエンジニアをマネージメントすること

「CTOはトップエンジニアである必要はなく、自分より優れたエンジニアを集めるのが仕事であり、技術をどうのというよりは、経営者の観点で適切なエンジニアを集めるのが大事」

えふしんさんは今年に入って採用に特に力をいれ、時間的にも大きく割かれているようです。サービスを見る時間を作れないないほど採用に力を入れているため、実際エンジニアリングに関しては、プログラミングも1命令を変更する程度の関わりになっているというのだから驚きです。

ただし、日々のユーザー増加数をとるバッチ処理など、ユーザーからみたサービスでなく管理としてのシステム作業はご自分で書くことが多いそうで、このことはIVS CTO Night & Day(本放送前にえふしんさんが参加されていたイベント)でも話題になるほど、CTOの作業としてあるあるになっているとか。

意外と多い?CTOの役割

BASEの現在のチーム事情からも経営者、プロジェクトマネージャ、チームリーダーという3つの役割をこなさならければいけない状況で、前述した通りエンジニアリング以外の業務が多いそうです。リーダー育成(あるいはリーダーとなる人の採用)は作業の効率化に繋がるため、引き続き採用・育成ファーストを行っていきたいそうです。

えふしんさんが、リーダーに求めるもの

起業・取締役・サラリーマン・社会人学生と多彩なキャリアを持つ、えふしんさんだからこそ見えるリーダー像に迫ります。

リーダーの基準

リーダーに求めるものについては、以下の3点をあげました。

  • 自身(上司・経営者)と噛み合う人
  • 会社の思いや方針と連動している人
  • グロースさせる方法論をもっている人

会社の危機感、成長に対する危機感をちゃんと理解してくれる人はなかなかおらず、この理解は経営陣内でも難しいそうです。そういった理解ができるのがリーダー候補ではないかと考えられているようです。

エンジニアのリーダーシップ

エンジニアでリーダーシップをとっていく人の「技術力が高い」という前提は大事だけど、その人がリーダーになったときに「自分がやったほうが教えるより早いから、ついやってしまう」ことの危険性をお話しされました。

「気持ちはわかるけど、中長期的なことを考えた時にチームが成長しないから、そこから脱却する必要がある」とチームのスケールにおける効率性と必要性をお話しされ、視聴者からも「なるほど」「今後気をつけたい」「意識したい」といった納得の声が多数あがりました。

続けて「いろんな人に分担して全体のスピードをあげることという方法論を大企業はできている。ぼくらはそれを自分たちのビジネスの中で作っていかなければいけない」と、全体生産性を上げるにはコードを書くスキルではなく、マネジメントスキルの必要性とマネジメントスキルは非連続的な成長を求められる点をお話しされ、真似ではなく新たに制度や考え方、ノウハウを作っていく難しさについて説明いただきました。

もちろんエンジニアのキャリアがマネジメントポストというゴールのみでなく、職人としてのエンジニアの道もあるそうで、BASEでは実際そのキャリアパスを構築しているところだそうです。

エンジニア35歳定年説は本当か?

「これからもコードを書き続けると思うと辛い」という視聴者からのコメントをピックアップし、エンジニアのキャリアパスについて更に深掘りしていきます。

「今と比べ昔は言語、ライブラリの再利用や、クラウドサービスの利用はなくて力技で書かなければいけなかったものが多かったと思う。それに対し、インターネットは組み合わせの技術とかノウハウであるので、書くコード量は減っているはず。TDD、テストファーストがあればコードを壊すのも理屈上、防げる。
よりリラックスして、気持ちよく作業できて、かつ変化ができるような環境は整っている。これらをきっちりやっていけば、昔よりは書くコードの量は絶対減っている。この説が体力の問題であれば、近年は楽にコードが書ける環境に改善されているので、おっさんになってもよいのでは思う」

とエンジニアの将来的キャリアパスについてBASEでも構築されている「職人的エンジニア」の可能性をお話されました。

また、若者との吸収力との差についてはJSON登場時のエピソードを経験談として紹介されました。

「2000年の頃、XMLというフォーマットがあってみんなビジネスしようと知恵をしぼったけど上手くいかなかった。その後同じようなフォーマットのJSONというのがでてきた。これは規格を決めないで自由に定義ができた。
このような状況で、XMLで疲れちゃった人たちは、『なんだこいつらは、JSONとかXMLと同じようなので喜んでやがって』と感じる。それに対し、若者はXMLについて知らないので『こんな新しいのでてきたよ』とフレッシュに喜んだ。おっさんはJSONが出てきた時に疲れてしまったけど、受け入れていかないとついていけなくなるというのはある」

「自分の年齢を超える新しいWebエンジニア系経営者はもう出てこないと思うし、だからこそ自分は若い世代との関わりを積極的に考えている」

とえふしんさん自身「受け入れる」という過去にとらわれない吸収の形・柔軟な姿勢というものを意識されているようです。

BASEは8時間の労働生産性を評価。残業では評価しない。

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「サービス残業が辛い」というニコ生ユーザーのコメントに「サービス残業は難しいけど、楽しけれりゃいいんじゃないか」と切り出し、「社長はいくら残業しても死なないといわれている。やらされている感があると辛いのでは」とお話されました。

BASEの評価方法

BASEは8時間の労働生産性を評価しており残業では評価せず、スキルあげて早く終わらせ、会社がビジネス成長すれば評価する方針のようです。
たしかに時間をかければ評価がよいというのはアウトプットと比例しない場合がありますし、ある程度規模をもったスタートアップ・ベンチャーとして理想の姿と感じます。

また、ディレクターなどの社外の影響で時間をコントロールできない場合は残業がどうしても増えてしまう可能性にも触れ、対比してエンジニアの8時間労働生産性を経営者視点でお話されました。

ちなみに8時間労働とはいえ、勉強会参加などはもちろんのこと、成果を出した上での早めに帰宅も柔軟に許可されているようです。エンジニアにとって作業を評価されるわけでなく、成果を評価されるというのは非常に嬉しい環境ですし、向上心を持ち続けられるのではと感じました。

エンジニアを目指す若い人へ。まず、サービスをつくる。

エンジニアを目指す若い人へ、えふしんさんからのエールをいただきました!

「エンジニア志望の学生に伝えたいことはありますか?」という質問

「サービスつくりましょう」

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Github採用(Githubのコードを実績として、スキルをアピールしたり、オープンソースコミュニティへのコミットをアピールしたりすることで採用の参考にする方式)に関しては、

「たぶん、Watcherがついてないと意味ない。コミュニティに支持されている、誰かにつかってもらっているということが一番大事だと思う。コードスキルもだけど、本当のところは影響力ある人が欲しいんじゃないか。」

とお話され、コード単体では見えてこない「人間性」や「影響力」という点を懸念されていました。

その点サービスを作るという行為は一部のスペシャルなスキルを担保するだけでなく幅広いアーキテクチャへの理解、またサービスを広げるというミニマムなビジネス体験ができます。サービス運営を進めるスタートアップベンチャーにおいて、ものをつくるスキル以上に、ものをつくって運営し、エンドユーザーのことを考えられるエンジニアは重宝されます。そしてその行為に喜びを感じる実体験を持っていると、一味ちがうエンジニアとして評価されるのは間違いなさそうです。

コックさんが料理出してお客さんが「わー」ってなるあれをやりたい

えふしんさん自身、サービス運営にあたって感じる喜びについてお聞きすると、「自分のサービスを使ってもらっていると実感すること」と即答でした。

「モバツイをやってたときに、ツイッターで流れてくる『こういうのあったらいいな』を見て、なにも言わずに実装し『早っ』と言われるのがすごく嬉しかった」

「イメージとしては、コックさんが料理出してお客さんが『わー』ってなるあれ。あれが実感できると嬉しい。Webサービスはそういうのが、アクセス数とかアプリの利用数とかで可視化できるのでわかりやすい」

そういった喜びを感じたえふしんさんだからこそ、若いエンジニア、またエンジニアを目指す方に「サービスをつくりましょう」と提案できるのかもしれません。そして、採用もさることながら多くの方に同じ思いを体験してもらいたいのかもしれません。

まとめ

えふしんさんのチャレンジングなキャリアは、多くのエンジニアから羨望を集めるものです。そのキャリアを支えているのは、人生の選択の場面で自身のやりたいことを丁寧に選び、そして楽しむことを大事にした「ピュアな生き方」のように思えます。

エンジニアとは、

世界中の人々の生活を変えることができ、周りを笑顔にするコックにもなれ、目一杯学問を探求することもできる。

実際にえふしんさんが経験し、こうやって多くの方々に共有する情報は、エンジニアを目指す人々への明るい未来として業界全体を照らしてくれる気がします。

数年で飛躍的なスケールを目指すスタートアップという会社形態で、次世代リーダーを育てるという難題にまさに今取り組んでいらっしゃるえふしんさん。成長フェーズとして若い企業は素直に見習いたいでしょうし、自社に限った影響力ではないえふしんさんの今後はさく生としても追いかけて行きたいと思いました。

2016年7月のイベント「さくらじまハウス」ではえふしんさんのセッションも予定されています。
是非えふしんさんの生の姿・お話を聞きに今年の夏は「さくらじま」にどうぞ!

ニコ生送終了間際にはユーザーからは、
・たくさん回答してもらえてうれしかった
・もっと聞きたかった
などのコメントもあり、密度の濃い2時間半となりました。

番組を視聴していただいたみなさまありがとうございました。