さくらインターネットが注目するスタートアップ企業を紹介していく本連載。第2回目にお伺いしたのは、大阪にて、HR領域に特化した採用企画・広告制作を行なっている株式会社グッドニュース。すでに創業から10年が経過した同社ですが、都内での活動を本格“スタート”するということで、その狙いと展望について語っていただきました。

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株式会社グッドニュース 代表取締役 杉岡充敏(すぎおかみつとし)さん

大切なのは“応募を増やすこと”ではなく、入社後の活躍につながる環境をつくること

――まずはグッドニュースが何をやっている会社なのかを教えていただけますか?

杉岡さん:株式会社グッドニュースはHR(ヒューマンリソース)領域に特化した広告代理店です。2006年の創業以来、その分野だけに特化してきました。HR領域は、約6兆円と言われる広告市場のうち、およそ1兆円を占めるマーケット。現在はそのうち約2億円を担っています。

創業以来、大阪に本拠地を置いて活動しているのですが、3年前には恵比寿に東京オフィスを開設。先日、東京での事業拡大に合わせて飯田橋に事務所を移転しました。

――数ある求人情報を取り扱った広告代理店の中で、グッドニュースはどのようなアドバンテージを持っているのでしょうか?

杉岡さん:我が社の理念は「すべての人が、ともにイキイキ働く未来を創る」。この考え方をもとに、採用活動における企画・広告制作をおこなっています。

求人広告では、どうしても“応募者数”を多くすることを目指してしまいがちなのですが、実際にはむやみやたらにエントリーを集めたところで、良い採用につながるわけではありません。我々が目指すのは、“将来、その会社でしっかり活躍する人を採用していただく”ことなんです。

――なるほど。でも、それを実現するのは簡単なことではありませんよね。具体的にはどういったことをやられているのでしょうか?

杉岡さん:まず、その“理念”を企業の採用担当者様と共有するところから始めます。面接の際、目先の能力だけを見るのではなく、熱意であったり、考え方を判断基準に採用するようにしてください、と。

その上で、求人広告については、待遇がどうだとか、福利厚生がどうだとかなどだけでなく、その会社のより深い部分、例えば事業の目的や将来のビジョンなどを表現できるよう工夫しています。そのため、打ち合わせ時には募集の背景をなるべく詳細にお聞きし、採用した方と、その後、どういった未来を創っていきたいのかといったところまで突っ込んでお伺いするようにしているんですよ。

そこに共感していただいたお客様との関係はとても良好。おかげさまで10年間、この会社を続けることができました。

――そんなグッドニュースが東京進出することになった経緯を教えてください。

杉岡さん:大阪でお付き合いさせていただいていたお客様が全国に事業を広げていく中で、東京にもオフィスが必要だなと判断したのが進出の理由です。ありがたいことに「東京でも求人を手伝ってほしい」というお声がけをたくさんいただきまして……。

ちなみに完全に余談なんですが、実は2013年の前にも一度、東京にオフィスを構えたことがあるんですよ。ところが、オフィスを開いた次の日に震災に襲われてしまいまして……。ちょうど、そのタイミングでこれからお話しする「キャリアマップ」の事業が本格的にスタートしたこともあり、このときは一旦、オフィスを畳んでいます。

ですので、今回の東京進出は満を持しての再チャレンジということになりますね。

専門学校求人の常識を変える「キャリアマップ」

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――グッドニュースでは、求人広告にまつわるユニークな取り組みとして「キャリアマップ」というサービスを展開しているとお聞きしました。これはどういったものなのでしょうか?

杉岡さん:「キャリアマップ」を一言で言うと、専門学校内の就活プラットフォームです。専門学校に届く求人票を、学生がスマートフォンやPCを使って検索できるようにしたものです。

一般的な専門学校の求人票は全て紙。これが教室の掲示板にズラっと貼られていて、学生たちはそれを見て、応募先を探すというかたちになっています。ただ、その枚数が尋常ではありません。採用シーズンになると、何と2000社、3000社の求人票が殺到します。とてもじゃありませんが、それら全てを確認することはできませんよね。しかも、この求人票に書かれている情報が本当に必要最低限。結果、学生さんは企業研究が進まないまま面接に行くことになりがちです。

――そこが「キャリアマップ」では改められるということなんですね。

杉岡さん:はい。物理的なスペース制約や書式ルールのある求人票と異なり、「キャリアマップ」では、企業側がより詳しい情報をダイレクトに学生に届けることができます。また、企業側は求人内容に応じて、情報を提供する専門学校を選択することが可能。企業側にとってはもちろん、学生さんにとっても無駄のない情報提供ができるんです。

また、実際にそこから就職した学生が、どのように活躍しているかをレポートする機能も搭載。現在は企業側からの発信となっているのですが、将来的には就活生と卒業生が直接情報をやり取りできるような仕組みや、就活生が学校での学びをポートフォリオのようなかたちで公開できる仕組みも検討中です。現役学生同士で就活委員会を立ち上げて、効率的な情報交換ができるようにしたり、企業の側から学生をスカウトできるようにするなど、より活用の幅を広げていきたいですね。

現在、このサービスにご加入いただいている専門学校は関西を中心に約80校。来年の4月からは関東でもサービスを提供開始します。ちなみに国内の専門学校数は約2800校。その全てに「キャリアマップ」を提供していくことが最終目標です。

――現在の登録校はどういった専門学校が中心なのでしょうか。また、どういった企業が「キャリアマップ」を利用されているのでしょうか?

杉岡さん:登録校は美容系、調理系が中心ですね。その上で、建築土木系やデザイン系、情報系、福祉系なども増えてきています。公式導入校はオリエンテーション時に学生が「キャリアマップ」に登録していただく場合は多いです。また、そうでない専門学校の学生さんも個人でアカウントを取得していただくことができます。現在のユーザー数は約1万8000名となっています。

登録企業は主に関西の中小企業となっていますが、最近は大企業の参加も増えてきました。現在の求人者数は約2万社。これまでは大企業=大卒学生限定、という構図があったのですが、最近はそうでもなく、専門学校生の採用に注目が集まってきています。

――こうなってくると、もう、ライバルは一般の就職情報サービスですね。そこと比べた時の優位点はどんなところにあるとお考えですか?

杉岡さん:まず、先にお話しした弊社の理念についてです。具体的には、企業情報のページには必ず「将来のビジョン」を掲げていただくようお願いしています。条件面だけでなく、その企業がどういった未来を描いているのかをきちんと説明していただくようにしているんですよ。

また、情報をリアルタイムに更新できるようにしていることも大きな特徴の1つ。自社のWebサイトとキャリアマップを同期させる機能も用意しているので、企業の採用担当者の負担も大きく軽減できるようにしています。中小企業では専任の担当者がいらっしゃらないケースがほとんどなので、ここは非常に喜ばれています。200万、300万円かけてリクルーティングサイトを作ってみたはいいものの、持て余し気味になって、結局更新されないという話をよくお伺いします。そういう企業にこそ「キャリアマップ」をお試しいただきたいですね。

――最後に、「キャリアマップ」のバックボーンとして、さくらインターネットを採用された理由をお聞かせいただけますか?

杉岡さん:採用した理由は、このシステムを構築していただいた開発会社に薦められたから。他社のサービスと比べて費用対効果に優れていたというのが直接的な理由ですね。

ただ、実際に使い始めて、さくらインターネットさんにお願いして良かったなと感じるようになりました。

1年前、大阪で行なわれたさくらインターネットのイベントで、社長の田中邦裕さんとお話しする機会があったのですが、そのとき、田中さんがさくらインターネットは単にサービスを提供しているのではなく、社会をより豊かにしていくための仕組み作りを支えるインフラを作っているのだとおっしゃっていました。

これって、実は私たちが考えていることと全く同じ。業種は全く異なっているのですが、非常に共感できるお話でした。イベントで事業の発表をさせていただいた際も、「その先に何を見ていますか?」と質問されたのがとても印象に残っています。

その“志”をメイド・イン・ジャパンで体現していくパートナーとして、これからも末永くご一緒できればと考えています。

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