カスタマーサポート、テクニカルサポート、セールスサポートなど、世間にはたくさんの「サポート職」があります。お客様の要望に直接応え、企業の収益にも直結するサポート職は近年ますます重要視されてきていますが、一方で「クレーム対応」や、「辛い」「日陰者」といったネガティブなイメージを払拭しきれずにいます。

2017年12月1日、そんなネガティブなイメージを払拭し、悩みや不安を抱えて働くサポート職の方を救うために立ち上げられたサポート職によるサポート職のためのイベント「SapporoSupportSummit」が開催されました。

さくらのナレッジでは「SapporoSupportSummit」イベントのご紹介と、開催当日の様子について前後編に分けてレポートいたします。

  1. SapporoSupportSummitってなに?
  2. さぁ、いよいよイベントのスタートです!
  3. 「経営者が期待するサポートの立ち位置と今後」ビットスター株式会社 前田章博さん
  4. 「オーナーシップマインドが生み出すサポートの価値」さくらインターネット株式会社 伊丹康博さん
  5. 「ユーザーサポートから変化を生み出す」株式会社リアルワールド 川嵜圭祐 さん
  6. 次回も4名の発表をレポートします!

SapporoSupportSummitってなに?

SSS_尾崎さん

司会の株式会社Arcの尾崎さん

「SapporoSupportSummit」は、『サポートだって主役になれる!』をキャッチフレーズに

  • 他社の刺激を受けることでサポート業務の重要性を再認知し更なる業務価値向上の原動力とする
  • 同じ悩み(≒業務課題)を広く共有することで広い視点から解決手法を見出すことができる
  • 外部イベント慣れすることで、外部登壇の心理的障壁を低くし対外発信力を高める

の3つを大きな目的としたイベントです。具体的には、有志で集まったサポート職として働く方たちが「サポート職の価値」をテーマにライトニングトーク形式(LT)で発表行い、その発表を聞きながら交流を深めるといったものです。

第1回目初開催となる今回は、北海道のIT企業であるビットスター株式会社のラウンジにて開催され、20社・80名近くの方が参加しました。会場から人が溢れ出してしまいそうな大賑わいの中でイベントが始まります。

さぁ、いよいよイベントのスタートです!

SSS_榎本さん

さくらインターネット株式会社 カスタマーリレーション部 榎本秀行さん

最初に、今回のイベントの主催者である、さくらインターネット株式会社の榎本さんより開会の挨拶が行われます。会の概要や開催経緯といった真面目な話の前に、まずはみんなで……

SSS_乾杯

『かんぱ~い!』

イベント中は、食事とお菓子、お酒やソフトドリンクをバイキング形式で楽しみながら発表を聞くことができます。

榎本堅苦しくなく、みんなで食べて飲んでワイワイ楽しみましょう!

ひと通りの乾杯と談笑がされた後、榎本さんの簡単な自己紹介と、開催の経緯について説明が行われました。週刊東洋経済の「コールセンターの流転」という記事が開催のきっかけであったと話す榎本さん。同紙に書かれた内容によると

  • やりたくない仕事の一位はコールセンター業務
  • 沖縄県、札幌市の進出企業は頭打ちに
  • 北海道も沖縄の状況は対岸の火事ではない

とされており、榎本さんはこれについて大きな問題意識を持ったといいます。その影響から、純粋に「札幌のサポート業界を盛り上げたい!」という思いを持ちSapporoSupportSummitの開催を企画したとお話しました。

また、榎本さんはこの会の他にも、カスタマーサポート(CS)を盛り上げるため「CS Young Meetup」「CS Beer Bash」というイベントを開催していると紹介します。そのイベントの中で【同じ志を持つ社外の仲間】に出会い、榎本さん自身も大きく成長したという経験から、「同じように、この会でも一人でも多くの方に『仲間』と『成長』を得ることができる場にしたい」と話し、開催の挨拶として締めました。

「経営者が期待するサポートの立ち位置と今後」ビットスター株式会社 前田章博さん

SSS_前田さん

ビットスター株式会社の代表取締役である前田 章博さん

LTトップバッターは、今回のイベント会場でもあるビットスター株式会社の代表取締役である前田 章博さんです。5つの企業の取締役を務め、アウトドアな遊びが趣味だという前田さん。

途中、会社の概要について説明をする際に「弊社は女性社員が全体の3割在席しています。その中で、なんと7割は『未婚』です! この男女比を覚えていただければ細かい会社事業内容は覚えなくて大丈夫です(笑)」と会場の笑いを取ります。

社員を大事にしなければ、お客様に最高のパフォーマンスは提供できない

SSS_前田さん2
「経営者には経営課題というものが必ずあり、その中でもよく出てくるものが、人材・顧客満足度・現場力というものです。その中でも、特に人に関わることが経営課題の中でも重要となってきています」と前田さんは話します。

昨今は機械化などによる「自動化」が進んできており「今後もその自動化は進んでいくことは間違いない」とし、そんな中でもやはり「人に関わること」が重要であり、人に関わることの第一として「社員を大事にしていく」ことが重要であるとしました。

前田「また、『ありがとう』という感謝の気持ちを部署内だけではなく、お客様にもシェアしていくことが、もっともっと必要であるとも思います。社員ひとりひとりが『もっとこういう風にしていきましょう』といった改善案を進んで提案できるような環境作りが今後さらに大切ですね」

と最後にお話をされ発表を終了しました。

前田さんの発表スライド

「オーナーシップマインドが生み出すサポートの価値」さくらインターネット株式会社 伊丹康博さん

 

SSS_伊丹さん

さくらインターネット株式会社の伊丹 康博さん

LT2番目は、さくらインターネットでカスタマーサポートを担当する伊丹さんです。今回かなり緊張しているとのことで、身に付けているApple Watchで計測した心拍数ではなんと128bpm超え!「発表中に死ぬかもしれません(笑)」と会場の笑いを誘い、和やかな雰囲気の中発表が始まります。

満足してもらうためには、当事者意識を持った「考動」を!

SSS_伊丹さん2

伊丹「いきなりクライマックスですが、私の考える『サポートの価値』とは、サービスの満足度を高めるために個々がオーナーシップをもって考動することだと考えています。オーナーシップとは、担当する仕事を『自分自身の課題』と主体的にとらえて強い情熱と責任感を持って取り組む姿勢のこと。つまり、みんなが当事者意識を持ってお客様やチームの課題に対し何ができるかを考えて行動することではないかと考えております」

伊丹さんは「これを実現するために弊社サポートチームが試験的に行っている独自の取り組みについてご紹介をされていただきます」と話し、「CSサークル」という活動について紹介をしました。

このCSサークルは、お客様やチームの課題を解決するために自発的に自己学習や業務改善を行う小グループ(サークル)の集まりで、優先すべき業務がなければ、業務時間中に活動することを推奨しているとのこと。

具体的な取り組みとして

  1. 「テクニカル」「データ」「ドキュメント」の3サークルからなる相互関係型の体制を立ちあげる
  2. 各サークルの成長テーマを決め、今後の成長に必要なやりたいことを自らが設定し実行する
  3. 活動を通じた成果や各々の成長がサポート品質としてお客様に還元される

3サークルのそれぞれの役割は

テクニカルサークル 技術的な問い合わせに関するノウハウの収集・蓄積
データサークル サポートに関するデータの収集・分析・管理
ドキュメントサークル サポートに関する様々なドキュメント管理

とのこと。CSサークルのメリットとして「メンバー同士がサークルというくくりでコミュニケーションをとれるようになりました。また、課題に対して個人の特性を活かした貢献や改善考動が取れるようになってきました。これが一番言いたいところではあるんですけど、『自分は何ができるだろうか?』って考える人が増えてきたんです」と話をしました。

最後にまとめとして、「『決められたこと』を『ルールに従って』ずっとこなし続けることだけがサポートの仕事ではなく、その時々のお客様に合った状況に合わせて考えて動く、『考動』することが大事です」として発表を締めました。

伊丹さんの発表スライド

「ユーザーサポートから変化を生み出す」株式会社リアルワールド 川嵜圭祐 さん

SSS_川嵜さん

株式会社リアルワールド 川嵜 圭祐 さん

LT3番目は株式会社リアルワールドで、メールや電話でのサポートを担当する若手の川嵜さんです。夢は「ユーザーサポートの現場から変革を起こす」こと。大阪でバンド活動をしていた川嵜さんですが、その際機材やツアーの費用を稼ぎたいと考え、出会ったのがコールセンターであったと語ります。そんな川嵜さんは、なぜユーザーサポートから変化を生み出したいのかについて発表を行いました。

お客様と共により良いサービス提供を!

SSS_川嵜さん2
川嵜「企業の中で、ユーザー様からの生の声を最も受けるのがCSであると思います。それは、CS部署がユーザー様を含むことが出来る組織内で唯一のチームだからです。ユーザー様が困っていることひとつひとつを聞いてみるとサービスを改善するための『気付き』になると感じました。『使ってみて初めてわかる』というのは日常の中でもよくありますが、実際にサービスを提供する私たちよりもユーザー様のほうが、より身近にサービスの深い部分に関わるため気付くことが多いと思っております。つまり、ユーザー様はサービス改善の知識源です。ユーザー様と協力してよりよいサービスを作っていく。ここでユーザー様の不満・疑問を解決するアクションを起こすことで、ユーザー様に提供できるサービスの質があがり、ユーザー様も会社も得をするWinWinの関係を築くことによって企業として成長することができる。ユーザー様も含めてチームとして動いていくことができるのが面白いところだと思います」

と話をしました。最後に、今後の展望として

  1. アクションと変化を生み出し続けるためには、考える時間が必要。考える時間を作るためには、工数を削減するための変化が必要で、そのために小さな実現可能な変化からやっていく
  2. リアルワールドのポイントがどこのお店でも使えるようなサービスにしていきたい

と話し発表を終えました。川嵜さんの大きな夢と、情熱ある発表に、会場からも大きな拍手が起こります。

川嵜さんの発表スライド

次回も4名の発表をレポートします!

今回は、以上3名の発表をご紹介しました! 後編である次回は、4名の発表をご紹介します。
いずれも興味深く、驚くような発表となっておりますので、後編レポートもぜひご覧ください!