サイト制作者が知っておきたい、これから始めるSEOのポイント10

[7] ページングなども含めアンカーテキストは適切な文字例にする

 リンクを設置する場合、そのリンクの文字であるアンカーテキストは重要な要素である。アンカーテキストによって、リンク先ページがどのようなキーワードで検索結果に表示されやすくなるかが決まってくる。したがって各ページ、ヘッダー、フッターに設置するリンクにどのような文字列を使うかにもできるだけ配慮したい。

 昔からある典型的な失敗例は「こちら」のリンクである。このようなリンクがあれば、前後の文章を調整し、リンク先ページを表現できる文字列に対してリンクを設定するようにしておく。

FAQページは<a href="/faq">こちら</a>
↓
<a href="/faq">FAQページ</a>

 また、ページングのリンクとして「前へ」「次へ」などが使われることが多いが、これもリンク先ページを示す文字列に変えておいたほうが良い。

<a href="/page/8">前へ</a>   <a href="/page/10">次へ</a>
	↓
<a href="/page/8">8ページへ</a>   <a href="/page/10">10ページへ</a>
もしくは
<a href="/page/8">タイトル8</a>   <a href="/page/10">タイトル10</a>

 もう1つの注意点としては、アンカーテキストの重複である。サイト内で「会社情報」というリンクがあった場合、その先のページは一意に決まっていたほうが良い。たとえばあるページの「会社情報」のリンクは会社概要のページで、別のあるページの「会社情報」のリンクでは地図や住所をまとめたページというのはページの露出を下げてしまう。サイト内では、アンカーテキストとページが1対1対応するような構成を心掛けておく。

[8] レスポンスを速くする

 サイトアクセスから表示までのスピードは速いほうがいいのは当然だが、数年前からレスポンスのスピードも検索順位に影響するようになり、レスポンスが悪いサイトはそれだけで評価が下がっている。より具体的にはリクエストからHTMLの取得終了までに3秒以上はNGだ。目標は1秒以内で、それ以上かかっているようならサーバー構成を見直したり、キャッシュの利用やDBのチューニングを検討したりするなど、システムを見直すことは必須だろう。

 また描画までの処理時間も関係してくる。現在はあまり大きな差はないようだがスマートフォン向けとPC向けでも評価が変わっている。HTML構造に近い部分でのチューニングでは、GoogleのPageSpeedが利用できる。「PageSpeedを使ってWebサイトを最適化・高速化しよう」の記事にまとめてあるので参照されたい。

[9] 引用されやすいページを必ず1ページは作る

 サイト内に1ページだけでもいいので、ある特定の読者には引用されやすい、リンクを張ってもらいやすいページを作ろう。外部からのリンクが1つもない状態では、直接の流入もないばかりか、検索順位も上がらない。検索結果で上位に表示されるためには外部からのリンクは必須だ。

 アイデアや企画といった類の話になるが、たとえば会社サイトを作る場合は業務と関連する統計情報をまとめたページや、アンケートの集計結果などが有力な候補となる。また、業界ニュースについて独自に分析考察したものやTwitterで気軽につぶやかれやすい内容も候補になる。

 そしてサイト制作の観点では、作成したページにはツイートボタンを置いておこう。現在のところFacebookのいいねやGoogle Plusボタンは検索結果に影響ないが、Twitterに関してはまとめサイトやコピーサイトがいくつか存在するため、つぶやかれる(つぶやく)ことによって外部サイトからのリンクが生成されることが多い。

[10] 似た内容のページを作らないようにする

 サイト内に似たコンテンツがいくつもあると、サイトや各ページの評価が下がりやすくなる。headタグ内(titleタグやdescription)を含めたページ内容が似ていると補足インデックスに入って検索結果に表示されないこともある。ページ作成で手を抜かない、流用を最小限にするというところが大事だ。より具体的に注意する点は以下の3つである。

  • テキストが少ない
  • ヘッダーやフッターでの共通領域が大きい
  • サイト内の複数のページで同じ文章を使いまわしている

 基本のルールとして「各ページにオリジナルの2000文字以上の文章を設置する」としていれば、これらの問題は回避しやすくなるだろう。

 加えて、titleタグとdescriptionに記述する内容もページコンテンツ同様と考えて重複がないように、似たものにならないように対応する。とくにtitleタグの重複はNGだ。たとえば下部階層のページのtitleタグ内がトップページと同じ文字列だった場合、トップページの評価が下がり最悪のケースだと検索結果にそのページが出なくなる。トップページのtitleタグに使ったサイト名を汎用的にその他ページにも流用しがちなので十分に注意されたい。

 titleタグとdescriptionの重複チェックにはWeb Master Toolsが活用できる。Web Master Toolsの使い方については「実践的なGoogle ウェブマスター ツール(Webmaster Tools)運用」にまとめてあるので参照いただければと思う。

SEOの基本まとめ

 以上紹介したポイントは、Webサイト制作では本来当たり前のことであるが、実際に稼働しているサイトを見ると不十分であることが多い。SEOというと小手先のテクニックを指してサイト運営者を騙す広告代理店や専門業者がいたりするが、実際のところはサイト制作における正確な知識をベースに、ミスなく運営ができているかのほうが重要だ。まずはきちんとインターネットやHTTP、Webサーバーソフトウェアを正しく理解し、その理解のもとに運用できているか、Web Master Toolsなどのチェックツールを活用して確認していくだけでも目に見えて効果は出てくるものである。

 最後に、Google検索結果の「&pws=0」について触れておこう。Google検索で何度も検索していると環境のカスタマイズが行われ、良く見るサイトが上位にきてしまうのだが、検索結果のURLに「&pws=0」を付与することでこのカスタマイズ機能を無効化にでき、比較的中立的な検索結果を表示できるようになる。使っていないと忘れてしまうので、普段から利用しておくことをお勧めする。

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