移動体での映像配信システムの実験でクラウドを使ってみました
初めまして、(株)柊ソフト開発ストックビジネス推進チームの原田と申します。
まずは簡単な自己紹介と柊ソフト開発について紹介させて頂きます。
2012年に(株)柊ソフト開発に入社、同年7月に自社初のスマホアプリ『焼き肉アプリ(通称「焼肉を焼きに行く」)』を開発しました。
その後、1年半で計14本の自社アプリを開発し、現在はスマホアプリ以外の自社サービスの立ち上げにストックビジネス推進チームとして目下奮闘中です。
当社は1986年設立のソフトウェア受託開発を中心としたIT企業です。25周年を機に更なる発展として、「受託開発」「ストックビジネスの創出」「IT技術サービス提供」という三つのビジネス領域が交差する立体的な空間において、独自ビジネスの展開を進めています。
そういった背景の中で、今後展開していくシステム・サービスの情報を「さくらのナレッジ」を通して広めていければと考え今回の執筆に至りました。
映像配信システム概要
当社では、カメラで撮った映像をクローズドネットワークのサーバを介して、各生徒のタブレット、PCなどの端末にリアルタイム配信できる、安価でシンプルな映像配信のシステムを開発しております。(図1)
図1.映像配信システム |
デモ実施の経緯
千葉県にある某専門学校様より、この映像配信のシステムを利用して、移動する車の中の実習風景を各教室へ配信することはできないか?というお話を頂き、実際に現地でのデモを実施することになりました。
図2.デモイメージ図 |
従来の方法ですと、学校付近を走りながら車内で実習を行い、終了後学校に戻り振り返りと評価を行っていたので、満足な実習評価が行えていませんでした。
車内の映像をリアルタイムで配信し、評価担当の方達が教室で視聴していれば、指導をしながら、的確に評価を行うことが可能になります。そのような背景があり、必要な設備が少なく(配信用カメラ付きスマートフォン、マイクロサーバ、受信用端末)、導入に手間のかからない本システムのデモ依頼が来た次第です。
しかし、移動体での配信になるため、据え置き型になる現行のサーバでは相性が悪く、クラウドサーバへ切り替える必要がありました。
図3.実際の写真(左:車内、右:教室) |
さくらのクラウドを選んだポイント
ポイントは2つ「値段」と「移植性の高さ」です。
まず、他と比べても値段が安く、さらに月額固定というのは魅力的でした。安価に提供出来るサービスを目的としている本システムと、とても相性が良く感じました。
次に、元々マイクロサーバで構築した環境があったので、同じような手順で迅速にセットアップを行うことが出来ました。また、月額1500円ほどで利用できるさくらのVPSから、データの移行が簡単に出来るのも魅力だと思っています。さくらのVPSでスモールスタートし、エンドユーザのニーズ・配信対象数(顧客数)が増え、配信数が増大してきたところでさくらのクラウドに移行し、運用コストを大幅に押さえることが可能であるという点にとても惹き付けられました。
千葉(移動体)→石狩→千葉での配信結果
正直、初めはサーバが石狩にあることがネックになるのではないかと予想をしていたのですが、杞憂に終わりました。回線がLTEから3Gに切り替わる際に、2~3秒の遅延が発生したものの、通信が切れることなく運用に耐えられる速度で配信する事が出来ました。
今後の課題
スマホカメラの死角及び撮影範囲が大きな課題点として浮き彫りになりました。
スマホカメラの固定は、設置位置が限定されてしまっているため、ある一定の範囲しか撮影することができませんでした。評価映像としては不十分なものとなってしまったことが課題です。そこで、現在はレンズを魚眼レンズに変え、死角を最小限に抑える方法で現在試行錯誤を重ねています。(イメージとしてはRICHO THETA)
最後に、さくらインターネットさんの迅速かつ丁寧な対応のおかげで 今回のデモ実施まで至ることが出来ました。今後もさくらのクラウドは、様々な製品やサービスの運用で検討していきたいと考えています。