スマホ用日記アプリ「瞬間日記」 クラウドサービスにおける課題とは

ども。瞬間日記サービスを運営している、ウタゴエの代表の園田(Tom Sonoda)です。休日は、関東近辺を小旅行して、温泉に入ったり、料理を楽しみながら、日記書いてます笑

このたび、瞬間日記クラウドサービスのインフラを、さくらインターネットさんにお世話になりましので、その体験を書きたいと思います!

1.瞬間日記とは

瞬間日記」は、世界200カ国以上で、ダウンロード数3000万を超えるスマホ用の日記アプリです。
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ツイッターを1人でやるような感覚で、思ったことや出来事を手軽に記録でき、基本的に誰にも共有されません。利用者の8割が女性です。

もともとは、ある母子家庭の母親の「子どもと過ごすどんな瞬間でも残せるように」という思いを叶えるように開始しました。

実際には、育児日記、ペット日記、ダイエットの記録、コーディネート記録、願い事を書くなど、様々な使い方が、ユーザから報告されています。

また、メンタル系およびフィジカル系の病院でのリハビリ・記録や、養護学校での利用も報告されており、世界中に広がっています。

2.瞬間日記におけるクラウドサービスと課題

瞬間日記では、スマートフォンを買い換える際の日記データの移行や、スマートフォン紛失に備えた日記データ保管を、クラウドストレージを利用して行いたいという利用者が、年々増加しています。

リリース時からの4年以上の日記を書きためている方も、たくさんいらっしゃいます。
このニーズに対応するため、当初は社内サーバでクラウドサービスを実現していましたが、賄いきれなくなってきましたので、様々なデータセンターでのホスティングサービスや、クラウドサービスを検討することになりました。

ところが、多くのサービスは、月額利用料が高額であったり、各サービスに固有のAPIに従来のシステムを対応させる必要があったりします。これは、非常に大きなコストとなると判断しました。
特に、特定のクラウドサービスのためにのAPIやライブラリの導入は、エンジニアの学習コストが掛かります。また、他サービスへの移行時にも、より時間が掛かることになります。

この問題を避けるため、汎用的なサーバ構成を利用できるクラウドサービスを探していました。
最終的に、KLab Ventures さんと、さくらインターネットさんがスタートアップへの提供プログラム「さくらでスタートアップfor KLabVentures」を利用することに決めました。
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結果、汎用的なサーバ構成を保った状態で、一定期間、さくらのクラウドを無料で利用できるようになりました。

3.さくらのクラウドのメリット

さくらのクラウドがいいと、当社が判断した点は以下の2つです。

(1) 他のクラウドサービスと大きく違って、基礎的なインフラ構築スキルのみで、サービスを安価に構築できる。

導入時に、独特のAPIや、DBサーバの仕様に合わせて、自社の既存サービスを変更する必要があるクラウドサービスが多い中、エンジニアの基礎的なインフラ構築スキルにのみ、時間と予算をかけて、サービスを構築することができます。

アプリサービスの場合、サーバエンジニアだけでなく、アプリ担当のエンジニアも、その仕様を理解する必要があります。会社として、特定の環境を学習するために、主要なエンジニアたちの時間をかけなければなりません。
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新しいエンジニアが担当するときや、サーバ移行のときも、この部分は発生するコストとして、意識する必要があります。

(2) 運用コストが非常に安価。

上述のように、汎用的な環境を保ったクラウドサービスは一般的に高価ですが、さくらのクラウドは、弊社で過去に利用した国内の企業向けクラウドサービスと比較して月額換算で 1/4 程度まで下げることができました。

 

4.弊社で採用したサーバ構成と移行の実際

移行当初は、ユーザデータは 1TB 未満でした。このデータを完全に社内のサーバから、移行するには、2日間の環境構築、1週間の試験と、2週間の移行作業で、合計約3週間を要しました。
移行後、運用して分かったことは、回線が安定しているということでした。現在まで、6ヶ月以上経過しても、トラブルが一切発生していません。

さくらのクラウド上で初期に構築した環境は、以下のようになります。

・F/W 1台(共有セグメント 100Mbps に接続)
・SW 1台 (F/Wに直結)
・サーバ 3台(SWに直結)

運用コストは、当初月額 5万円未満となりました。

5.まとめ

瞬間日記ユーザは、主にデータ移行とデータ保管時にクラウドサービスを利用しています。一度、お預かりしたデータは、100年単位で長期保存できるシステムを構築することが必要となります。
このため、コスト削減はとても重要で、さくらのクラウドは、エンジニアの学習コストおよび移行コストが最も低かった点がメリットに感じました。

また、それ以上に、スタートアップに多い若いエンジニアのキャリアの観点でも、特定の仕様に対してではなく、長期的に活用できる「基礎的なスキル」に時間と金を集中して投下できる点は、エンジニアを育てる上で、とても大切なことだと、当社では考えています。

>>ウタゴエ株式会社 「瞬間日記」 公式サイトへ

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