自 由 検 証 環 境 提 供 宣 言 by さくらのナレッジ
この記事は、2022年6月25日(土)に行われたオープンソースカンファレンス2022 Online/Hokkaidoにおける発表を編集部にて記事化したものです。
目次
はじめに
「自由検証環境提供宣言」というタイトルで前佛から発表させていただきます。
なぜ今日、私がしゃべっているかと言いますと、「さくらのナレッジ」というサイトで、オープンソースソフトウェアの検証ができる環境を提供できますよということをお伝えしたいんですけど、それだけだと、ただの宣伝になってしまってたぶん皆さんつまらないと思いますので、ちょっと耳寄りな話もしたいと思ってます。個人でDockerのドキュメントの翻訳をやってるんですけども、Dockerまわりで皆さんに知ってほしいことがちょっとありますのでお話しします。
全然関係ないんですけど、私はFactorioというロケットを自動的に打ち上げるゲームがとても好きでして、プレイ時間が9,500時間を突破したそうです。もし、このあたりの話を聞きたいとか、あるいはDockerの話を聞きたいとかありましたら、私のTwitterアカウントをフォローしていただけるととてもうれしいです。
Docker Compose V1はオワコン
さて肝心のDockerの話です。
皆さん、Docker ComposeのV2というものがGA(General Availability:正式版として提供)になったなんてことはご存知だったでしょうか。
Docker Composeというのは何かといいますと、このタコのマークですね。これです。これがGAになったってことは、いま皆さんが普段Docker Composeを使うときに、docker-compose
というコマンドをお使いですか? あれもうオワコンです。今年の4月から、docker compose
というコマンドがGAになってます。
[編集部注]docker-compose
:Docker Compose V1におけるコマンドdocker compose
:Docker Compose V2におけるコマンド
GAになると何があるかと言いますと、上のスライドにありますように、旧版の方はもう開発しないよというふうなことがDockerのブログに書いてあります。皆さんご存知でしたか?
で、今はどういう状況かといいますと、移行期間という位置づけになってます。現行のdocker-compose
という、もともとPythonで書かれた方のモジュールは、もう今後アップデートされません。深刻なセキュリティ対応も10月以降はしないことになってます。
我々はどうすべきか
では私達はこれからどうするべきかって言いますと、もうdocker compose
コマンドを使っていかないと、ちょっと困ったことになります。というのは、V1のEOL(保守終了)が来年(2023年)の4月なんですね。えーっていう感じですよね。
たぶんこのままいくと、基本的には、何もしなくても最低限は動きます。Docker Desktopをお使いであれば、もう初めから入ってますし、Linuxの場合も、2021年の秋に出たv20.10.13以降はdocker compose
コマンドが使えます。皆さんも手元のDockerのバージョンを調べてみて、新しければ使えますので、ぜひ試してみてください。
Docker Compose V2は何が変わるの?
で、Docker Compose V2になると何が変わるかっていいますと、大きく変わるのは、これまで別のパッケージとしてセットアップしていたDocker Composeというものを入れる必要がなくなります。もう初めから基本的に入ってます。Docker Desktopであれば以前から入ってますし、Linux版ですら普通にDocker Composeが使えます。
さらに、基本的にこれまでのプロジェクトファイルがそのまま使えますので、特に困ったことはないです。むしろ、これまでできなかった、例えばdocker compose ls
とかdocker compose cp
のように、複数のサービスをまとめていい感じに管理したりとか、これまでになかったCompose Specification(仕様/規格)に対応しますので、これまで面倒だったversion: '2'
とかversion: '3'
とかあったと思いますけども、それらがいい感じに統合されたCompose Specificationを使うことによって、config:
ですとか secret:
などが使えるようになります。あと細かいことはいろいろありますが、基本的には普通に使えると思っています。
Compose Specificationの詳細な仕様については、Compose Specificationウェブサイトをご覧ください。Docker社が勝手に作ったのではなくて、いろんなところといい感じに相談しながら作ったものになっています。これも去年から出ています。
あと、Docker DesktopでV2を使うには、設定画面でチェックを入れれば使えますし、Linuxでも標準搭載済みなので普通に使えます。
というわけで、この話のポイントとしては「Docker Compose V1はオワコン」です。
このような検証をしたい方にさくらのクラウドを提供!
ところで、こういったLinuxコマンドの検証をしたいというときに、いい感じにグローバルインターネットが使えるサーバが必要だと思いませんか? そんなあなたに朗報です。
さくらのナレッジでは、こういった環境を使ってみたいという方がいらっしゃいましたら、一定期間の中で自由に使える環境を皆さんに提供します。何か記事を書いてみたいという方はぜひお声がけください。過去にもいろいろとオープンソース関連の記事を掲載していて、これらの検証にもさくらのサーバを使用しています。本サイトの「著者募集」というページがありますので、そちらの方からお問い合わせください。
[編集部注] さくらのサービスで検証を実施した記事の例です。
- クラウドコラボレーションサーバ「Collabora Online」を構築してみた
- OpenStreetMap Foundation Japanコミュニティ向けタイルサーバの構築事例
- Goofysでさくらのオブジェクトストレージのバケットをファイルシステムとしてマウントしてみよう
Dockerの話をどっかでしたい
それから私、「Dockerの話をどっかでしたい!」とずっと思ってまして、そういう場として「Docker道場」というのを作りました。これはDiscourseというオープンソースのツールを使ってまして、この話もどっかでしたいと思っています。
まとめ
というわけで「自由検証環境提供宣言」でした。ぜひ皆さん、ご興味ありましたらご応募ください。お待ちしてます。ありがとうございました!