外形監視を手軽に始める、さくらのクラウド「シンプル監視」でできること・できないこと
「さくらのクラウド」の「シンプル監視」は、2016年のリリース当初から存在しているサービスですが、実はクラウドファースト時代と足並みをそろえて進化しています。この記事では、シンプル監視の主な機能と基本的な設定方法を解説します。さくらのクラウドの利用を検討している方、監視サーバを立てずに外形監視だけを導入したい方などの役に立ちます。新しい「シンプル監視」の機能と使いどころを把握しましょう。
シンプル監視とは
「さくらのクラウド」が提供するシンプル監視は、サーバーやウェブサイトなどサービスの稼働状況を定期的に監視し、異常を検知した際に通知するマネージドサービスです。Ping監視、HTTP/HTTPSステータス監視、TCPポート監視といった死活監視に加え、SSL証明書の有効期限アラート、さくらのクラウドの課金額に応じた料金アラートも設定できます。
「シンプル監視」は2016年の「さくらのクラウド」リリース当初から存在しているサービスですが、機能強化を続けており、次の特長を備えています。
1. 手軽に使えるマネージド外形監視 → 導入・運用コストが非常に低い
- 監視サーバやエージェント不要
- 管理画面からすぐ設定できる
- サーバやWebサービスの状態を自動監視
2. 多様な監視方式と柔軟な条件設定 → 用途に応じた実用的な監視
- Ping / HTTP / HTTPS / TCP / DNS / SNMPなど多プロトコル対応
- HTTPレスポンスコードや認証条件など詳細設定可能
- 再試行・タイムアウトなど監視ロジックを調整可能
3. 通知・運用連携の充実 → 運用フローやChatOpsに組み込みやすい
- メール通知+Webhook(Slackなど)対応
- ダウン・復旧・継続障害の通知
- APIによる自動化・IaC対応
4. 運用監視までカバーする付加機能 → 単なる死活監視を超えて運用全体を補助
- モニタリングスイートとの連携
- SSL証明書の期限監視
- 料金アラート
監視サーバ不要で迅速に導入できるマネージドサービスとして、クラウドファースト時代に適した設計となっています。
シンプル監視の主な機能
それでは、シンプル監視の主な機能を紹介していきましょう。
シンプル監視のシステム構成例を次図に示します。
ピンクのところがシンプル監視サービスです。その下にお客様の監視対象のサーバーがあって、OSやサービスを監視しています。そして、一定の条件に合致すると、メールやSlackなどで通知する仕組みになっています。また、右側にある「さくらのクラウド」の管理システムから、課金情報を定期的にチェックします。モニタリングスイートとの連携も可能です。
多様なプロトコルに対応
このようにシンプル監視は、多様なプロトコルに対応しています。
サーバーの死活監視では、PingやSSHなどで定期的にアクセスします。サービスの死活監視では、HTTPやHTTPS、SMTPなどのプロトコルでアクセスします。さらに、SSL証明書の有効期限の監視や、クラウド請求情報を対象とした課金額の監視も可能です。
柔軟な通知条件
通知は、次のような条件を指定できます。
- 指定した時間を超えてレスポンスがない
- レスポンスが指定した値ではない
- レスポンスが指定した値以上/以下である
たとえば、指定した時間を超えてレスポンスがない、pingを打ってアクセスできない、どれぐらいの時間でアクセスできなくなったか、繰り返し回数に合わせて通知を設定できます。また、レスポンスについては、HTTP/HTTPSによるアクセス時にステータスコードが200でない、または500が返るなども通知条件にできます。さらに、レスポンス時間が指定値を超えた場合も条件に設定できます。ただし、平均応答時間などは条件にできません。そのため比較的シンプルな条件設定になります。
メールまたはWebhookで通知
通知方法は、メールまたはWebhookです。Webhook経由でSlackなどを呼び出すこともできます。
ただし、Webhookは3回失敗すると通知が無効になります。たとえば、無効なSlack URLを設定した場合、エラーが繰り返されるため3回で自動停止になります。無効化された場合は、指定しておいたメールアドレスに連絡があります。Webhookの通知先がメンテナンスや障害で通知を受け取れない場合があるため、メールアドレスもあわせて設定することをお薦めします。
動作ログとレスポンスタイム
なお、シンプル監視のコントロールパネルで、ログを確認できるようになっています。このログは監視対象のログではなく、シンプル監視の動作ログになります。
ログ画面は、サービスが有効か無効か、対象サービスのダウン時間と復帰時間、監視に失敗した時間、失敗から復活した時間などを出力します。また、監視対象サービスのレスポンスタイムの推移がグラフ表示されます。
モニタリングスイート連携
さらに、モニタリングスイートと連携することで、外形監視と内部監視を組み合わせた包括的な監視が実現できます。
シンプル監視の監視結果を独自のログストレージに保存することで、モニタリングスイートに蓄積されたメトリクスやログを分析でき、障害の検知から原因分析まで一貫して対応できます。また、システム規模が小さなうちはシンプル監視で始めて、モニタリングスイートとの連携を段階的に拡張していくなど、小規模な構成から大規模システムまで柔軟に対応でき、効率的で高度なクラウド運用を支える基盤として活用できます。
SSL証明書の有効期限アラートと料金アラート
この他に、SSL証明書の有効期限アラートと、さくらのクラウドの課金額に応じた料金アラートを提供しています。
SSL証明書の有効期限アラートでは、HTTPSサービスを提供する任意のFQDNに対してSSL証明書の有効期限を監視し、設定した有効期限切れまでの残り日数を下回った場合に通知します。
料金アラートでは、さくらのクラウドの次回請求額や月末までの予測利用料金が指定した一定額を超えた場合に、メールやSlackにて通知します。
シンプル監視の設定方法
それでは、シンプル監視の設定方法を紹介します。
シンプル監視は、「さくらのクラウド」のコントロールパネルで簡単に設定できます。シンプル監視では、複数の監視対象を設定できます。また、シンプル監視はグローバルリソースで、さくらのクラウドの全ネットワークゾーンで共通して利用できます。監視対象が「さくらのクラウド」や「さくらのVPS」などグローバルIPv4アドレスのサービスであれば無料で利用できます。さくらインターネットの会員IDを持っていれば、ぜひ試してみてください。
監視対象を新規作成する
最初に、次の手順でシンプル監視の対象を新規作成します。
- 会員IDでログイン
- 「さくらのクラウド」のコントロールパネル
- 「グローバル」>「シンプル監視」
- 上部の「追加」ボタンをクリック
- 必要な項目を入力する
- 「作成」ボタンをクリック
これでシンプル監視が設定できました。一覧画面に監視項目が表示され、対象の監視が自動的に開始されます。
シンプル監視の設定一覧
監視項目の一覧画面を次図に示します。
設定一覧を表示するには、左側の「シンプル監視」メニューをクリックします。一覧画面では、設定されている監視項目と、その監視状態(監視設定の有効/無効、ダウン検知状態)が表示されます。
シンプル監視を設定変更する
設定の詳細を確認するには、次のように操作します。
- 対象の監視項目を選択(先頭のチェックマークをオンにする)
- 上部にある「詳細」ボタンをクリック
詳細画面では、次の操作が可能です。
- ステータス切り替え/設定変更
- 設定のコピー
- 監視方法・通知先の変更
- 編集、説明やタグ・アイコンの変更
- 設定の削除
変更したい項目により、操作が異なっているので注意してください。たとえば、上部の「ステータス切替」で、監視の有効化/無効化を切り替えできます。「監視方法・通知先の変更」で監視方法などを変更できます。
監視対象にFQDNを設定する
一部のサービスの監視では、監視対象に「FQDN」(Fully Qualified Domain Name)を指定します。新規作成時に監視対象として「FQDN」を選択してください。
SSL証明書の有効期限を監視する
SSL証明書の有効期限を監視する場合は、新規作成時に監視対象として「SSL証明書有効期限」を選択してください。SSL証明書の有効期限が、設定した日数より短くなると、メールやWebhook経由で通知されます。
料金アラートを設定する
料金アラートの設定は、「クラウドホーム」の「利用料金管理」から次の手順で設定します。
- 会員IDでログイン
- 「さくらのクラウド」のクラウドホームにアクセス
- 「利用料金管理」 > 「アラート設定金額」の「未設定」をクリック
- 「料金アラートの設定」で、必要項目を入力
- 「変更」ボタンをクリック
これで料金アラートが設定できました。設定した内容は「利用料金管理」に表示されるとともに、シンプル監視のコントロールパネルにも表示されます。
設定変更は、「利用料金管理」でおこないます。
まとめ
以上、シンプル監視の主な機能と簡単な設定方法を紹介しました。
このようにシンプル監視は、多くのシステム・サービスを監視対象に加えて、設定のシンプルさを維持しながら機能追加してきました。
システムの安定稼働には、継続的なシステム監視は重要かつ不可欠です。でも、自分たちで監視の仕組みを構築・運用するのはそれなりに手間がかかります。「さくらのクラウド」のシンプル監視を活用すれば、開発と運用の工数を大きく下げて、システム本来の機能の開発に集中することが可能になります。
ぜひ、シンプル監視をご活用ください。
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