クラウドもAIも使ってる!東北でイベントもやるよ! 〜「さくらの夕べ CoderDojoナイト」レポート〜

はじめに

さくらのナレッジ編集部の法林です。

2026年10月5日(月)にオンラインイベント「さくらの夕べ CoderDojoナイト」を開催しました。本記事ではこちらの模様をレポートします。

イベントの開催趣旨

CoderDojoは、子どものためのプログラミング道場です。2011年にアイルランドで始まったもので、世界各地で有志が道場を運営しています。日本にも200箇所以上の道場があります。さくらインターネットはCoderDojo Japanに対してさくらのクラウドを提供しており、提供したリソースは各道場で活用されています。

今回のイベントは、そのリソースの活用事例をご紹介いただくことで、CoderDojo関係者同士の情報交換や、また新たにCoderDojoの取り組みに関心を持ってくださる方を増やすことを願って開催しました。イベントはZoomミーティング上で行い、YouTubeにも配信しました。

以下、それぞれの発表内容を紹介します。(なお、説明の都合上、実際の発表とは順番を入れ替えています)

DojoPaaS for 1-Day Workshop

CoderDojo Japanの代表理事を務めている安川要平さん(@yasulab)から、当社から提供したさくらのクラウドを各道場に使ってもらうための仕組みであるDojoPaaSと、その新機能の紹介がありました。

はじめにCoderDojoの取り組みについて説明がありました。現在はほとんどの都道府県を網羅する形で200箇所以上の道場があり、年間でのべ7000人以上が参加しています。CoderDojo Japanと提携する法人も徐々に増えて現在は25社以上となっており、ノートPCなどのハードウェアや学習プログラムなどの提供を受けています。当社からはさくらのクラウドを提供していますが、これはCoderDojo Japanの提携法人としては最初期からの参加になります(2017年7月提供開始。当時のニュースリリース)。

DojoPaaSの仕組み

DojoPaaSは、さくらのクラウド上のサーバ作成や各道場への割り当てを自動化する仕組みです。サーバを利用したい人が申請用のCSVファイルに必要事項を記入してGitHubにプルリクエストを送ると、GitHub Actionsが動いてサーバが作成されます。利用者はサーバ一覧から自分が申請したサーバを探し、そのIPアドレスにSSHで接続して利用します。(もう少し詳しい説明は以前に公開した記事をご覧ください)

これまで、DojoPaaSで利用できるサーバは最小スペックのもの(CPU 1コア/メモリ 1GB/SSD 20GB)に限られていました。しかし最近のアプリケーションはリソース要件が増大しており、最小スペックでは足りないことがあります。

ワークショップ用のサーバ作成

そこで、CoderDojoの活動のうち、イベントの当日だけ利用するサーバならもっと高スペックなものを提供できるのではないかと考えて、それを実現できるようなDojoPaaSの新機能を開発しました。具体的には、申請用のCSVファイルに記載するbranch名をworkshop-YYYYMMDD(YYYYMMDDは年月日)のような形式で記述すると、その日になると高スペックなサーバが作成されるというものです。指定した日付が過ぎるとサーバは削除されます。サーバのスペックは暫定値としてCPU 8コア/メモリ 8GBに設定していますが、利用状況を見て考えていきたいとのことです。

さくらのクラウド、結構頑張ってくれます。― CoderDojo小田原がDojoPaaSを使い倒してみた ―

CoderDojo小田原の山本尚義さん(@obito_od)からは、LuantiというOSSのゲームエンジンの活用事例が紹介されました。

Luantiはボクセルゲーム(3D空間にブロックの集合体を並べて遊ぶゲーム)のエンジンです。ボクセルゲームの代表例はマインクラフトで、CoderDojoでも利用者が多いですが、リソース要件がやや高めです。それに比べるとLuantiは要求スペックも低く、複数人での利用に対する制限も緩いです。ゲームも多数公開されていますしLua言語で改良することも可能です。

山本さんは、DojoPaaSで提供されたサーバでLuantiを動かして参加者に遊んでもらっています。Dockerコンテナイメージも公式のものは不安定だったので自前でビルドし、さらに環境構築スクリプトも自作して、簡単に環境を用意できるようにしました。実際に使ってみたところ、10人程度で同時にプレイしてもほぼ問題なく動作するようです。

CoderDojo小田原でのサーバ活用。左上の犬のアイコンはMONIT

この他にも、PC〜サーバ間の暗号化通信を手軽に導入できるtailscale、IoTデバイスとの間でMQTT通信を行うMosquitto、HTTPでプッシュ通知を行うntfy、ブロックベースのプログラミング環境であるBlocklyを同じサーバで動かして、道場のイベントで利用しています。これだけいろいろ動かすと監視もしたいということで、軽量な監視ツールであるMONITの導入も検討中とのことです。

最小スペックのサーバをここまで存分に活用していることに大いに感心しました。

さくらのクラウド + さくらのAIでニンジャと一緒にAIとお話してみた

CoderDojo奈良の若林健一さんからは、参加者同士のコミュニケーションにAIを組み合わせる試みが発表されました。

AIは1対1(本人とAI)の形で使われることが多いですが、若林さんはチームでAIを使う方法を模索しています。そんな中で当社のAIサービスであるさくらのAI Engineを知り、これを使ってみることにしました。

子供用の部屋でAIに質問したところ

システムの構成としては、DojoPaaSから提供されたサーバ内に、チャットができる部屋を作成できるアプリケーションを構築します。子供でも使えるように部屋名は番号で共有できるようになっています。部屋に入室すると同室の人同士でチャットができるのですが、画面の最下部に「AIにきく」というボタンがあり、これを押してAIに質問すると、さくらのAI Engineが呼び出されて回答するという仕組みになっています。こうすることで、常にAIが介入するのではなく、必要なときだけAIにサポートしてもらうことができます。

大人用の部屋でAIに質問したところ

この仕組みは子供だけでなく大人にも適用できるので、大人用の設定もあります。システム構成は同じですが、メッセージが漢字も入った普通の日本語になっていたり(子供用は子供でも読めるようにひらがなを多くしています)、また大人用/子供用それぞれでAIに与えるプロンプトを調整しています。

部屋の設定画面

部屋を作る管理画面も見せていただきました。AIに聞ける回数の上限設定、子供が無限に遊ばないための有効時間の設定、会話で使用するAIのモデル選択、AIに与えるプロンプトの設定などができます。

まだ使い始めたばかりで、これからさらにプロンプトのチューニングが必要とのことですが、1人で作品作りに没頭する子供が多い中で、こうして子供の頃からチームでのコミュニケーションに慣れ親しむことはとても有意義であると感じました。

東北初開催!DojoCon Japan 2026のご紹介

今年のDojoCon Japanの実行委員長を務めている天沼倫太郎さん(CoderDojo滝沢)からは、DojoConのイベント内容が紹介されました。はじめに日時や場所などの情報をお伝えします。

  • イベント名: DojoCon Japan 2026
  • 日時: 2026年11月1日(日) 10:00〜17:00
  • 会場: プラザおでって (岩手県盛岡市)
  • 公式サイト: https://dojocon2026.coderdojo.jp/
DojoCon Japan 2026の公式サイト

今年のDojoConのテーマは「わかちあう、わかりあう」です。それぞれの経験や思いを持ち寄り、話し、聞き、わかちあうことで、少しずつお互いをわかりあっていくことを狙っています。プログラムもそのテーマを意識したものになっており、これまではセミナーや講演形式のセッションが多かったのを改めて、参加者同士が対話するセッションを多く組んでいるのが特徴です(詳しくはセッションページを見てください)。

基調講演もなく、代わりにキーノートワークショップが用意されました。キーノートワークショップは上田信行さん(同志社女子大学名誉教授)が登壇し、石とペンを使った「コレクティブドローイング」というワークショップを行います。この他にも、さまざまなガジェットを体験できるコーナーや(詳しくはイベントページを参照)、参加者各自のアイデアを共有できるボード(DojoWall)などが用意されます。

また、DojoConでは毎年、オリジナルグッズを制作し、SUZURIで販売しています。Tシャツ、ノート、缶バッジ、トートバッグ、帽子などがあります。グッズを買うこともコミュニティの応援になりますので、グッズコーナーにてお買い求めください。

懇親会会場 (出典)

最後に懇親会のご案内です。懇親会は会場の近くにあるビアバーベアレン中ノ橋にて行われます。ベアレンビールは岩手の地ビールで、盛岡市内にも工場があります。こちらもお楽しみに。

DojoConの参加登録はDoorkeeperで受け付けています。さくらインターネットもスポンサーとして参加し展示を行います。皆さんにお会いするのを楽しみにしています。

おわりに

皆さんの発表を聞いて、当社から提供しているサーバを有効に活用いただいていることや、さらに新しいサービスもご利用いただいていて、提供している側としてはとてもうれしく思いました。DojoConも東北初開催とのことですが、ITカンファレンスで東北地方に行ける機会は少ないのでとてもうれしいですし、もっと増えてくれるとうれしいなと思っています。

今回のイベントの様子をご覧になりたい方は、YouTubeにアーカイブが残っていますのでご覧ください。また、CoderDojo Japanのご協力により、各発表を切り出したプレイリストもご用意いただきました。個別の発表をご覧になりたい方はぜひこちらをご利用ください。

それではまた次回のイベントでお会いしましょう!