こんにちは。さくらインターネット クラウドチームの大井です。

今回はさくらのクラウドで提供する機能「アプライアンス」および「グローバルリソース」の概要について解説します。さくらのクラウドに興味がある!または使ってみる予定だ!といった方への紹介はもちろん、すでにさくらのクラウドをお使いのお客様にも「実はこんな機能もあるんだ」とお気づきいただき、導入を検討していただくきっかけになれば嬉しく思います。

今回は概要編となりますが、次回以降は今回取り上げた各機能を掘り下げ、実践的な利用方法について詳しく解説する予定です。

アプライアンス

コンピュータ用語におけるアプライアンスとは、出荷段階からハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、それらが設定済みとなった状態で提供される製品の事です。汎用性という面では、ハードウェアを自由に選択し、目的に合ったOSやソフトウェアをインストールして多彩な機能を持たせることが可能なサーバやパソコンには劣るものの、買ってきて電源を入れればすぐに起動し、分かりやすいインターフェースから最小限の設定をするだけで必要な機能が動作する便利な機器です。

例えば家庭用のブロードバンドルータや無線LANアクセスポイントなどのネットワーク機器、ラックにマウントしてネットワークに接続するだけでWebサーバとして機能するWebサーバアプライアンスなどは「アプライアンス」という形態で提供される製品が豊富に発売されており、みなさんにとっても馴染み深いかと思います。

そこで、これらアプライアンスをサーバやディスクと同様に仮想化して提供するものが、さくらのクラウドにおける「アプライアンス」となります。現実のアプライアンスと同様、特定の目的に特化した機能をすぐに使用したり、ネットワークインターフェースを持つものであればクラウド内の仮想ネットワークに接続し、Webインターフェースからの簡単なネットワーク設定で使い始めることが可能です。
現実のアプライアンスでもWebインターフェースを使用しコマンド操作などの専門的な知識不要で設定可能な機能も備えた製品も多いですが、そもそもWebインターフェースのコントロールパネルからすべての制御が可能なクラウドサービスとは親和性の高い機能と言えるでしょう。もちろんAPIの使用も可能なので、サーバやディスクと同じ感覚でプログラマブルに扱うこともできます。

それでは現在さくらのクラウドで提供中のアプライアンス機能について紹介していきましょう。なお、アプライアンスの新規作成や管理は、さくらのクラウドコントロールパネルの左側メニュー「アプライアンス」を展開すると表示される各機能をクリックすることで行えます(次項で解説するグローバルリソースも左のメニューから「グローバル」を展開することで各機能を選択できます)。

自動バックアップ

指定したディスクを定期的にアーカイブに保存する機能を持つアプライアンスです。バックアップはOS側で認識しない低いレベルで実行されるため、動作中のサーバには設定不要かつディスク性能に大きな影響を与えることなくバックアップの実行が可能です。
バックアップは曜日ごとに取得日の指定、保持する世代数が設定可能なため、一度設定してしまえば以降は管理する必要がありません。

※現在ベータ版としての提供となります

ロードバランサ

DSR(Direct Server Return)方式で動作するロードバランサです。DSR方式は着信パケットをロードバランサ側で受け持ち、実サーバへの振り分け後の応答パケット(実サーバ側からの送信パケット)はロードバランサを経由せずに直接返答する方式です。このため、すでにスイッチで構成済みのネットワークがあれば、既存の環境を壊さずスイッチにロードバランサアプライアンスを接続するだけで物理構成が完了します。

VPCルータ

Virtual Private Cloud(仮想プライベートクラウド)環境を簡単に構築することができるルータです。さくらのクラウドにプライベートなクラウド環境を構築し、それを自社ネットワークの延長線上としてファイルサーバや認証サーバを設置することが可能です。ファイアウォールやDHCPサーバなど、ルータとして使う上で便利な機能も豊富に揃っています。

データベース

MySQLのプロトコルを使用してネットワーク経由でアクセスするSQLデータベースサーバです。SQLのユーザ管理やデータベースの作成/削除などの操作をブラウザ経由で実行できるWeb UI機能や自動的な定期バックアップ機能も備わっています。

NFS

NFSサーバとディスクがセットになったアプライアンスです。同一セグメント内のローカルネットワーク経由でNFSアクセス可能なファイルサーバをすぐに作ることができます。プロトコルにNFSを採用しているため、複数のNFSクライアントからデータを共有することができます。

グローバルリソース

さくらのクラウドで提供するグローバルリソースも、これまで紹介したアプライアンスと同様にクラウドのメリットを生かした特徴を持ちます。しかし、使用できる範囲がさくらのクラウド内だけではなく、さくらのVPSや専用サーバなどの弊社他サービス、さらには他社サービスなどに跨って使用することもできるのが大きな違いです。もちろんさくらのクラウド環境内ではサーバやディスクなどの基本機能を使用せずグローバルリソースだけの使用も可能なので、サーバは弊社他サービスや他社を使っているけどそれらと組み合わせて使用する高機能なアプライアンスだけはさくらのクラウドの機能を使用したい!といった場合でも活用できます。

GSLB

DNSを使用したロードバランシング機能を提供します。特定のホスト名の問い合わせに対して応答するIPアドレスを変化させることで実現します。ロードバランシング先として設定可能なIPアドレスはさくらインターネットのサービスに限らないため、他社サービスを組み合わせた構成にも対応可能です。

DNS

DNSコンテンツサーバを提供するアプライアンスです。登録したドメインのゾーン情報は自由に編集することができます。

シンプル監視

pingによるIP到達性監視、各種サービス指定による稼働状態の監視などを行い、異常発生時はメール送信またはWebhookによるSlack通知を行います。監視方式によっては監視対象からのレスポンスタイムのグラフを表示することも可能です。弊社お客様割り当てIPアドレスを監視対象としてご利用の場合は無料でお使いいただけます。

まとめ

今回はさくらのクラウドで提供しているアプライアンス/グローバルリソースそれぞれの概要を紹介しました。意外と多くの種類があり、性能や機能の高さにも驚かれたのではないでしょうか。

これらアプライアンスは、サーバやディスクを作成し自分で構築することで同様の機能を持つものを作ることも可能です。しかし、必要な時にすぐ用意され、設定も簡単に行えるといった現実のアプライアンスと同様のメリットをクラウド上でも享受することができます。また、必要が無くなれば削除するだけで課金が終了するので、より低コストな運用が実現できます。

これからもアプライアンス/グローバルリソースの開発を進めていきますので、「このアプライアンスにこんな機能も欲しい!」とか「こんな新しいアプライアンスが欲しい!」などといったご意見がありましたら、お気軽にさくらのユーザーフィードバックβまでお知らせください。

次回はアプライアンス「NFS」について解説予定です。