こんにちは、さくらインターネットの大喜多です。

本記事では、2018年3月14日に開催されたイベント クラウド時代のルーターとネットワークを考える についてレポートいたします。

第1部 今のネットワークはクラウド対応じゃない?

まず最初にKADOKAWAアスキー編集部の大谷イビサさんから本イベントの趣旨についての説明がありました。

IT業界ではネットワーク機器メーカーとしても著名なヤマハさんが参加されている今回のイベントの目的は「エンジニアの声を聞くこと」とのことです!

通常は代理店を通して製品を販売しているヤマハさんが「エンジニアの声を直接聞いて製品開発に反映させる」ことを目的として、大谷さんに相談されたことが本イベント開催のきっかけとのこと。それだけに、参加者とヤマハの担当者の方との間で活発な対話が行われていたことが印象的でした。

まず最初に従来型のネットワークはこのような形であったことが説明され、昨今のトレンドの変化についての説明がありました。

  • 接続先としてのパブリッククラウドの増加
  • 中小企業レベルでもパブリッククラウドとVPN接続する必要性の高まり
  • インターネットトラフィックのトレンド変化(働き方改革によりTV会議が増え動画のトラフィックが増える等)
  • SDNの台頭とルータのソフトウェア化

第1部の最後ではこのようなテーマが提示され、第2部への橋渡しとなりました。

第2部 ヤマハが考えるクラウド時代のネットワーク

ここからはヤマハの梶俊明さんから「クラウド時代におけるヤマハの取り組み」について説明がありました。梶さんはLSI設計・回路設計・ソフトウェア開発など分野は変われど入社以来ネットワーク機器ひとすじのキャリアを積まれてきたとのことです。

RTX830から搭載された「クラウド接続かんたん設定」では、ルータからクラウドのAPIを操作することにより簡単にクラウドとのVPNが張れるようにしたとのことです。現時点ではAWS(Amazon Web Services)にのみ対応しており、他のクラウドとの接続機能も開発中とのことです。

また、詳細は決まっていないものの、ソフトウェアルータの開発予定もあるとのことでした。こちらは昨今のSDN化へのアプローチ、ならびに様々なパブリッククラウドとの接続性を向上していくための施策と考えられるでしょう。

最後にヤマハさんが考えられている今後の取り組みについての説明があり、ここから第3部の質問会に突入していきます。

第3部 クラウドエンジニアからの公開質問会

参加者の皆さんも思うところがたくさんあったのか、活発に意見が飛んでいたのが印象的でした。主なものを以下に記載します。

  • 拠点間でNASのバックアップ処理中にWindows Updateの通信が発生して社内LANがパンクした。何かネットワーク機器としてとれる対策はないか
  • CDNベンダーと協業してDDoS対策機能の実装などできないか
  • クラウドの考え方として、すでにあるものは作らないというものがある。協業により機能拡張する道があるのでは
  • Ansibleを使って複数台のルータ設定を効率化したい
  • ソフトウェアルータにおいてはDockerを意識してほしい
  • 今のNASは非常に高機能でサーバーに相当するような機能も備えている。ルータとNASが一体化した製品が出れば、宅内には1台の機器さえ置けばよい時代がやってくるのではないか

すべての質問に対してその場で「こうします!」という回答が出せるものではありませんでしたが、これらのユーザーの生の声は製品開発に生かされていくであろうと期待しています。

さいごに

第2部の最後で、このようなメッセージがあったのが印象的でした。「やりたいことの手助けになる」これはITベンダー共通の願いだと思います。今後の動向に注目しつつ、今回のレポートはここまでとさせていただきます。