さくらのハイブリッド(専用サーバ×クラウド)の使いどころ
はじめまして、さくらインターネット営業部の酒井です!
今回から日々の営業活動を通じてお客様からのリクエストの多い最近の技術的トレンドや、課題に対して、さくらインターネットがどう取り組んでいるかを発信していこうと思います。どちらかというと、先進的ではないかも知れませんが、実務で活かされているリアリティ重視の内容にしていくつもりです。皆様のお役に立てれば幸いです!
そもそも、さくらインターネットには「営業マンがいる」という世間的な認知度が低いのではないか…という危機感をもっているのですが、実際にはちゃんとメンバーが揃っており、お客様のもとに日本全国飛び回っているということもアピールしていきたいと思います!
さて、ここ数年クラウドというワードが飛び交っています。当社でも「さくらのクラウド」を提供していますが、そんなクラウド全盛の時だからこそ逆に注目して欲しいのが専用サーバです。既にハードウェアをお持ちの企業様から、専用サーバとクラウドサーバの使い分けをどう考えるべきかといった疑問はよく聞かれます。どういった用途にどちらのサービスが向いているか、または自分たちのサービスが専用サーバ向きかクラウドなのか、それを気にされている方はとても多いです。しかし一点注意していただきたいことがあります。それはシステム全体で専用サーバ(またはクラウドサーバ)に集中させる必要はないということです。
つまりシステムを構築する要素(Web、プロキシ、データベース、ストレージなど)はいくつもあります。この要素ごとにクラウドか専用サーバかを選択すべきなのです。それを可能にするのが当社の提供する「ハイブリッド接続」です。
クラウドは安い?
クラウドサービスの売りとして「安い」という言葉を聞くことがありますが、本当に安いのでしょうか。専用サーバの場合、運用コストは月額固定のケースがほとんど。それに対しクラウドは、課金単位が1時間単位で計算できるので、割高に感じることが多いようです。
しかしクラウドは技術的に高度で、リソース管理にも気を配って開発されています。そのためリソースあたりの単価で考えると割高になります。対して専用サーバはハードウェアそのままなのでシンプルです。もちろんクラウドにはそれを補ってあまりあるメリットがあるのですが。
さくらインターネットの提案するハイブリッド構成
コマースサイトの場合
クラウドと専用サーバ、それぞれにメリットとデメリットがあります。大事なのはそれを見極めた上でお互いの長所を活かすということです。
例えば季節性のある商品(お中元、お歳暮など)を扱っている企業様の場合、トラフィックが年間を通して数回のピークがあります。それ以外の時期は低トラフィックです。そのため高性能が求められるデータベース、ストレージサーバを専用サーバとし、トラフィックに合わせて柔軟に増減できるWebサーバをクラウドで構成しています。このように求められる性能によってクラウド、専用サーバを柔軟に選択できるようにすべきです。
専用サーバだけで構成した場合、ピークに合わせて設計せざるを得ません。しかしクラウドを組み合わせれば構成を柔軟に対応できます。対してデータベースのように常時必要で、かつピークにも耐えられるスペックをクラウドで用意すると年間コストが高くなります。そこで専用サーバを使います。
広告、キャンペーンサイトの場合
サイトに対して広告を打つ場合や、キャンペーンサイト開設時でも同じことが言えます。ピークが不定期に訪れる場合、常に最大のピークを見込んでサーバ構成を考えていてはコストが大きくなります。そこでトラフィックが集中した時に合わせて柔軟にシステム構成を変更したい場所だけクラウドで構成するのがお勧めです。
新サービス、スタートアップの場合
新しいサービスを開発するスタートアップ企業の場合、最初から高性能なサーバを設置するのはコスト/リスクが大きいでしょう。
そのためスモールスタートではじめられて、必要に応じてサーバを増減できるクラウドはメリットが大きいと言えます。
しかし運営を続けていく中で、徐々に必要なスペックが読めるようになるはずです。
例えば、1つのデータベースサーバで何人のクライアントにサービス提供できる……と言った具合です。そうした計算ができるようになってなおクラウドを使い続けるのはコスト高になってしまいます。
そこでクラウドから必要な部分を徐々に専用サーバに移していきます。さくらインターネットのハイブリッド構成では、そのような一部だけの移行も簡単に実現可能です。
クラウド/専用サーバに向いている利用法
クラウドと専用サーバで言うと、同じ料金である場合にディスクI/OやCPU性能は専用サーバに分があります。そのため高い処理性能が必要な場合は専用サーバを使う方が良いでしょう。
クラウドのメリットは柔軟性です。
時期によって求めるリソースが変わる場合はクラウド向きです。またスタートアップのように求められるリソースが不明確であったり、成長途中にある場合はクラウドを使って柔軟にリソースを組み替えるのが良いでしょう。
さくらのハイブリッド接続機能
ここまで何回か出ているハイブリッド接続について紹介します。さくらの専用サーバとさくらのクラウドではサーバ同士をハイブリッド接続ができます。ネットワークが高速なのはもちろん、インターネットへデータが出ませんのでセキュアにデータの送受信ができます。お互いが専用サーバなのかクラウドなのかを意識することもありません。
この機能を提供しているベンダーは多くないと思っています。専用サーバとクラウドサーバにそれぞれメリット、デメリットがありますので、そうした特性を把握した上で柔軟なシステム構成を実現するのに使ってもらえるはずです。
自社でクラウド?
最近にわかに聞かれるようになったのが専用サーバを組み合わせて自社でクラウドサービスを提供されるというケースです。さくらの専用サーバを利用した事例が増えてきました。専用サーバを組み合わせてOpenStackなどを使って独自のクラウド環境を構築し、クライアントや自社内で利用されています。そういったケースでも専用サーバはお勧めです。
おわりに
実際に当社のサービスをご利用いただいているお客様の声としては、他社のクラウドと比較した時の圧倒的なコスト感、管理画面の使いやすさがよく聞かれます。実際そのまま利用されていても満足度は高いようです。
当社サービスの利用に際してご興味があればぜひお問い合わせください。ネットワーク構成についてベストな方法が分からないといった場合も提案させてもらいますのでお気軽にお問い合わせください!