筑波大学における雙峰祭オンライン開催の舞台裏
はじめに
これまでさくらインターネットでは、学校や学生さんを支援する活動を様々な形で行ってきました。今回はその中から、雙峰祭への「さくらのクラウド」環境支援の事例を、実行委員をされた3名の方(小谷優空さん、小川広水さん、浦川浩介さん)に、オンラインにてお話を伺いました。
雙峰祭とは
雙峰祭(そうほうさい)とは、筑波大学で10月末〜11月頃に開催されている、約40年の歴史を持つ学園祭の名称です。茨城県にある筑波大学の広大なキャンパスを活かし、例年は様々な出店やバンドのパフォーマンスが行われ、3万人を超える来場者があったそうです。
しかし、このコロナ禍の中、2020年は残念ながら中止となってしまったとのこと。しかし、2021年はなんとか開催したい、と開催の道を模索した結果、オンラインで開催することになったそうです。
雙峰祭公式サイト
https://www.sohosai.com/
オンラインで学園祭を実現する方法
オンラインでの学園祭を実現する方法を伺うにあたり、まず筑波大学学園祭実行委員会の組織について教えていただきました。
筑波大学学園祭実行委員会には「財務局」「総務局」「渉外局」「総合計画局」「広報宣伝局」「情報メディアシステム局」「ステージ管理局」「推進局」「本部企画局」の9つの局があり、ITシステムに関する部分は、この中で「情報メディアシステム局」が担当しているとのこと。
さらに「情報メディアシステム局」の中には、「ネットワーク部門」「映像部門」があり、「ネットワーク部門」の中には「インフラ担当」「Web担当」、「映像部門」の中には「制作担当」「企画担当」があるとのこと。かなり大規模な組織となっているようです。
この「情報メディアシステム局」が提供する「雙峰祭オンラインシステム」が、各種企画の募集受付、管理を行うことにより、各参加団体とのコミュニケーションや情報の集約管理が行われたそうです。
雙峰祭参加者は、このシステムをもとに公開されたWebサイトから、各種プログラム(ライブ配信等)へアクセスするような形で、学園祭に参加することができました。
オンライン学園祭を開催してみて
実際にオンラインで開催した感想を伺ったところ、「実行委員は基本的に毎年交代となるため、他の年との比較は難しいが、思ったよりも面白くできた、という手応えはある」とのこと。しかし、その一方で、やはり「大変でした」という感想もありました。
今回は、途中までオフライン(現地)開催の方向で準備を進めていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大により急遽オンラインに変更となったということもあり、準備期間が短くなってしまったことも、大変さに繋がってしまった要因でした。
「さくらのクラウド」の用途について
今回「さくらのクラウド」を活用いただいたのは、前述の独自開発の「雙峰祭オンラインシステム」とのこと。開発はRustで行われ、以下のような3台のサーバーで構成されていました。
- リクエスト受付Webサーバー
- データベースサーバー
- ファイル格納用オブジェクトストレージサーバー
「さくらのクラウド」を使った感想
「さくらのクラウド」を使った感想を伺ったところ、「ドキュメントが充実していたのが良かった」といった感想をいただきました。また、「ディストリビューション依存のないような形で、ディスクの修正によるネットワークの設定ができるようになると嬉しい」といったご要望をいただきました。
また、「オブジェクトストレージや高火力プラン(GPU仮想サーバー)も便利そう」といった声もいただきました。オブジェクトストレージについてはTerraformの構成情報ファイルの格納に、GPU仮想サーバーについては生中継サーバーとしての活用できるかも、とのこと。
現在は、まだ物理サーバーも大学内で管理されているそうです。しかし、停電時の対応などが発生しているため、理想的にはそういったものも含めデータセンターに設置したい、とのお話を伺いました。
さいごに
オンラインでの学園祭は、やりがいのあるチャレンジであることが、お話を伺う中でわかりました。しかし、「やはり、オフラインの楽しさは大きい」といったコメントもありました。現在の新型コロナウイルスによる混乱が一日も早く収束し、再びオフライン開催ができることをを願うばかりです。
<実行委員募集!>
筑波大学学園祭実行委員会では、実行委員を募集中とのこと。これを見ている筑波大学の方で、ご興味のある方、ぜひ以下の連絡先まで連絡してみてくださいね。
連絡先メールアドレス: info@sohosai.com