世紀末SNS「hokutodon」を運営してみてわかったマストドンの可能性と課題

こんにちは。ヨッピーです。自宅作業中に失礼します。
実は今、最近流行りの「Mastodon(マストドン)」の新しいサーバーを立ち上げようと悪戦苦闘中です。

そもそも、「マストドン?なんやそれ!」みたいな人もいらっしゃるかと思うので解説しておこうと思うのですが、ざっくり言えばマストドンは最近出たばかりの新しい、Twitterのような短文投稿SNSであって、操作方法や使用感なんかはTwitterを使い慣れてる人にとってはあまり違和感を覚えずにスッと受け入れられるかと思います。

ただし、Twitterが140文字までしか投稿出来ないのに対してマストドンでは500文字まで投稿出来たり、「閲覧注意」的に注意を促してから画像を開かせる事が出来る機能が実装されていたりと、Twitterとは異なる部分もあります。

その中でも一番大きな特徴が、マストドンを構築するソフトウェアはオープンソースとして公開されていて誰でも利用出来るようになっていること、つまりは「誰でもサーバーを立ててマストドンの管理者になれる」ということです。

例えばこれは僕がエクセルで5分で作った図ですが、TwitterやFBといった主流のSNSですと、こんな感じの中央集権型で、Twitter社やFacebook社といった管理会社が一手に「運営・管理」を行っているわけですが、これがマストドンだとこうなります。

この「インスタンス」というのはマストドンにおいては「それぞれの独立したサーバー」の事を示すわけでして、この「インスタンス」はサーバーを立ち上げてマストドンを組み込んでしまえば誰でも立ち上げて運営、管理を行う事が出来ます。それぞれのインスタンスは「連合」と呼ばれるゆるい繋がりで繋がっているのですが、中央集権型であるTwitterに対して、マストドンは分散型などと呼ばれます。

テレビにおけるチャンネルを自分達の手であれこれ作れる、みたいなイメージでしょうか。例えば日本においては一番最初に日本人向けに立ち上がったmstdn.jpや、pixivが運営するpawoo.net、ドワンゴが運営するfriends.nicoといったインスタンスが立ち上がっており、ほかにもアレコレ増えつつあります。この解説で合ってる?合ってるよね?たぶん。

そんなわけで僕自身よくわかってないのにあーだこーだ解説していてもしょうがないので、今日は実際に、完全オリジナルのインスタンスを立ち上げてみたいと思います!
よっしゃ~~!やったるでぇ~~~!

マストドンのサーバーを立ち上げよう

そんなわけで「サーバーを立ち上げよう」と言った所で、僕はその辺の知識が皆無ですので、本日は心強い助っ人をお呼びしております。ちなみにサーバーを組んでいる場所は僕の自宅です。狭いし散らかってる。

そしてこちらが本日、僕みたいな知識ゼロのド素人の「マストドンやりたい!」という思いつきのせいで駆り出された可哀想な「さくらインターネット」のエンジニア、芦野(あしの)さん。インフラエンジニアでサーバー周りのスペシャリストなんだそうだ。まだ若いくせにやるじゃねぇかこの野郎。


「全然理解してないんですが、ざっくり今日やることってどんな感じですか?」


「一応、こんな感じです」

1.ドメインを取得する
2.パソコンにLinuxをインストールする
3.マストドンをインストールする
4.ネットワークの設定をする
5.人を集めてマストドンを実際に運用する


「なるほどね。僕たぶん、ドメイン取る事以外は何一つ出来ないと思います」


「本当は、自宅PCでサーバー立てるより、クラウドとか使ってやる方が圧倒的に楽なんですよ。だいたい、このページって『さくらインターネット』のページなんだから弊社のサービスである『さくらのクラウド』を使って下さいよ!マストドン用のスタートアップスクリプトも用意してありますからそれを使えば1時間で立ち上げられるのに」


嫌です。何故なら僕は自宅サーバー、つまりは『自宅鯖(さば)』っていう響きにノスタルジーを感じる世代だから。一度やってみたいじゃないですかこういうの」


「いやー、マジで知識ゼロの人がやるのは大変だと思いますよ……」


「うん、なんだかんだ言って結局芦野さんに丸投げする事になるんだろうな、と思ってます。先に言っておくけど、ごめんな

そしてこれが僕がサーバー用に用意したパソコン。
ざっくりしたスペックはこんな感じです。

OS:Windows7
CPU:Core i5
メモリ8G
HDD:2TB


「これ、秋葉原の中古屋さんで4万円くらいで買ったやつなんですけど、無駄にデカいしファンの音がうるさくて寝れないので使うのやめて放置してたやつなんですよ」


「スペック的にはこれでもたぶん問題ないんですけど、ファンの音がうるさいなら寝る時に電源落とせば良いじゃないですか」


「僕はもう、寝落ちする寸前までインターネットしてたいので、電源を落とす作業で我に返って目が覚めるのが嫌なんです。で、パソコンつけたまんま寝たらファンの音がうるさくて夜中に目が覚めるっていう。とんだトラップですよまったく」


「知らんがな」

そんなわけで芦野さんに言われるがまま、まずはドメインを取得する僕。


「どんなドメインを考えてるんですか?」


「『hokutodon.com』っていうドメインを考えてます。『北斗の拳』みたいな、みんなが口汚くののしり合う、荒れ狂ってる世界観のインスタンスを作りたいなって思ってて」


「どういう意味があるんですかそれ」


「いやね、僕も普段Twitterやっててね、おかげさまでフォロワーもたくさん居てありがたいんですが、その半面、気軽にアホとかボケとか言えなくなっちゃったんですよ」


「ああ、怒られるから」


「そうそう。『うるせーハゲ!』とか『ピザでも食ってろデブ!』とか、そういうのをTwitterで言っちゃうと『ハゲに失礼ですよ』『太ってる事も個性のひとつだと思いませんか』って怒られるじゃないですか」


「確かに、Twitterが一般化して色んな人が使うようになったぶんだけ、少し窮屈な部分が出てきたっていうのはあるかもしれませんね」


「でしょ。や、別にそれが悪いとは思わないですよ。悪口とか悪意なんて無い方が良い事は間違いないんで。ただ、その一方で僕は大阪のスラム街みたいな所で生まれ育ってるんで、その感覚でポンポン悪口言えないのってちょっと寂しいな、って。だからたまには好き放題に暴言を吐きたいっていうのが1点」


「『好き放題に暴言を吐きたい』ってけっこうヤバい奴のセリフですね」


「うるさい。で、もう1点は、今回の企画って自宅鯖だし、管理者は知識ゼロの僕だしで、『サーバー飛んだ』とか『データが消えた』とかってなる可能性がけっこう高いじゃないですか。で、そうなった時に暴言とか罵詈雑言だったらデータが消えたって誰も怒らないだろうなって。『殺すぞボケ!』みたいな会話のログ、消えて怒るやつなんて皆無でしょ皆無」


「なるほど。そう聞くと確かに『hokutodon』が最適解な気がしてきました」


「でしょ。あとは芦野さんがゴリゴリやってくれれば万事オッケーです」


「やるのは結局僕なんですね」

そんなわけでドメインを取得した後、芦野さんが用意してくれたLinuxのインストールディスクを挿入。


「ドメインの取得に1時間、っていうペースで計算してたんで、予定より早いですよ!」


「ドメイン取るのに1時間っていうのは流石に僕を舐めすぎ※」

※クレジットカードさえあればドメイン取る事自体は10分あれば出来ます

Linuxのセットアップに移る。


「いやー、いいですね。Linuxって憧れだったんですよ。なんか、デキる人が『俺のPC、Linuxだから』とか言ってるイメージある」


「確かに、ある程度知識が無いとLinux使えないですからね」


「これで僕もとうとう、Linux使いになるのか……!あの憧れのLinux使いに……!」

そしてLinuxのインストールが完了!


「えっ、これがLinuxの画面!? ショボ!全然ハイテクじゃないし死ぬほど地味やんけ!憧れて損した!」


「今、かなりの数の人間を敵にまわしましたよ」

そして芦野さんに言われるがまま、PCを遠隔操作するソフトからゴリゴリとコードを打ち込む僕。というか、芦野さんが書いて持ってきてくれてあるRubyのコードをコピペしてエンターキーを押すだけの作業をひたすらすすめる。

もう自分が何をどうしているかすらサッパリわからない。

 

~~3時間後~~

 


「おー!すごい!インスタンスが立ち上がった!」


「思ったより順調です!ただ、ここからやるメールの設定がちょっと面倒なんですよね。会員登録した人に、登録完了メールを送る設定をしなきゃいけないので。ざっくりこんな感じです」

1.メール配信サービスを登録する
2.マストドンにメール送信の設定をする
3.DNSレコードの設定をする
4.メールが送信できているかを確認する


「ふーん。なんだかよくわからないけど、僕はスマホでゲームでもやってるからあとはよろしくね」


「ヨッピーさん、絶対会社の上司にはしたくないタイプですね」

「おーすごい!hokutodonの予告ツイートしたら一瞬で数千RTされて、完全に期待されてる感じある……!やっぱりみんな、なんだかんだ暴言吐きたいっていうフラストレーションが溜まってるんだわ」


「ネット社会の歪みが現れてますね……」

 

~~更に4時間後~~

 

やった~~~!hokutodonが無事に立ち上がった~~~~~!

 


「ちょっと手こずりましたが、なんとかなりました!」


「早速、『世紀末SNSが出来たよ!』っていう告知をしよう」

まずは仕込みのさくらインターネットの社員さんに食べ物の写真をアップして貰い……、

早速それを煽る僕。やばい!楽しい!

更にはざっくりしたhokutodonの解説を作って……、

Twitterにブン投げたらめちゃくちゃRTされました。


「時代が……!時代がhokutodonを求めてたんや……!」


「登録者数がめちゃめちゃ増えてる」

hokutodonが満を持して開始

モヒカン族が大量にやってきて早速荒れ狂うhokutodonのTL。

猫の写真をアップするだけで煽られる世界。

煽り合いに疲れた女性っぽいアイコンの人を発見したので、早速Twitterでは言えないような要求を突きつける僕。

あとは適当に煽ったり……、

チャH※の相手を募集したりしました。

※チャH……その昔、そこらへんのチャットルームで男女が出会い、「チャットでHをする」という意味のよくわからない文化がインターネット上にあった。チャHの歴史はネカマとの戦いの歴史でもある。

そして軽快に周囲を煽りまくる参加者たち。


「やだ……。これ超楽しい……」


「このインスタンス、性格悪い人しかいない……」


「なんかね、マストドンやってる人達が、『マストドンには古き良きインターネットの香りがする』みたいな事言ってたんだけど、その意味がわかったわ。この感じ、Yahoo!チャットの喧嘩部屋※に似てる

※喧嘩部屋……その昔、Yahoo!がチャットサービスを運用していた頃に存在したチャットルームの名前。挨拶不要でひたすら罵詈雑言が飛び交う、インターネットの中でもかなりアレだった無法かつ不毛な場所。


「なるほど……。不毛な事には変わりないですね……」


「でも、その不毛こそがインターネットの真骨頂じゃないですか……!」


「それもまた、ひとつの真理……!」

hokutodonを運用してみてわかった、マストドンの可能性

ここでちょっと、マストドンの管理者をやってみてわかった事を色々解説したいと思います。

「閉じる」ことで産まれる自由

普通のTwitterでやったらマジの喧嘩に発展しそうな暴言でも、hokutodonなら「まあ、そういう場所だしな」という事で不思議と全然腹が立ちません。Twitterがオープンな場所だとすれば、特定の人向けのマストドンのインスタンスはある程度は「閉じた場所」であると言えるわけで、「閉じた場所」だからこそ言える自由さ、楽しさ、みたいなものはあるんじゃないかなと思いました。例えば巨人ファンがTwitterで阪神の選手の批判をしたら阪神ファンから叩かれたりするかも知れませんが、仮に巨人ファン向けのインスタンスがあるとすればその中ではある程度そういった言動に対して寛容な空気感が形成されるはずです。

インターネットが広く、多種多様な人々に使われるようなった昨今、別の視点から言えば「多種多様な人に気を使わなければいけなくなった」というような背景があるような気がしていて、そのこと自体は全然悪い事ではないと思うのですが、「多様性」を認める事、尊重することによって逆に均質化していく、みたいなジレンマは抱えているような気がします。それが特定の層に対するヘイトなんかの方向に進むのは良くない事だと思うのですが、先ほど例に出したように特定の球団のファンだったり出身地だったり趣味だったりがコミュニティとして機能するくらいのレベルなら和気あいあいとやれるような気がします。実際楽しい。

狭くて、深いコミュニティ

この「閉じたコミュニティ」の存在によって、「広く浅く」ではなく「狭く、深く」というタイプのコミュニケーションが形成されるんじゃないかな、と予想しております。例えば技術者や医療従事者といった専門職の方が、普段使用しているFBやTwitterで専門用語バリバリで会話するのは少し躊躇してしまうのではないでしょうか。そういった専門職の方でも、普段繋がっている人達の中には自分の専門分野以外の人達がいるでしょうから、そういった人たちにある意味では「気を使う」事によってそういう高度な会話がしづらい環境にあったりするんじゃないかなと思うのですが(僕も割とそうだし)、そういった環境の中で、例えば「ITエンジニア向けマストドン」「医療従事者向けマストドン」みたいなものを立ち上げれば、少数ながら精鋭、ってな具合で専門的な分野でより深いコミュニケーションが出来るんじゃないかな、と思いました。500文字まで書けるし。さっきざっくり検索した所、特に「ITエンジニア向けマストドン」なんかはまだ存在していない割に盛り上がりそうな気がするので、どこぞの企業なり個人なりが立ち上げて運用したらけっこう面白くてタメになるものが産まれるんじゃないかなと思います。

流行らなくても別にいいんじゃない?

マストドンを議論する時に「本当に流行るのか」「こんなの一過性だよ」みたいな意見が出る事がありますが、先ほど述べたマストドンの特性上、「別に流行らなくっても良いんじゃない?」という気がしています。営利目的で運用する性質のものじゃありませんし、「ある程度閉じてる」ことがマストドンの良さとも言えますので、変に流行って人が増えすぎて均質化してしまうと本末転倒であるとも言えますから、ある程度閉じたコミュニティで「濃い」人々が細々と続けるような性質のものだったりするんじゃないでしょうか。昔流行ったmixiに実装されているコミュニティ機能に近いような気がします。あれもコミュニティに人が増えすぎると途端に機能しなくなっていたので。

「阪神ファンインスタンス」とか「大阪出身者インスタンス」とかを盛り上げるのであれば、やはりある程度は流行ってないと人が増えないだろうな、という気がしますがプロの人達が集まって技術の話をするようなインスタンスなら世間的には流行ってなくてもけっこうイケるんじゃないかと思います。

課題について

悪意のある人間の利用

これは別にマストドンに限った事ではなく、すべてのWEBサービス、掲示板システムなんかもそうですが、登録時にメールアドレスとパスワードを求められますし、サーバーにアクセスするという事はIPも握られてしまいますので、悪意のある人間が悪用しようと思うとけっこう色々出来てしまう気がします。少なくともIDやパスワードの使いまわしはやめておいた方が懸命です。

他にも、例えば「完全匿名のSNSを作りました!IPのログも取りません!」とか適当な事を言いながら人を集めて違法薬物の売買だの援助交際だのに使ったあげく、利用者のアドレスに「証拠抑えてあるから警察や会社にタレ込まれたくなかったら金払えや」みたいなメールを送り付けたりっていう事もやろうと思えば出来ちゃうんじゃないかと。「悪意のある人」っていうのは当然出てきますから、そういう悪い事に利用するのは絶対やめておきましょう。

管理がけっこう大変

hokutodonは最終的に登録者が8000人を超えるまでに人が増えたのですが、そうなると全部のタイムラインをおっかけるのは到底不可能です。仮にそこで著作権法違反だの児童ポルノだの無修正画像だのが出回ったと仮定したら、通報によって削除したりBANしたりっていう作業がかなり大変になることが想定されます。仕事もあるし寝る時間もあるし、数千人規模になるともう一人で管理するのは難しいと思います。実際、サーバーを運用してると「何かトラブってないかな」って四六時中気になるし、サーバー代もかかるし、その辺を勘案するとある程度リソースを投入出来る企業メインでインスタンスが産まれて行くのかなっていう気がします。

暴君が管理者だとイライラが半端なさそう

サーバー管理者はすなわち独裁者なので、僕みたいな変なのが管理してるとストレスすごいと思います。

サーバーのファンがうるさい

自分の部屋にサーバーがあるとファンの音がうるさいしずっとカリカリ言ってるので寝れません。

 

そんなわけで……、

 

運営3日目でhokutodonのサーバーを停止する事にしました。
予定調和とも言える。
こんな罵詈雑言だらけのサーバー、その内なんか大きなトラブルが起こりそうで気が気じゃない。

 

そしてhokutodonでも閉鎖を告知。

 

阿鼻叫喚の叫び声に包まれるTL

 

そして……、

 

電源をポチッと。

これにて任務完了!

 

ここで一旦、この場を借りてhokutodonにご参加頂いた方々へのお礼を書いておこうと思います。

hokutodonをご利用して頂いた方々へ

おーい、暇人ども。どうせ今も暇してんだろ。
hokutodonの立ち上げ当初は「これはこれでアリなんじゃない?」って思わなくもなかったし、「なんだかんだ、このまま続けても良いのかな?」みたいな、生まれたての子犬をじっと見つめる母犬のような気持ちになったけど、結論から言えばそれ全部勘違いだったわ。ドヤ顔で説教カマして、「良い事言ったった」みたいな顔してるミヤネ屋のおっさんくらいの勘違いだったわ。こっちはhokutodonの産みの親なわけだし、お前らがわーっとやって来てタイムラインが盛り上がって行くのを、「子犬を見つめる母犬」「孫を抱くおじいちゃん」「満開の桜を眺める新婚カップル」くらいの暖かい目で見ていたのに、その盛り上がりつつあったタイムラインで「ここに無修正画像アップしまくったら、ヨッピーが逮捕されるのかな?」「犯罪予告しまくったら、ヨッピーの家が家宅捜索されるのかな?」みたいな呟きが流れて来た時はさすがの僕も驚愕したわ。孫を抱いてるつもりだったのに、その孫が笑いながら僕のお腹を包丁でザックザク刺してる事に気付いた時のあれだし、眺めてた桜が、実は死体の血を吸って咲いていた事に気付いた時のあれだわ。

「あ、こいつらは簡単に『越えちゃいけない一線』を越えて来るタイプの人間だ」ってすぐに気づいたし、そうなると閉鎖以外の選択肢が無くなるだろ。小学校の先生で、たぶん全国的に分布されてると思うんですけど「今日は、皆さんが静かに出来なかったから工作の授業が無くなりました」みたいな事を宣告するタイプの先生が居たじゃないですか。「〇〇くんが騒いだから、プールの自由時間が無くなりました」とかね。だいたいが20代後半から30代前半、メガネで小太りの女性なんですけど。僕、子供の頃にあれを聞いて、「そんなもんお前のさじ加減やんけ!」「こっちの責任にすんな!」ってめちゃくちゃ怒ってたんだけど、今ならあの時の先生の気持ちが完全に理解出来る。今ならあの先生とも、和民で一緒にウーロンハイが飲める。その先生とがっちり壇上で握手して、「心無いユーザーのせいで、hokutodonが無くなりました」と高らかに、全世界に向けて発信したいわ。もっと反省しろ屁こき豚どもが!

 

そんなわけで

結論から言うと楽しかったです。知らず知らずの内に「気を使う癖」みたいなのが出来ていたのか、「好き放題、人をののしる」っていうのがこんなに楽しい事だったか、というのを改めて実感。思えば、昔のインターネットってある程度「住み分け」みたいなものが出来ていた気がします。2ちゃんねる民は2ちゃんねる民、はてな民ははてな民、ameblo民はameblo民っていう感じで。それがTwitterなんかのSNSが登場し、SNSが各コミュニティのハブとして機能することで人の交流や移動が生まれ、徐々に均質化していったのかな、と。別にそれが悪い事だとは思わないし、良い面もたくさんあるんですが、その一方でこのマストドンを使った「狭くて深いコミュニティ」には一周まわった新しい価値観みたいなものがある気がしますので、これから、何かしらの新しいものがどんどん産まれて行くと良いですな。

おまけ

さっきまで暴言吐きまくってた癖に、女子大生っぽいアカウントが現れると露骨に媚びはじめた人。昔も今も、ネット民は若い女性に弱い。

【スペシャルサンクス】
・hokutodonに参加してくれたモヒカン族の皆さん
・文句ひとつ言わずに黙々と作業してくれた芦野さん
・さくらインターネットの皆さん