Xeon Phi ハッカソンをホストしました
さくらインターネットでは色々なイベントの開催を支援していますが、少し前にとあるハッカソンイベントをお手伝いしましたので、その様子をお伝えします。
※ハッカソンとは…Hackathonは「ハック」と「マラソン」を組み合わせたIT業界の造語。プログラマー・エンジニアたちが技術とアイデアを持ち寄り、数時間~数日にわたっておこなう開発イベント。
イベントの名前は「Xeon Phi ハッカソン」。
インテルの並列コンピューティング用演算ボード、Xeon Phiを使って、参加者が各自持ち寄った課題の高速化に取り組むというものです。
会場はさくらインターネット・東京支社。土曜日ということで、普段は来客用の会議に使われるエリアを開放しました。
朝10時に集合したところで、主催者の方からご挨拶。
タイムスケジュールやXeon Phiサーバーについての諸注意を説明します。
続いてインテル株式会社の池井さんから、簡単なPhiの説明をして貰い、早速ハッカソン開始。
地上33階だけあって、いい眺めです。
時に参加者同士で議論しながら…。
黙々と(用意したお菓子を食べながら)コーディングに取り組む参加者の皆さん。
6時間程経過したところで、休憩も兼ねてインテル・池井さんに質問タイム。
題して「Xeon Phiの中の人だけど何か質問ある?」
社内で「デベロッパー・ロックスター」という称号(?)を持つ池井さん。
背後の写真は池井さんが表紙を飾ったインテルの広報誌です。
場がこなれてくると、質疑応答も活発に。例えば、
「どうして Xeon Phi は (GPGPUみたいに) 秋葉原でボードを買うわけにいかないんですか?」
という素朴な質問に対しては、
「端的に言うと、ちゃんと動かすための敷居が高いということに尽きます。」
「具体的には、比較的最近のハードウェア(マザーボード)でないと動かないし、ホストマシンからドライバを介して Xeon Phi を起動するという仕組み上、OSも何でもいいというわけではないんです。」
「買ったはいいけど動かせない人が続出、というのはまずいので、ちゃんと動く環境を提供しようということで、システム単位での販売になったわけですね。」
「今はそんな状況ですので単体売りはしていませんが、色々条件が整ってきたら将来的にやる可能性はもちろんあります。」
なるほど~。
「でもそういう形にするまでには色々考えましたよ。OSの販売で行われているみたいに、マザーボードと抱き合わせ販売したらいいんじゃないか!?なんて冗談も社内では出たくらいです(笑)」
そんな裏話が!
さらに、Xeon Phi のハードウェアプリフェッチの仕様や、命令セットに関する詳細など、技術的に突っ込んだ質問にもじっくり質疑応答をして頂きました。
実際に Xeon Phi の各種機能を動かして皆で眺めてみたり。
予定の時間を大幅にオーバーしたものの、参加者の皆さんは理解を深められた様子。
そして再びコーディングに戻ること数時間。
成果発表の時間ということで…。
ピザ!
そして発表。テーマは…
- distcc の高速化 on Xeon Phi
- Task piplining with intel TBB
- レイトレーシング on Xeon Phi
- OpenFOAM on Xeon Phi
- ISPC を用いての性能測定
- 倍精度指数関数 exp の実装 on Xeon Phi
- 最小二乗法の実装on Xeon Phi
- ACOTSP on Xeon Phi
- などなど…。
中の人であるインテル・池井さんも「こんなにバラエティがあるとは…」と関心しきり。
発表を聞いたら…
ピザを食べる!
いつの間にか夜になり、新宿の夜景が眼下に広がります(ぶれぶれですが)。
全員分の発表を終え、無事閉会!
皆で撤収作業に取りかかります。
…のさなか、ハードウェアに群がる人々。
そんなこんなで、会場を後にした頃には午後11時を回っていました。
皆様、大変お疲れ様でした~。
ちなみに、この日の成果は https://github.com/mic-hackathon/mic-hackathon_20130803にて公開されています。
そしてこの日のために機材をお貸し下さったインテル株式会社様、テックウインド株式会社様にもこの場を借りて御礼申し上げます。
主催者の方によると、第2回以降も計画されているそうですので、興味がおありの方は参加されてみてはいかがでしょうか。