12月24日(木)に、秋葉原にあるDMM.make AKIBAにて「第28回 さくらの夕べ(さくらの聖夜) ~創業20年、みなさまの愛のおかげでした~」を行いました。当社がクリスマスの時期にイベントを行うのも3回目となり、もはや恒例となった感があります。そのせいか今回は「さくらの夕べ」史上最多の参加登録を記録しました。年末のお忙しい中を当社のために時間を割いていただき本当にありがとうございます!
本記事では、そんな「さくらの聖夜」の模様をたっぷりとお届けします!

お宝写真大放出!さくら創業20年の歴史を振り返る

トークに臨む田中(右)と鷲北

1本目のトークは、当社代表の田中邦裕と当社研究所所長の鷲北賢による、創業期から現在までの振り返りでした。2人が所蔵する写真の数々を映しながら、時にはお蔵出し的なトークも交えつつ、思い出が語られました。
当社の歴史を大別すると以下のようになります。

  • 黎明期 (1996-1998年)
  • さくらインターネット設立期 (1999-2005年)
  • 東証マザーズ上場後 (2005-2010年)
  • 石狩IDC開設前後 (2009-2011年)
  • さくらのクラウド開発から現在 (2011-2015年)

それぞれの時代の中から、筆者が印象に残った写真をいくつかご紹介します。

自家製サーバ


黎明期を支えたサーバです。なんと書類ケースにマザーボードを挿して配線しています。田中いわく「当時のタワー型PCだとラックに8台しか入らないんですが、これだと1列に4台置けて、それを5段重ねるのでラックに20台入るんです。これでさくらWebをサービスしていました」だそうです。現代では考えられませんが、当時ならではの安価に提供する工夫のひとつでした。

本町IDC時代の主力サーバ


1999年にさくらインターネット株式会社を設立し、大阪の本町にデータセンター(IDC)を開設しましたが、その頃は写真のようなNLX規格のPCをサーバとして使っていました。筆者が当社のユーザになった頃のサーバもこのタイプで、私的にも思い出の1台です。

イケてるラックとアカンラック


2005年に東証マザーズに上場するなど、事業規模の拡大とともにラックも増えていきましたが、配線は必ずしも洗練されているとは言えずまちまちだったようです。写真は2005年当時の東新宿IDCで、2つのラックはほぼ隣接して置かれていたのですが、右側だけなぜこんなに乱雑な配線になってしまったかはわからないそうです。

石狩IDCのモックアップ


2011年に石狩IDCを開設しましたが、この写真は建築に先立って現地に作られたモックアップ、つまり実物大の模型です。これでいろいろなことを確認してから実際の建築を行ったのですが、予想外の事象として、IDCが稼働を開始すると建物内からの熱で屋根の雪が溶け、2mほどもある大きなつららが軒先に下がってしまいました。現地ではこれを「殺人つらら」と呼んでいたそうです。

さくらのクラウド開発


石狩IDCの開設と同時期にサービスを開始したのが「さくらのクラウド」です。現在も活躍するクラウド開発室の面々が構築に励む様子が紹介されました。この頃になるとさすがにラックの配線もきれいですね。

これからもインフラ事業を



このような話をしているうちにあっという間に1時間弱が過ぎて行きました。田中が当社を創業したのが1996年12月で、そこから数えて当社もいよいよ20年目を迎えることになります。黎明期は小さな部屋だった事務所も、今ではこんなに大きく立派になりました。しかし鷲北からは「スケールは大きくなり、配線も良くなっていますが、やっていることは19年間同じです。これからも変わらずインフラ事業に邁進していきます」と、当社の変わらぬ姿勢が披露されました。
なお、田中も今回のトークに関連して、自身のブログにて当社の歴史を綴っています。こちらもあわせてご覧ください。

発表しちゃった!さくらのIoTプラットフォーム

トークに臨む小笠原(左)と岩佐さん

続いて2本目のトークは、当社のフェローである小笠原治と、株式会社Cerevoの代表をされている岩佐琢磨さんの組み合わせでお送りしました。「なんでクリスマス・イブなんだ」とボヤきながら話をする小笠原に、岩佐さんが時折ツッコミを入れながら進行しました。
小笠原は当社の創業メンバーの1人であり、第1部でも昔の写真が映されたりしていましたが、2015年の夏、14年ぶりに当社に復帰しました。そして当社で手がけているのが「さくらのIoTプラットフォーム」の立ち上げで、今回はそれについて考えていることを話しました。

ネットワークの人とハードウェアの人は離れている

はじめに、自身のIoTに対する考えを整理して説明しました。特に、これまでIoT関連のビジネスに関わってきた中で感じたのが「ネットワークの人とハードウェアの人は離れている」ことであり、ここをつなぐサービスを提供したいという考えを示しました。また、それが商売になるかどうかも「1ノードあたり1分に1個、対価を支払うに値するデータがセンシングできたら」という仮説に基いて試算し、ビジネスになりうるという感触を得ました。

IoTデータマーケットに関する試算

突如現れたさくらのIoTプラットフォーム

そうすると気になるのが「さくらでナニやんの?」という話ですが、ここで小笠原は「これ今日出していいのかすごい悩んだんですけど」と言いながら、現在考えているIoTプラットフォームの構成案を提示しました。IoTに適した通信プラン、安価なSIMモジュール、閉域網(さくらのクラウド内に構築)に用意されたストレージやデータベース、インターネットと通信するAPIをセットで提供するというものです。

さくらのIoT構成案

ブロックチェーンとの関わり

また、このイベントの数日前に、当社からブロックチェーンに関するプレスリリースを出しましたが、IoTで集めたデータを格納する閉域網の一部に、このブロックチェーン技術を適用します。ブロックチェーンというとフィンテックへの適用が注目されていますが、技術的な本質は「改ざん困難で安定性の高い分散型データ処理基盤を安価に構築できる仕組み」であり、もっと応用範囲の広い技術であると当社は考えています。そこでブロックチェーンの実証実験環境を提供するともに、それを本プロジェクトにも適用しようというわけです。

通信モジュールも安く提供したい!

さくらSIMモジュール構成案

SIMモジュールについては、SIM自体は安価なものが出始めていますが、通信モジュールが1個あたり数万円するので、気軽に購入できないのが現状です。ここについても「さくらがやるんだからもっと安く提供したい」(小笠原)と考えていて、Cerevoが開発したBlueninja相当のセンサー付きマイコンと当社のSIMモジュールをセットにして提供する予定です。そして、会場限定公開で撮影禁止という条件で、試作中のボードの写真も見せていただきました。
今後のスケジュールとしては、2016年春にβ版の無償提供を開始したいと考えていて、それに先立って2月初旬に発表イベントの開催とβ版利用者の募集を行う予定とのことです。

大切なことはユーザの前で発表

「これってもうマスコミにリリースされてる話なんですか?」(岩佐)「いやまだ何もリリースしてないです(笑)」(小笠原)という会話が物語るように、唐突に発表されたさくらのIoTプラットフォーム。このような形で情報を公開した裏には、小笠原のこんな思いがありました。

「正式なプレスリリースではなく、ユーザーイベントでこういった発表をするのは、今までさくらのサービスを使っていただいてて、さらにこんな日にまで来てくれる(場内笑)、それぐらい当社を好きでいてくださるユーザーさんの生の声を聞きたかったからなんです」

おかげさまでトークの後には多数の質疑応答があり、さらにイベントを取材してくださったメディアの記事や参加された方のブログでも数多く取り上げていただきました。ありがとうございました。
このセッションの資料は小笠原の手により公開されています。また、イベントに先立って本人のブログでも詳しく解説していますので、よろしければそちらもぜひご覧ください。

懇親会にはあのケーキも登場!

懇親会で行われたライトニングトーク(発表者は当社広報宣伝室の林)

トークセッションの後は皆さんお待ちかねの懇親会。さくらの聖夜ではサーバを模った特製のクリスマスケーキがおなじみですが、今年もご用意いたしました!筆者は初めて見たのですが、なかなか圧倒される大きさですね。しかしそんなサーバケーキも、100人を超える参加者の手により、あっという間に跡形もなく胃袋に収まっていったのでした…。
そして、懇親会ではライトニングトークも行いました。今回は発表希望者が多く、全部で8人の方にトークをしていただきました。お名前とテーマだけですがご紹介します。(順不同)

  • 2016年に発売予定のQLogicの新製品等のご紹介:山内正光さん(Qlogic)
  • スタートアップ × さくらインターネット:内田蓮星さん(カウモ)
  • JANOG37のご紹介:海野俊さん(JANOG37実行委員会)
  • PepperとさくらのVPS:河田卓司さん(ソフトバンクロボティクス)
  • 参加者から見た勉強会:川北英治さん
  • インターネットに100%を求めるのは間違っているだろうか~OFFICE INFRASTRUCTURE~:浅見祐樹さん
  • メリークリスマス!スタートアップ!:油井佑樹(当社 広報宣伝室)
  • 部活、しませんか? ~さくらのコミュニティ さくらクラブ のご紹介~:林雅也(当社 広報宣伝室)

発表していただいた皆さん、ありがとうございました!

創業20周年に向けて

こうして「さくらの聖夜」は盛況のうちにお開きとなりました。年末の慌ただしい時期、それもクリスマスイブなどという日に、こんなにも多くの方に駆けつけていただき本当に感謝しています。今年のクリスマスにイベントをやるかどうかは未定ですが(特に今年の12/23-25は祝日・土曜・日曜の3連休です)、その頃には本当に創業から20周年を迎えることになります。良い形で20周年を迎えられるようにがんばっていきます。これからもさくらインターネットをよろしくお願いいたします!

それではまた、次回のイベントでお会いしましょう!