手引による共通指針で、自信と手応えを感じる先生方

「さくらの学校支援プロジェクトを振り返る」3回目の今回は、2018年度に発行した「こどもプログラミング通信」の記事を中心に、小学校プログラミング教育の手引きを中心として教育課程内でのプログラミング教育の理解を深める様子や、先生方の研修が本格的に実施され、石狩市で徐々に成果が出始めた様子を振り返っていきたいと思います。

また、2018年度はエンジニアや一般の方向けへの情報発信も積極的に行い、その様子についても伝えることで、プログラミング教育に対する民間の関心が高いことや、学校と民間が協力し社会に開かれた教育を作る必要性などを伝えていきました。

第2回の記事は、こちらをご参照ください。

目次

こどもプログラミング通信第12号(2018年4月19日発行)

第12号では、2018年度のプログラミング教育支援受付開始と、改訂された出前授業メニュー、そして出前授業以外に支援メニューを拡充し、以下4つのメニューの支援を提供することを告知しました。

  • 出前授業
    • さくらインターネット講師がメインで指導をするもの
  • プログラミング教育補助
    • 先生がメインで指導をし、さくらインターネット講師が補助を行うもの
  • 校内研修会
    • さくらインターネットから研修講師を学校に派遣
  • その他相談
    • プログラミング教育以外の教育活動も含めた協力依頼など

そして、2018年3月31日に発表された小学校プログラミング教育の手引き(第一版)について取り上げました。
小学校プログラミング教育の手引きについては、この後のこどもプログラミング通信でも何度も取り扱い、繰り返し情報を発信し続けました。

「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」が公開

文部科学省は新しい小学校学習指導要領におけるプログラミング教育の円滑な実施に向け、小学校プログラミング教育の手引を取りまとめました。

この手引は、先生方がプログラミング教育に対して抱いている不安を解消し、安心して取り組めるように目指しています。既に公開されている学習指導要領や解説から、プログラミング教育に関する話題を改めて集め、経緯が詳しく解説されています。また、できる限りプログラミングに関する専門用語を用いず、平易な表現で書かれているのが特長です。

また、改めてプログラミング教育の狙いとしては、以下の点が挙げられています。

  1. 「プログラミング的思考」を育むこと。
  2. プログラムの働きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと。
  3. 各教科等での学びをより確実なものとすること。

さらに、企業・団体や地域等との連携例も紹介されています。より進んだ学習をしたい子ども達がどう学ぶかを考えるため、役立つ情報となることでしょう。

また、最後の方には「Q&A」も設けられています。特定の教科だけでなく、どの教科においてもプログラミング教育を取り入れられることや、コンピュータを用いない指導についてなど、これまでのプログラミング教育導入にあたり、多々議論されたことが改めて整理されているのが特長です。

参考サイト:小学校プログラミング教育の手引(現在は第三版です)

こどもプログラミング通信第13号(2018年5月29日発行)

第13号では、主に前号に引き続き小学校プログラミング教育の手引きについて解説しました。

併せて「小学校プログラミング教育の実施事例」と題し、未来の学びコンソーシアム(2020年12月25日に終了)のポータルサイトに掲載された実施事例(正多角形をプログラムを使って書こう)を取り上げて紹介しています。未来の学びコンソーシアムのポータルサイトに掲載されていた事例集は、文科省が管理する「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」に引き継がれています。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、文部科学省から出された「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」の紹介、石狩市のプログラミング教育の取り組みのWeb記事「『学校主体』のプログラミング教育はどうすれば実現できるのか?–さくらインターネットと石狩市の挑戦」についても紹介しています。

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ

2020年度から始まる小学校プログラミング教育の円滑な実施に向けて

前号でもお伝えしたとおり「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」が文部科学省から公開されています。

これまでにもプログラミング教育の導入にあたっては、学習指導要領や解説をはじめとして、様々な情報が発表されています。新しく公開された手引きでは、これまでのプログラミング教育の議論の経緯だけでなく、各教科の目標・内容を踏まえた指導の考え方や、外部との連携、質問と回答集などが記載されています。

手引きでは、複数の教科・学年を通して情報活用能力を育成することをねらいとしたカリキュラム・マネジメントが大切とあります。

実際に授業や課外活動を通し、どのように学習を進めるかの検討にあたっては、手引きにある学習活動の分類(図1)を考慮する必要があります。A・Bは「単元のねらい」を深く理解する手段としてプログラミング教育を行うもので、教科書にも掲載され、学校教育で最低限実施すべきラインです。

算数、理科、総合的な学習の時間の特定の単元は学習指導要領に例示されているため、A分類にあたります。今回は、A分類について出前授業メニューを例に具体例を説明します。

  • A-① プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく場面(算数 第5学年)
    • 例示は Scratch を使っていますが、出前授業ではより簡単に実現できるよう、機能を絞り、チュートリアルを付けた「プログル」という教材を使用します。
  • A-② 身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する場面(理科 第6学年)
    • 例示は Scratch を使って通電を制御しますが、出前授業では「micro:bit」のセンサーを使います(暗くなったらLED点灯、明るくなれば消灯)。
  • A-③ 「情報」を探求課題に設定した学習場面(総合的な学習の時間)
    • 例示はプログラミングで自動販売機を擬似的に再現しますが、出前授業では「身の回りにあるコンピューターを探そう」と「ロボットのお仕事」で、アンプラグドとして信号機の動作をモデルに考えたり、コンピューターの役割とコンピュータを使う人間との役割の違いについて考察したりします。いずれも実際のプログラミングで再現可能です。

小学校段階のプログラミングに関する学習活動分類

こどもプログラミング通信第14号(2018年6月29日発行)

第14号でも、前回に引き続き小学校プログラミング教育の手引きの解説を主体とした記事構成となっています。「小学校プログラミング教育の実施事例」として「『しかけ』のある物語づくり」を取り上げました。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「第3期教育振興基本計画が閣議決定」「『情報教育の推進等に関する調査研究』成果報告書が発表されました」という2つのニュースを取り上げました。

小学校の現役教員が企画し、さくらインターネットが主催した「第2回 小学校プログラミング教育を考える夕べ@札幌」の告知も行っています。「第2回 小学校プログラミング教育を考える夕べ@札幌」についてはさくらのナレッジでレポートを掲載しておりますので、ぜひそちらをご覧ください。

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第2弾)

『プログラミング的思考』を養うために必要な学習機会とは

前号から引き続き「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」に記載されている内容について解説します。

前号では、手引に掲載された「小学校段階のプログラミングに関する学習活動分類」の中でも「A分類」を取り上げて具体的な例をもとに解説しました。

では、小学校では最低限「A分類」のみ実施すれば良いのでしょうか? 手引では「学習指導要領に例示した単元等に限定することなく、多様な教科・学年・単元等において取り入れることが可能」であり、「各学校において工夫したような教科・学年・単元等に適切に取り入れていくことが望まれます」とあります。

「B分類」では、例示されていない教科においても、教科の内容を指導する中で適宜プログラミング教育を実施することを求めています。

出前授業のメニューの中に、「B分類」を想定したものは入っていませんが、アレンジして取り入れることは可能ですので、是非ご相談ください。

ここでは、公開されている実践事例より具体例をご紹介します。

  • B-① 「しかけ」のある物語づくり(国語 第3学年)
    • まずは物語の構成や、「しかけ」になるキーワードを考え、絵コンテを作ります。それに基づき、実際の動きをScratch Jrを使ったプログラミングで表現していきます。「プログラミングができること」が重要ではなく、プログラミングで表現するためには、元となる物語をより深く理解し、伝えたい内容を明確にする必要性が生まれるため、ねらいに向かう意識が高まります。(次コーナーで詳しくご紹介)
  • B-② micro:bitで旋律づくり(音楽 第4学年)
    • 教科書を参考に4小節分の旋律をプログラミングで作り、グループの5人で合奏を楽しむというものです。micro:bitの機能を試しながら、どのようにすればクラスでタイミングのあった合奏にできるかを相談し、方法を確立。音楽の苦手な児童も「合奏が楽しい」と感じることができたり、人の良さ、プログラミングの良さを話し合ったりと、気付きの多い授業となっています。
    • micro:bitで旋律づくり~小学校音楽プログラミング~

こどもプログラミング通信第15号(2018年7月27日発行)

第15号は、小学校プログラミング教育の手引き解説の第3弾を掲載。A分類、B分類と、教科の中で実施するプログラミング教育に続き、C分類「各学校の裁量により実施するもの」を取り上げました。

「小学校プログラミング教育の実施事例」としては「物語を考え、アニメーションをプログラミングする」を取り上げ、第14号で取り上げたB分類での扱いと、ねらいの違いについて触れています。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取り組み状況が公開」「地域ICTクラブ向け、IoTの学び推進事業の採択候補が決定」の2つのニュースを紹介しました。

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第3弾)

C分類は教育課程内でありながら、各学校の裁量で実施する授業

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、前号までは「A分類」と「B分類」を紹介してきました。具体的な例示の有無はあるものの、いずれも学習指導要領と関連付けた実施の位置づけです。

一方、教育課程内で学校が独自の裁量で実施するのが「C分類」です。プログラミング的思考を育むと共に、プログラミングに関する一定の体系的な知識や技能を学ぶことも想定されています。

手引では、学校の裁量で時間を確保するのが前提です。各教科と関連なく実施することも可能ではあるものの、各教科の学習と関連させた具体的な課題の設定により、児童が取り組みやすくなると考えられるとあります。

  • C-① 各教科等の学習を基に課題を設定し、プログラミングを通して課題の解決に取り組む学習を展開する例(社会 第5学年)
    • 例示は社会科の日本の工業生産における優れた製品を生産する工夫や努力の学習と関連付けて、自動追突防止装置の付いた自動車のモデル製作・追突を回避するためのプログラムの作成が挙げられています。大阪市立苗代小学校の「プログラムロボット学習」が授業の参考になります。(当時紹介した事例のWebサイトは現在アクセスできなくなっています)
  • C-② 各教科の学習を基に、プログラミングを通して表現したいものを表現する学習を展開する例(国語)
    • 例示は国語の物語から好きな場面を選び、その場面のアニメーションを作成する授業があげられています。プログラミングによって登場人物が動いたり話したりすることで、登場人物の気持ちや条件を表現し、工夫を話し合うことが考えられます。前号でご紹介したB分類の事例①とは異なり、国語の教科のねらい達成にとらわれず、豊かな表現を楽しみます。
  • C-③ プログラミング言語やプログラミング技術の基礎についての学習を実施する例
    • キーボードを使った文字入力や、ファイルの操作など、直接は各教科等の学習として位置付けられてはいません。しかし、後の学習活動を円滑に進めるための学習活動として、学校の判断により時間を確保し、計画的に進められます。各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立ち、学校の裁量で時間を確保し、プログラミング言語やプログラミングに関する基礎的な知識や技能の習得などを目的とし、プログラムを体験することも考えられます。

こどもプログラミング通信第16号(2018年8月28日発行)

第16号は、冒頭で「第2回 小学校プログラミング教育を考える夕べ@札幌」の様子をご紹介しました。

続いて、小学校プログラミング教育の手引き解説の第4弾を掲載。今回は、D分類についての解説です。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「プログラミング教育の実施実例が9月から募集開始※」「新学習指導要領実施に向けての学校のICT環境整備の推進について」の2つのニュースをご紹介しました。
※現在は募集終了

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第4弾)

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、これまでA~Cの各分類を紹介してきました。今回は教育課程内でのD分類を紹介します。

D分類は教育課程内にありながら、クラブ活動など、特定の児童を対象に実施するもの

前回のC分類は、教育課程での実施、つまり、授業の一環として学校の裁量で実施するものでした。D分類も同じく学校における教育課程内です。しかし、すべての児童が対象ではなく、クラブ活動など、特定の児童を対象としている違いがあります。

児童が協力してプログラムを作成できるようにするためには、学校の創意工夫によって、コンピュータクラブやプログラミングクラブを設けるとあります。また、他の分類とは異なり、教育課程外でのプログラミング機会(E分類・F分類)でプログラミングに関する知識を持つ児童が、苦手な児童に対するサポートの役割を持たせることも書かれています。

例示では、特定の言語環境や教材については示されておらず、

  • 児童の発達の段階
  • プログラミングの経験
  • 作成しようとするものが何か

に応じて適切なものを選択する必要があります。また、漠然とプログラムに取り組むのではなく、発表会を設けたり、プログラミング・コンテストへの参加を促すなども書かれています。

  • D-① オリジナルアニメーションを作ろう
    • 例示では動的なコンテンツの作成として、キャラクタ等の動きの制御だけでなく、画像や音声についても、自分で作成したいという意欲のある児童が想定されます。
  • D-② 家で使える便利な機械を考えよう
    • 例示は各教科の学習の中でつくるよりも更に自由な発想で、様々な機械のモデルとそれを制御するプログラムを作成したいという意欲を持つことが想定されます。これまでにご紹介したプログラミング教育の教材を、児童の段階や興味や用途で使い分けていくことも考えられます

こどもプログラミング通信第17号(2018年9月28日発行)

第17号は、小学校プログラミング教育の手引き解説の第5弾を掲載。

第4弾までは、学校の教育課程内で実施されるプログラミング教育についての解説でしたが、第5弾では教育課程外のプログラミング教育を解説しました。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果が公開(平成29年度調査の速報値)」を取り上げました。各自治体ごとの学校におけるICT環境整備状況や、教員のICT活用指導力を調査したもので、文部科学省により毎年実施、公開されています。

学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果

小学校プログラミング教育の手引きを通してねらいを確認し、授業のイメージをつかむ(第5弾)

文部科学省から公開されている「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」について、これまで取り上げてきたA~Dの各分類は、いずれも教育課程内であり、授業やクラブ活動などを通してプログラミング的思考を育んだり、プログラミングの機会を得るものです。今回は教育課程外でのE・F分類を紹介します。

E・F分類は教育課程外のプログラミング学習機会

教育課程外における分類として、学校を会場とするE分類と、学校を会場としないF分類があります。地域や企業・団体等において学習機会が用意されるものであり、児童の興味・関心等に応じて提供されることが期待されています。

小学校プログラミング教育の手引では、学校の役割としては、「児童の興味や関心を踏まえて、学習機会を適切に紹介するなど、相互の連携・協力を強化することが望まれます」とあります。

あわせて手引では、教育委員会が主導し、企業・団体や地域等の人々と連携し、協力を得ている例が7つ掲載されています。

① 企業等との連携
② 企業等の社会貢献プログラムへの参加
③ ICT支援員等の活用
④ 市民ボランティア等の活用
⑤ 大学等との連携
⑥ NPO等との連携
⑦ 学校放送番組の活用

いずれもカリキュラム・マネジメントとして外部の人的・物的資源の活用であり、学校としての取り組みや、教育委員会による支援も重要とあります。

「未来の学びコンソーシアム」に分類別の事例が掲載

各分類に応じた、実際の授業や取り組み事例に関する情報が続々と掲載されています。また、教材情報も充実してきていますので、指導や授業における計画作りの参考になります。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
Powered by 未来の学びコンソーシアム※

※未来の学びコンソーシアムは2020年12月25日に終了し、サイトは文科省が引き続き管理運営しています。

こどもプログラミング通信第18号(2018年10月29日発行)

第18号では、この頃かなり充実してきたプログラミング教育の指導案を集めたサイトを紹介しました。

さくらの学校支援プロジェクトでも、出前授業を通じて開発した指導案を公開していますが、文科省、プログラミング教育関係のNPO法人、教育関連民間企業、各自治体の教育委員会などから多数の情報が公開されていることを先生方にも知ってもらい、幅広い情報収集につなげていただきたいとの思いを持っていました。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「『小学校プログラミング教育導入支援ハンドブック2018』発行」「ネットワークビギナーのための情報セキュリティハンドブック」の2つのニュースを掲載しました。

小学校での授業を想定した学習指導案が公開

2020年からの学習指導要領改定を前にして、インターネット上では企業や団体により、実際の授業にプログラミング教育の導入を想定した学習指導案が公開されはじめています。学習指導要領の範囲内の授業において、どのようにしてプログラミングを取り入れていくのか、参考になるサイトを紹介します。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
https://miraino-manabi.jp/

実施実例では、学習活動の分類A~Eにわけて様々な実施実例、学習指導計画、ワークシートが配布されています。

プログラミング教育実践ガイド

プログラミング教育実践ガイド
http://csforall.jp/case/533/

Computer Science for All(NPO法人CANVAS主催の団体)による授業例や、学習の流れを紹介しています。また、学習指導要領の範囲外も含む様々な取り組みも紹介されています。

プロカリ

プロカリ
https://procurri.jp/

掲載の事例はどれも実際に行われた授業のもの。教科のねらいと、プログラミング的思考の育成が関連付けられたものが厳選。学年や教科ごとに分かれている指導案やワークシートも配布されています。また、情報教育の年間計画も公開されています。

プロアンズ

プロアンズ
https://www.proanz.com/

ベネッセが公開しているサイトで、パソコンやタブレットを使った指導案が多く掲載されています。教科のねらいとプログラミングのねらいの両方が記載されています。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル

その他自治体

大阪市
※当時紹介していたサイトは関係者向けポータルサイトに移動していました

宮城県
http://www.edu-c.pref.miyagi.jp/midori/
jouhou/pesp/katudourei/katudou%20top.html

千葉県柏市
http://www.it.kashiwa.ed.jp/?page_id=43

こどもプログラミング通信第19号(2018年11月27日発行)

第19号では、小学校プログラミング教育の手引が改訂され、第二版となったことを中心にお伝えしました。

小学校プログラミング教育の手引(第二版)が改訂

2020年度から始まる小学校におけるプログラミング教育導入にあたり、2018年3月に文部科学省から「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」が公開されていましたが、11月に内容の補足を盛り込んだ第二版が公開されました。

「小学校プログラミング教育の手引」とは

プログラミング教育の本格的な開始に向けて、先生方が抱いている不安を解消し、安心して取り組んでいただけるように文部科学省が取りまとめたものです。プログラミングに関する専門用語をできる限り用いず、教育内容を具体的かつ分かりやすく解説しています。

内容はプログラミング教育導入の経緯から始まり、小学校で育むプログラミング教育について網羅的な解説があります。各教科の目標や内容を踏まえた具体例にまで丁寧に言及があるため、学習指導要領をより具体的に補足する内容として、授業の実施や計画にあたって目を通しておくべき資料と言えるでしょう。

なお、手引の内容については、教材の充実や各学校における実践の充実を踏まえ、適時改定を重ねる予定との記述があります。

以下に、第二版での主な変更点をご紹介します。

「プログラミング教育ポータル」に教育事例

プログラミング教育の指導例や実践実例は、官民連携の「未来の学びコンソーシアム」が運営する、プログラミング教育事例が掲載されているウェブサイト「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」(https://miraino-manabi.jp)を通して行われることが記されました。授業作りにあたっては、手引だけでなく、教育ポータルも参考になる位置づけです。

C区分の役割は教育課程内での実施と明確化

学習指導要領の範囲内で実施する区分A・区分Bに比べ、区分Cは「各学校の裁量により実施するもの(教育課程内で実施するもの)」という位置付けでした。第二版では「裁量により」の記述は削除され「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」との記述が新たに追加されました。

C分類のねらいと取り組みへの期待

第二版では、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気付き」やコンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることなどをねらいとした上で、以下のような取り組みが期待されています。

  • プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材を設定する
  • 各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎について学習する
  • 各教科等の学習と関連させて具体的な課題を設定する

評価についても「教育課程内で各教科等とは別に実施する場合は、教科等の評価規準により評価したり、評定をしたりすることはありませんが、それ以外は前述と同様に児童を見取り、その評価を適切に伝えるなどすることが望ましいと考えられます。」の記述が追加されました(21頁)。

学習指導要領範囲内での指導例が一部変更・追加

学習指導要領の範囲内である区分A(例示あり)と区分B(各教科等の指導で実施)で、細かな記述が変更になったほか、それぞれ新しい指導例が追加されました。

A-④ 「まちの魅力と情報技術」を研究課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

まちの魅力を発信するタッチパネル式の案内表示にプログラミングを取り入れるのを考え、見せ方を試行錯誤する。

A-⑤ 「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探求課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

例えば、自動車工場にある先端の情報技術につて意見交換するなかで、自分が作ってみたい自動車を課題として設定。衝突を防止するセンサーのプログラミングなど。

B-② 都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見つけるプログラムの活用を通して、その名称と位置を学習する場面(社会 第4学年)

47都道府県の特徴が記されたブロックを組み合わせることで、ブロックの特徴に合致した都道府県の名称と位置を示すプログラムを使用。地図上で理解するよりも思考を伴う学習活動。

B-③ 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通して、炊飯について学習する場面(家庭 第6学年)

ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を通して、炊飯の一連の手順について理解を深めるとともに、身近な生活にコンピュータ(プログラム)があるのに気づく。

このほかの変更点も含め、具体的な例示については、次回以降のこどもプログラミング通信を通してお伝えします。また、第二版は文部科学省のページからご覧いただけます。

こどもプログラミング通信第20号(2018年12月20日発行)

第20号では、2018年12月9日に行われた「第3回 小学校プログラミング教育を考える夕べ@東京」の様子を掲載しました。このイベントにつきましては、さくらのナレッジでもレポートを発信しておりますので、ぜひご覧ください。

前号に引き続き、小学校プログラミング教育の手引(第二版)に追加された事例についてのご紹介を掲載しています。

小学校プログラミング教育の実施事例

プログラミング教育の手引(第二版)追加の事例

文部科学省から2018年11月に、先生方を対象とした「プログラミング教育の手引(第二版)」が公開されました。改定内容の概要は、前月のこどもプログラミング通信第19号(2018年11月発行)をご覧ください。このコーナーでは、新たに追加された実施実例と未来の学びコンソーシアムの事例を掲載していきます。今回は、区分A「学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの」です。

第一版では以下の3つが記載されていました。

  • A-① プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく画面(算数 第5学年)
  • A-② 身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する場面(理解 第6学年)
  • A-③ 「情報化の進展と生活や社会の変化」を研究課題として学習する画面(総合的な学習の時間)

第二版の改定では、新たに「総合的な学習の時間」として以下2つの実施事例が追加されています。具体的な授業の進め方は、未来の学びコンソーシアムのリンク先をご覧ください。

【A-④】「まちの魅力と情報技術」を研究課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

身近な生活にプログラミングが活用されていることや、そのよさについて、プログラミングを通して気付くとともに、この体験をよりどころとして、情報に関する探求を進めていきます。

単元では、観光客がまちの魅力に触れてもらうために魅力を考え、プログラミングを活用した情報発信の方法を考えます。それから、実際に駅に設置したり、商業施設や駅担当者へのインタビューを行い、魅力あるまちづくりに寄与できることをまとめ、発表します。

単元例:地域をつなぐ情報と私たち(情報)
学 年:小学校3~6年生
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル掲載事例:まちの魅力 PR大作戦

【A-⑤】

「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探求課題として学習する場面(総合的な学習の時間)

プログラミングを通して、情報技術の仕組みを理解し、ものづくりのよさを知るとともに、ものづくりを支える人との関わりからものづくりの魅力や自分らしい生活についての考えを深めていきます。

単元では、社会科の自動車工場の見学を振り返り、産業用ロボットの活用を踏まえ、プログラムで命令できれば同じ原理の車ができることに気付きます。それから自分たちで自動車や生活を豊かにするものに視点を拡げ、ものづくりや生き方をまとめて発表します。

単元例:ものづくりと生活の豊かさ(ものづくり)
学 年:小学校5、6年生
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル掲載事例:豊かな生活とものづくり

こどもプログラミング通信第21号(2019年1月29日発行)

第21号では、これまで紹介してきた小学校のプログラミング教育実践事例や、小学校の学習指導要領解説から離れ、高等学校までのプログラミング教育の方針について解説しました。

前号から引き続き、小学校プログラミング教育の手引(第二版)で追加された事例(B分類)の解説についても掲載しています。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、教材として認知度の高くなっているScratchのバージョンアップについて紹介しています。

情報活用能力育成は、中学校・高等学校へも続く

2020年度から小学校は新学習指導要領の全面実施

いよいよ小学校のプログラミング教育実施まで、あと1年と少しとなってきました。出前授業の実施や子どもプログラミング通信を通してご理解されている通り、小学校の段階では、教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながら、プログラミングを体験することが重要です。

小学校では「プログラミング的思考」という論理的に考える力を育むために、一人で黙々とコンピュータに向かっているだけで授業が終わったり、子ども自身の生活や体験と切り離され抽象的な内容になったりしないよう、留意が必要とされています。

そして、この情報技術を手段として活用する力を含む、情報活用能力の育成は、小学校で終わりではなく、中学・高等学校へと続きます。これは、子どもたちの発達の段階に応じて「主体的・対話的で深い学び」のためにプログラミングを活用するという位置付けだからです。そのため現在の小学生は、中学生の時点で新しい教育課程に移行します。さらに、高等学校では全員が新課程となります。

学びの過程

※参考 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申) 平成28年12月21日 中央教育審議会

小学校プログラミング教育の実施事例

プログラミング教育の手引(第二版)で追加された区分Bの事例

2018年11月に公開された「プログラミング教育の手引(第二版)」で新たに追加された実施実例を掲載していきます。今回は区分B「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導するなかで実施するもの」です。なお、区分A・Bは、いずれも「各教科等での学びをより確実なものとするための学習活動」としてプログラミングに取り組む位置付けです。

第一版の区分Bでは以下の2つが記載されていました。

  • B-① 様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面(音楽 第3~6学年)
  • B-② 課題について探求して分かったことなどを発表(プレゼンテーション)する学習場面(総合的な学習の時間)

第二版では、新たに「社会」と「家庭」で2つの実施事例が追加されています。具体的な授業の進め方は、未来の学びコンソーシアムのリンク先をご覧ください。

【B-②】

都道府県の特徴を組み合わせて47都道府県を見付けるプログラムの活用を通して、その名称と位置を学習する</strong場面(社会 第4学年)

コンピュータのプログラムと地図帳や白地図を同時に活用しながら、都道府県の特徴を組み合わせて都道府県を特定する活動を通して、47都道府県の名称と位置を、その特徴とともに理解できるようにします。

学習活動としては、例えば地図帳を活用し、都道府県の特徴を探し、プログラム上で3つ以上のブロック(特徴)を組み合わせて、示された都道府県の名称と位置を白地図に書き込む活動が考えられます。

このプログラムを応用し、第5学年の産業や国土の学習を通して獲得できる特徴や、第6学年の歴史や文化遺産に対しても活用が期待できます。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル掲載事例:ブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう

【B-③】

自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える活動を通して、炊飯について学習する場面(家庭 第6学年)

ご飯をおいしく炊くためのプログラミング体験を行うことにより、炊飯の一連の手順について理解を深めるとともに、身近な生活にコンピュータ(プログラム)が活用されていることにも気づくことができるようにします。

学習活動としては、炊飯に関する一連の手順についてプログラミング体験を行い、ご飯がおいしく炊けたり炊けなかったりする原因について考え、話し合うなどの活動が考えられます。

この学習では、第5学年での鍋での炊飯の経験を生かし、一連の炊飯の手順が、自動炊飯器にどのようにプログラミングされているかに関心をもたせるのが重要です。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル掲載事例:家族と食べる朝食を考えよう

こどもプログラミング通信第22号(2019年2月26日発行)

第22号では、オープンソースカンファレンス大阪での、ITエンジニア向け講演の様子をご紹介しました。

前々号、前号から引き続き、小学校プログラミング教育の手引(第二版)で追加された事例(C分類)の解説についても掲載しています。

また、「小学校プログラミング教育推進の動向」として、「放送大学で小学校教員が対象の、プログラミング講座開講」をご紹介しました。

オープンソースカンファレンス大阪でセミナー発表

ITエンジニアも誤解しているプログラミング教育

2019年1月25日、大阪産業創造館で開催されたオープンソースカンファレンス大阪2019で、当プロジェクトの前佛が発表しました。内容は、ITエンジニアに対して、小学校で始まるプログラミング教育の経緯や、エンジニアや技術系コミュニティが、学校外でプログラミング教育に関わる必要性を解説しました。

発表後の会場アンケート結果からは、小学校では「プログラミング言語だけを学ぶのではない」等と誤解が解けたものの、学校外での学びの環境を整えるためにも、機会があれば今後も情報発信を続けて参ります。

アンケートに寄せられた声:

  • プログラミング言語を学ぶための教育ではないことは知っていましたが、より理解できました。
  • プログラミング教育の誤解がとけた。
  • 学校に任せるのではなく、大人も行動が必要と理解しました。

OSC大阪

小学校プログラミング教育の実施事例

プログラミング教育の手引(第二版)で追加された「C分類」の変更点について

2018年11月公開の「プログラミング教育の手引(第二版)」で新たに追加された実施実例紹介、今回はC分類です。第一版では「各学校の裁量により実施するもの」と説明がありましたが、第二版では「教育課程内で各教科等とは別に実施するもの」と改められています。

また、C分類の目的として、A分類とB分類とは異なり、各教科等に位置付けているものでないため、第二版では新たに説明が追記されています。特に単純にプログラミングを授業で行うという誤解を招かないように、各所で説明が追記されています。

《追記された説明》

C分類では、「プログラミング的思考」の育成、プログラムのよさ等への「気付き」やコンピュータ等を上手に活用しようとする態度の育成を図ることをなどをねらいとした上で、

  • プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取り組み設定する
  • 各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎について学習する
  • 各教科等の学習と関連させた具体的な課題を設定する

こともでき、各学校の創意工夫を生かした取り組みが期待されます。

具体的な取り組み例として、追記・変更されているのは、以下の2点です。

【C-①】プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材などでプログラミングを体験する取組

第一版では「プログラミング言語を用いて」の記述が、第二版では「具体的には、ビジュアル型プログラミング言語を用いて」と書き加えられています。

追記された説明には「プログラミングの体験を通して、コンピュータの画面上のモノがプログラムで動いていることに気付いたり、プログラミング的思考を育むとともに、プログラミングの楽しさや、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことにつながることが期待されます」とあります。

第一版にあった「プログラミングの体系的な知識や技術を学ぶことも考えられます」の項目は削除されました。

【C-②】各教科等におけるプログラミングに関する学習活動の実施に先立って、プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎についての学習を実施する例

第一版の説明は「C-③ プログラミング言語やプログラミングの技能の基礎」のみでしたが、第二版では「学習活動の実施に先立って」が追記されています。説明でも追記があり、「後に実施する単元等で使用する予定であるプログラミング言語やソフトウェアの操作」と、あくまでも深い学びや気付きのため、プログラミングで学ぶことが強調されています。

小学校を中心としたプログラミング教育ポータル掲載事例:実施実例C

2018年度の取り組みを振り返って

2018年3月に公開された「小学校プログラミング教育の手引」を通じ、新学習指導要領に書かれた方針を具体的にどう授業の中に落とし込んでいくかを模索した1年でした。

それまでは、「プログラミング教育についての情報がない」と及び腰だった先生方、教育委員会も続々と事例を公開し始め、石狩市でも2019年3月には「プログラミング教育 指導事例集 2018」をまとめて公開しています。

出前授業を「見る側」から、「実践する側」へ。先生方の姿勢の変化が感じられる1年となりました。

次回の連載第4回では、2019年度の活動や当時のプログラミング教育関連の動きを、こどもプログラミング通信の記事を中心に振り返ります。